弘前大学

弘前大学「深浦エコサテライトキャンパス」公開講座開催

2018.07.17

弘前大学では,平成30年7月6日(金)青森県深浦町役場において,「弘前大学深浦エコサテライトキャンパス 平成30年度第1回公開講座,2018年度深浦円覚寺古典籍保存調査プロジェクト成果報告会,深浦新発見!-円覚寺の古典籍からわかること-」について,深浦町と共同で開催しました。
本サテライトキャンパスは,高等教育機関がない青森県西海岸方面において,深浦町を中心に学生の滞在型学習,大学講義レベルの公開講座・講演会等の実施,大学の各種広報活動,その他地域の活性化に資する事業を実施することにより,賑わいの創出とともに,地方創生や人材育成等に貢献することを目的として,平成28年5月に弘前大学と深浦町がバーチャル型のキャンパスとして共同で設置しているものです。
本公開講座は,大同 2年(西暦807年)に坂上田村麿が建立したと伝えられる円覚寺(青森県深浦町)のご本尊(十一面観世音菩薩)が,本年7月の2週間のみ,33年に一度のご開帳となることを契機として,平成29年度より弘前大学が主体となって取り組んできた円覚寺における町民参加型の古典籍調査の1年間の調査成果を地域に報告する趣旨で開催されました。
開会にあたり,冒頭,吉田満深浦町長から,「深浦町が誇る古刹円覚寺で新たな発見があったことに驚いていると同時に,33年に1度のご本尊開帳の年にこのような機会に恵まれ感謝している。また,本調査のさらなる発展に期待したい」と述べられ,続いて,第一部の基調講演として,日本女子大学の永村眞名誉教授より,『中世の醍醐寺とその仏法-「国宝醍醐寺文書聖教」を通して-』と題して,円覚寺の本寺である世界文化遺産の京都の醍醐寺の聖教や円覚寺との関わりについてご講演いただきました。
第二部の円覚寺古典籍保存調査成果報告として,深浦町教育委員会から調査概要報告の後,調査に実際に参加した地元町民,木造高等学校深浦校舎生徒及び本学学生から,調査を通じて得られた知見や経験,今後の抱負等の成果について報告がありました。
次に,本プロジェクト代表者である弘前大学人文社会科学部の渡辺麻里子教授より,町民参加型の調査を通じて,円覚寺の学僧が醍醐寺で学んだ密教や修験関係の貴重な書物発見等に関する報告のほか,今回の調査プロジェクトは,文献調査団としては類を見ない,大学と地域による調査団の形成による実施で全国初の試みであることから,これを青森モデルとして発信し,深浦円覚寺古典籍の歴史文化資源の価値向上を図るとともに,今後も多数の地元関係者の調査への参加を通じて,地域振興のモデルケースとして展開していきたい旨の説明がありました。
会場には,深浦町民,高校生,行政関係者の他,県内各地から約150名を超える参加があり,円覚寺の歴史的価値の高さとその魅力やこの1年間の調査結果について熱心に聞き入り,盛況のうちに終了しました。

挨拶をする吉田深浦町長
講演をする渡辺教授
講演をする弘前大学学生 田村さん
講演をする弘前大学学生 稲見さん
講演をする永村名誉教授
講演をする木造高校深浦校舎生徒