弘前大学大学院 地域社会研究科

地域文化研究講座(平成27年度入学)伊藤 由美子

地域社会とつながる研究を目指して

地域文化研究講座(平成27年度入学) 伊藤 由美子

 私は大学で考古学、大学院修士で人類学を専攻し、青森県に埋蔵文化財専門職員として就職しました。昨年より青森県県民生活文化課青森県史編さんグループにて『青森県史』の編さんに携わっています。15年前から縄文時代の環境変動と人との関わりや植物と人との関係に興味をもち、近年は青森県内での縄文時代の漆利用について調べていました。

 考古学を研究するうえで常に自問自答していることは、研究の成果をどのように社会に還元していけばいいかということでした。「地域社会研究科」を受験したのは、「昔の事を研究する」ことから脱皮し、「人類史の研究を現代社会(地域社会)に還元する」ことも目的の一つでした。

 博士論文のテーマは「青森県における縄文時代以降のウルシ利用と専業化のプロセスに関する研究」です。研究では考古学的な資料調査だけではなく、現代の漆に関する道具(民具)調査、現在漆に関わる人からの聞き取り調査も行い、人と漆という植物が1万年にわたってどのような関係を築き、その中で人が漆の技術を専業化(スペシャライズ)したプロセスを明らかにしたいと考えています。
 青森県を代表する工芸品の津軽塗や、三戸・田子地域・岩手県浄法寺を中心とする漆生産と、青森県は現在でも漆と深いつながりがあります。しかし、どちらも後継者不足などの問題を抱えています。研究の成果をわずかでも還元し、問題解決の一助になればいいと考えています。そのため、在学中は研究を地域社会にどのような形でつなげることができるかを常に考え、さらに現職である「青森県史」の業務にも生かすことができるようにしたいと考えています。

 入学してから約3ヶ月が経ちましたが、仕事と研究の両立は精神的にも体力的にもハードです。しかし社会人入学者が多く、授業時間も休日や夜間に設定するなど配慮していただいています。また、月1回の研究会では異分野の研究に触れることができ、より幅広い視野を得ることができます。

弘前大学大学院地域社会研究科 案内(PDF)

弘前大学大学院地域社会研究科
〒036-8560 
弘前市文京町1番地
弘前大学教育学部4F
TEL:0172-39-3960
お問い合わせ・アクセス

ページ上部へ戻る