弘前大学大学院 地域社会研究科

地域文化研究講座(平成27年度入学)髙橋 憲人

学際的な研究のために

地域文化研究講座(平成27年度入学)髙橋 憲人

 皆さんは「芸術」と聞くと、コンサートホールで演奏されるクラシック音楽や、美術館に展示された絵画を思い浮かべるでしょう。これらは規模が大きく、大きな物語を表現する〈大きな芸術〉といえます。自律した世界を構築し、人々の日常環境と乖離した〈大きな芸術〉は、一般の人々にとっては教養に過ぎず、専業者にとっては技術に過ぎません。しかし、このような〈大きな芸術〉だけが芸術の総体ではありません。

 音楽においては、サウンドスケープ論を提唱したカナダの作曲家R.M.シェーファーが、一般の人々がサウンドスケープを基盤に日常環境から乖離しない音楽づくりを行うことができるエクササイズ、サウンド・エデュケーションを考案しました。視覚芸術においても、日常環境のかたちや質感を少しだけ異化するような小さな制作を行うアーティストが現われています。私の研究は、彼らの〈小さな芸術〉のあり方を分析しながら、一般の人々が日常環境に汎在するかたちや質感をたよりに〈小さな芸術〉を実践できるような芸術教育のあり方を探ることを目的としています。

 2015年度(一年次)の具体的な研究活動は、7月に香港教育学院で開催された10th Asia-Pacific Symposium for Music Education Researchでの口頭発表、10月に宮崎のシーガイアコンベンションセンターで開催された日本音楽教育学会第46回大会での共同企画があげられます。また2月には、「弘前大学地域教育プロジェクトvol.4弘前のオトとモノ」に講師として参加し、自らデザインした学生・一般市民向けのワークショップを実践しました。これは〈小さな芸術〉の実践的な探求の貴重な第一歩でした。

 地域社会研究科の中でも、私は地域文化研究講座に所属しています。本講座の特色はその学際性にあると思います。私の研究は、既存の学問分野には収まりません。よって、指導教員が専門とする非常に学際性の高い分野である音楽教育学をはじめ、人類学、民俗学などを横断的に学ぶ機会が与えられることは、この先自らの研究を支える知の形成にとって大きな助けとなるでしょう。

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