弘前大学地域社会研究科【後記3年博士課程】

研究科長挨拶

弘前大学大学院地域社会研究科長 丹野 正

弘前大学大学院地域社会研究科長
丹野 正

  21世紀初頭の現在、日本では少子・高齢化が進行しています。以前から少子化が進んでいても総人口が減らなかったのは、他方で平均寿命が延びていたためで、人口総体としての高齢化が進みつつあります。しかも、数年後には、総人口そのものが減少に転じます。それでも、大都市圏では若い世代の人口流入が続き、目立った変化は生じないでしょう。
 これは、地方からの若い世代の流出が今後も続くことを意味します。つまり、少子・高齢化と人口の減少は日本全域で一様に進行するのではなく、地方の各地域社会ですでに以前から進行していたことであり、今後それがますます顕著でかつ深刻になるわけです。日本の少子・高齢化と人口減少は、じつは各地の地域社会に増幅されてもたらされている現象なのです。それが今後も続けば、地域社会は衰退の道をたどることになります。これを押しとどめ、別の道を指向するためには、地域社会の知力と努力の結集が必要ですし、地域社会相互間の連係プレイも強化する必要があります。地域社会はいままさに、自主的・持続的な社会づくりを目指し、地域の特性に基づいた産業の創出と、地域が誇るべき文化の創造・発信を担いうる人材を求めています。
 本研究科は、地域に立脚した国立大学としてこうした地域の期待に応えるべく、課題探求能力に優れ、広い視野と総合的な判断・実践能力を備えた、地域社会の活性化に実践的に関わることのできる高度専門職業人の養成を目指して2002年度に設置されました。本研究科は後期3年博士課程の独立研究科で、1専攻―地域社会専攻―、3講座一地域産業研究・地域文化研究・地域政策研究一から成りますが、スタッフは弘前大学の人文学部や教育学部などの教員のみでなく、地域の研究機関等で実践的に活躍している専門家も加わっているのが特徴の一つです。
 上述の目的で開設された本研究科は、修士課程から進学する人だけではなく、地域社会のさまざまな分野で活躍中の社会人をも積極的に受け入れ、働きながら学び、研究しうる体制をつくっています。また留学生も積極的に受け入れます。本研究科のカリキュラムは別に述べますが、3年間の学習と研究および学位論文作成により、学術博士の学位を取得しうるよう、指導体制をつくっております。
 具体的には、次のような地域社会研究を構想し、教育研究に取り組みます。
  • 地域の現状を分析・把握して、その課題を学問的に検討し、自立的で持続的かつ魅力的な地域社会の実現のために必要な施策を明確化する。
  • 地域のシーズ及び自然・文化・社会資産の再発見や新たな視点での地域社会の再認識を進める。
  • 地域産業の活性化や高付加価値化を図り、また地域住民の生活や環境を個性豊かで誇りあるものにするための実効性ある政策研究を展開する。