授業内容・シラバス

地域文化研究講座

地域文化研究講座 地域のアイデンティティーの核となる地域固有の文化を再発見して、 地域社会の活性化に活用する施策を探ることを教育研究の主眼とする講座です。


選択科目

【選択科目】 地域文化政策 (須藤 弘敏
地域社会の中で文化が果たし得る機能とそれを支えるシステムについて具体的に考察する。
行政と市民それぞれにとっての文化政策。中央と地方それぞれにとっての文化政策。 保護すべき文化と振興すべき文化。
文化施設と文化の振興など個別的な事例を受講者自身の問題として考えてもらいながら進めていく。
シラバスはこちら
【選択科目】 地域歴史論 (長谷川 成一
本講義では、フィールドを青森県に限定せず日本北方域に拡大して、その歴史を人・もの・情報の交流の視点から論じる。
北からの日本史像の構築とともに、アイヌ民族の動向にも留意して豊かな北方地域史を考察する。
現在盛行を見せている自治体史編纂の過程で地域アイデンティテーに関する議論がなされているが、 地域住民の歴史意識、自己認識の形成過程などについても、地域の現代史を踏まえて考究する。
シラバスはこちら
【選択科目】 地域言語行動論 (佐藤 和之
現代の地域社会には、方言話者だけでなく、共通語話者や外国語話者など、さまざまな人が住んでいる。
地域構成員の複雑化によって変容する地域のことばは、どのような状態にあるのだろうか。 また、将来にどう残したいと考えているのだろうか。
本講義では、そんな地域社会構成員たちの日常の言語意識や言語行動から見えてくる方言と 共通語の関係や日本語(含む方言)と外国語の関係について論ずる。
シラバスはこちら
【選択科目】 地域社会動態論 (平井 太郎
明治期以降の青森県の人口動態は、中国・四国・九州や南東北の諸地域のそれとは異なった変化を示している。
それは、青森県が本州北端に位置し、北海道や樺太及び北洋漁業等、北方開発の前進基地となり、また、 日本海から北洋の海上輸送の幹線拠点だったこと、しかし、日本の高度経済成長期以降は、 北方開発が衰退し、冬季の長い積雪寒冷地帯という産業・物流・交通面でのデメリットが東北の他地域より遅れて 、より急激に影響しつつあることによる。
こうした青森県の人口と社会構造などの動態を分析し、他地域と比較検討することにより、 地域活性化を考えるための基礎を提供する。


シラバスはこちら
【選択科目】 地表環境動態論 (小岩 直人
白神山地を含む西津軽地域における、地形および気候の成り立ちと、そこで行われてきた人間活動の関係を検討する。
特に、日本でも有数の隆起速度をもつ白神山地の地形の特徴、約10万年周期で繰り返される氷期─間氷期サイクルの 気候変化に伴って形成された海成段丘や河成段丘の発達過程、そこで営まれている人間生活について、現地調査をふまえながら考察する。
シラバスはこちら
【選択科目】 生物多様性論 (大髙 明史
地域固有の財産としての生物多様性について、生物学的側面からの理解を深めるとともに人間活動との関係を考察する。
特に水界生態系を中心として、群集の構造や機能に関する諸理論を学び、環境要因との関わりについての理解を深める。 加えて、環境保全のための政策システムや教育的側面からの取り組み事例も紹介したい。
シラバスはこちら
【選択科目】 地域社会フィールドワーク論 (作道 信介
本講義では「近代化」の枠組みのもと、地域社会の出来事や現象を「社会と文化と個人と歴史の出会い」 ととらえる社会心理学的視点から論じる。
対象は青森県の“地域”だけにとどまらない。 「近代化」という視点は時空をこえた人々を同時代人として扱うことを可能にする。
その検討の中で、“津軽らしさ”といった地域性(ローカリティ)を扱うことができる。 人々の生活や人生が近代化によってどのように変わってきたのか。周縁地域として、どのような特徴があるのだろうか。
その検討の積み重ねが私たちのいる近代の特質を示してくれる。
シラバスはこちら
【選択科目】 埋蔵文化財の保護と活用 (関根 達人
文化財保護行政のなかで大きなウエイトを占める埋蔵文化財の調査・保護・活用のあり方について、 各地の実例をもとに学び、問題点や課題を探る。
その上で、地域振興と埋蔵文化財の保護の調整を如何に図るか、より良い方向性を追求する。
シラバスはこちら
【選択科目】 地域サウンドスケープ論 (今田 匡彦
サウンドスケープ(soundscape)とは、カナダの作曲家R.マリー・シェーファー(R.MurraySchafer) によって提唱された思想である。
サウンドスケープは、風景を表すlandscapeの接尾語scapeと、音soundを繋げたシェーファー自身による造語で、 自然界の音、都市の喧騒、楽音のような人工音など、我々を取り巻く音すべてを1つの風景として捉えるとともに、 ある特定の地域で、人々がそこに鳴り響く音をどのように認識し価値付けているのかを知るための概念である。
本講義では、このサウンドスケープ論を基盤に、特定地域の音環境と音楽の関係を、芸術論、身体論、音楽教育を踏まえつつ、検討していく。
シラバスはこちら
【選択科目】 民俗文化と地域社会 (山田 厳子
東北における従来の民俗文化の研究史を批判的に検討し、東北地方をフィールドとした民俗研究の新たな可能性について、 具体的な題材を取り上げながら検討していく。 また、民俗文化を「資源」として扱うことでもたらされる危険性と、 眼前で起こっている民俗文化をとりまく文脈の変化を捉えるための視角、方法も併せて検討する。
シラバスはこちら
【選択科目】 方言・地域語教育論 (児玉 忠
国語教育(母語教育)における方言・地域語教育のあり方についてとりあげる。
わが国の近代から現代にかけて、方言・地域語教育がどのような歴史的展開をたどってきたのかを明らかにしつつ、 これからの方言・地域語教育のあり方について論じる。
そこには、「矯正されるべき言葉(訛り)」から「互いを尊重しつつ共生をめざす言葉」へといった、 方言・地域語観の大きな変化・転換がみられる。
こうした方言・地域語観をふまえつつ、どのような教材を開発し、それをどう指導に具体化すべきかなどについて考察する。
シラバスはこちら
【選択科目】 文化人類学 (丹野 正
現在では、「社会」(ソサイエティ)と「共同体」(コミュニティ)はきわめて便利な言葉として、どちらもほとんど区別されずに使われている。 この授業では、共同体の中に生きる人びとの関係と、社会を形成する人間相互間の関係の本質的な違いを明確にしたい。
シラバスはこちら

演習

【演習】 須藤 弘敏
地域振興の要としての文化政策について、政策構想と個別の事業活動の両面から研究していく。 常に地域における実際の課題を中心に置き、実践的な作業経験を通じてさらに関連する課題の発見や対応を心がける。 担当者が青森県の出身で、また地域の文化財調査や文化・環境・景観の行政や市民運動に長らく関わってきた経験を生かし、 地域のアイデンティティーとしての文化構築に主眼を置く。 関連分野の教員との合同演習形式を採るだけでなく、学外の文化施設や文化行政の担当者、 文化団体やメディアのリーダーにも協力を仰ぐことにより、学術的独善性に走らない市民生活に立脚した地域文化政策を目標とする。
シラバスはこちら
【演習】 長谷川 成一
青森県を中心とした北東北地方や北海道の各文書館・公文書館などに保存・保管されてきた文書・絵図類の悉皆調査を行い、 資料の徹底的な読み込みと分析を行う。
その際、各自治体史編纂機関などと共同研究を実施し、当該地方の歴史的な特質を現地の専門家と討議して把握し、 さらに歴史資料の取り扱いや、分析方法などを実地に即した形で修得させる。
シラバスはこちら
【演習】 佐藤 和之
担当教員が行っている文部科学省科学研究費や受託研究への参加(研究協力者)を積極的にさせる。
このことを通して、(1)インタビューの方法やアンケート調査の取り方、(2)研究テーマの設定の仕方、 (3)収集データの整理・分析の方法(4)報告書の書き方、発表の仕方といった言語研究のための実践的な方法論を学ぶ。
この演習の目的にはまた、将来、学生がつくと予想される大学や文部行政、教育委員会、 マスコミといった言語能力を活かした職業で活躍できる言語処理能力と言語政策提言能力を養うことにもある。
シラバスはこちら
【演習】 平井 太郎
担当者はこれまで東北地方の農・山村やアフリカの各地でフィールドワークに基づいた調査研究を行ってきた。
院生の研究テーマによっては、調査地の住民生活に入り込んで参与観察するフィールドワークが欠かせない場合もある。
この演習ではフィールドワークに基づいた人類学や社会学関連の文献を読みながら、その方法を学べるようにする。
シラバスはこちら
【演習】 小岩 直人
西津軽における地形に関する文献を熟読し、その研究の意義および問題点について議論を行う。 さらに、調査地域の地形図の読図、空中写真判読を行った上で、現地調査を実施する。 現地調査においては地形測量や地形・地質の観察など地形学的な調査手法を習得し、 そこで得られた試料を室内において整理・分析を行う。本演習は、これらの作業を通し、 既存研究に関して、受講者による客観的な評価を行うことを目的とする。
シラバスはこちら
【演習】 大髙 明史
生物群集の多様性の把握に関する演習。
特定の地域の湖沼や河川を対象に環境や生物群集に関する現地調査や文献調査を行い、 一連の解析を通して生物群集の多様性の把握を試みる。
また、その結果を他の地域と比較検討することによって地域性の抽出を行う。
解析には、標本の分類学的観察や環境要因の物理的、化学的分析、群集や個体群データの統計解析などを含む。
シラバスはこちら
【演習】 作道 信介
「民族誌」や調査報告書を分析することで、フィールドワークの成果を論文にまとめるために必要な知識や技法を学ぶ。
現実を伝えるための工夫や考え方を習得する。同時に方法と記述とが密接に関連していることを確認する。
また、これまで蓄積されてきたデータをもとに、語りの分析、生活史法、言説分析の実際を理解する。
シラバスはこちら
【演習】 関根 達人
弘前大学人文学部附属亀ヶ岡文化研究センターの資料を用いて、学術資料の展示や展示解説書・図録等に どのように活かすべきか考え、考古資料の効果的な公開方法を実践的な体験のなかで学ぶ。
シラバスはこちら
【演習】 今田 匡彦
リスニング・ウォークによる音環境への立ち会い方、基調音(Keynote Sound)、信号音(Sound Signal)、 標識音(Soundmark)、音事象(Sound Event)などの概念によるサウンドスケープの分析法を学ぶ。
シラバスはこちら
【演習】 山田 厳子
東北における民俗信仰に関わるフィールドワークの記録を検討し、調査方法、分析の視角などについて議論しながら、 残された課題、何が記述されてこなかったかを明らかにしてゆく。
シラバスはこちら
【演習】 児玉 忠
学習指導要領にみられる「方言」の扱い、および、国定教科書・検定教科書等にみられる「方言」の教材化の実態、 そして、研究授業・実践報告などにみられる先駆的な取り組み、さらには、民話の語りなどの民間による活動なども取り上げ、 そこにみられる方言・地域語教育としての意図や特徴・成果や課題などを検討する。
シラバスはこちら

特別研究

【特別研究】 須藤 弘敏
担当教員が行ってきた長年の文化財調査や文化行政参与、そして海外での実地踏査の経験を踏まえて、 地域の特色ある文化の再発見とその展開を主眼とした講義を行なう。
必要に応じて個々の関連資料を準備し、地域の実状に即した分析検討を行う。
シラバスはこちら
【特別研究】 長谷川 成一
演習で得た成果を咀嚼し、将来の研究成果に結びつけるため、当講義では、全国的な歴史動向を広範に調査し、 特に南日本地域との比較研究を実施する。
それによって、北方地域の歴史的特質が明確になり、加えて北東アジア地域における位置づけも射程に入ってくることを期待している。
つまり当講義では、北方史に関する歴史認識の更なる深化と拡大を図ることにする。
シラバスはこちら
【特別研究】 佐藤 和之
かつての地域社会は、人々の移動が小さい収斂性の強い集団であった。
しかし、現代の地域社会にはさまざまな土地からの移入者が居住し、その割合は地域構成員の相当数を占めるようになっている。 地域社会の多様化によって変化した地域のことばは、共通語との境界が連続的となり、 そこには地域の構成員たちにとって使いやすい新たなことばが生み出されている。
地域社会のことばを知ることは、今生きている日本語を知ることである。
本講義では、地域社会のことばの現状を通して見えてくる言語政策のあり方や多文化共生の方法といったことについて考究する。
シラバスはこちら
【特別研究】 平井 太郎
受講する院生の研究テーマと関心や、調査研究を進めていくうえでの具体的な課題とそのための方法などを、 相互ディスカッションによって深めていく。
また、研究の進展状況を随時発表させながら、次のステップへの足がかりを確かめる機会とする。
シラバスはこちら
【特別研究】 小岩 直人
人間が生活を営む上で地形は最も重要な基盤のひとつとなっている。
本講義においては、受講者が選択した研究対象地域において、既存研究の問題点を見いだし、 演習で習得した地形学的な調査手法や解析手法を用いて、その問題点を解決する能力を養う。
シラバスはこちら
【特別研究】 大髙 明史
湖沼生態系や森林生態系を対象として、文献や調査によって得られた情報をもとに生物群集と 環境との関わりや生物と人間生活との関わりについて解析する。 また、人間が自然とこれまでどのように関わってきたかという歴史的な側面についての調査を行い、 自然との共生的な人間活動のあり方を考察する。
シラバスはこちら
【特別研究】 作道 信介
社会学・人類学・社会心理学の分野から研究対象にどのようなアプローチが可能かを検討する。
近代化のダイナミズムのなかで、個々人がどのようなアイデンティティをもつのか、 地域性(ローカリティ)がどのように形成されるのか。
多角的な視点の獲得をめざす。
シラバスはこちら
【特別研究】 関根 達人
北海道松前町を例に、様々な文化財を活かした地域の活性化の実態と課題を考える。
シラバスはこちら
【特別研究】 今田 匡彦
芸術をめぐる諸問題を、サウンドスケープ、音楽、音楽教育、身体、哲学などをキーワードに検証する。
シラバスはこちら
【特別研究】 山田 厳子
院生自身が持つデータを基に、民俗学における先行研究との関係、調査方法、記述のあり方、分析の視角の再検討を行う。 院生自身が調査データを持たない場合は、民俗学研究室が蓄積してきたデータを用いる。
シラバスはこちら
【特別研究】 児玉 忠
わが国の方言・地域語教育の歴史や実態をふまえたうえで、これからの時代にふさわしい方言・地域語教育の教材やカリキュラムの開発を行う。
その際、最新の教育学や教育方法学などの成果はもちろん、言語学・方言学などの成果も積極的に取り入れつつ、 学習者の主体的な学びを支援する新しい方言・地域語教育のあり方を提案する。
シラバスはこちら