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東日本大震災からの復興(3) たちあがる のだ ―北リアス・岩手県九戸郡野田村のQOLを重視した災害復興研究

  • 監修:李永俊・渥美公秀
  • A5判・282頁・上製
  • 定価 本体3,400円+税
  • ISBN 978-4-907192-39-6
  • 発行 2016年3月11日

誰かを思う心は固くて強い――東日本大震災からの復興シリーズついに完結

【編集者の推薦文掲載中!】

<編集者イチオシ!>
2009年4月、イタリア中部で起きた大地震で、私の知人たちも被害にあってしまいました。日本にいた私はメールなどで連絡するくらいしかできませんでした。しばらくして、ある大学の先生から、「あなたと私たちの国のソリダリエタ(solidarieta【編集者註 最後のsはアクセント`付き】が励ましになる」というようなメールをいただきました。このとき、ああ、こういう言い方をするものなのかと、とても新鮮な気持ちになり、またとても元気になりました。
ソリダリエタというのは「連帯感」とか「団結」とか訳されるイタリア語ですが、「固い塊」のことを指す「ソリド」(英語ではソリッドですね)に由来しています。物質だけでなく、人の心も固い塊のようになることがあるんですね。
それからしばらく、その先生とはやりとりがなかったのですが、2011年3月11日、今度は私たちの国をとてつもない震災が襲いました。少し落ち着いた頃、先の先生から突然メールがあり、心配と励ましの言葉をいただきました。私は「先生のソリダリエタに感謝します。私の知っているみんなにも伝えます」と答えました。
岩手県でも特に大きな被害をこうむった野田村が、復興に力強く「たちあがる」姿を現在進行形で記述したこのシリーズは、野田村の復興に関わってきた人たちの心の「ソリダリエタ」そのものではないでしょうか。たくさんの固くて強い心に、この本でぜひ触れて欲しいと思います。

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内容紹介

本書は、東日本大震災で津波被害を受けた、岩手県九戸郡野田村の被災と復興をテーマとする3巻シリーズの最終巻である。村民自身の語りと声(第1巻)、村の歴史と生業の営み(第2巻)、そして本巻では、野田村とその復興過程との間で深い絆を結んできた研究者たちが、それぞれの専門(社会学、社会心理学、法学、経済学)の見地から復興の最前線を記述する。野田村の人たちはどのような思いで生活再建に取り組んできたか、社会福祉協議会などでどのような支援を行ってきたか、災害ボランティアはなぜ野田村へ通い、何を感じてきたのか、外部自治体からの応援職員はどのようなかたちで復興に寄与したか、移住を選択させる要因は何か。具体的で詳細な分析の行間からは、確かな未来を見いだした野田村の今の姿が「たちあがる」。野田村への、そして同じように東北大震災からの復興を現在進行形で経験しているすべての人たちへの応援と感謝の書である。

目次

<第一部> 震災復興への戸惑いと曙光
第一章「外部との出会いとしての復興―社会・文化の変容と親密性」作道信介・山口恵子
第二章「当事者にとっての「被災者像」」 本間明子・日比野愛子
<第二部>災害ボランティア活動が拓く可能性―ボランティア・支援論からのアプローチ
第三章「地域見守り活動とボランティア」 永田素彦
第四章「なぜ、遠くから大学生は野田村に行くのか―大学生ボランティアを「語り」から考える」 関嘉寛
第五章「災害復興と時間」 渥美公秀
<第三部>震災と法・制度―法学からのアプローチ
第六章「野田村の復興における「応援職員」の活用」 飯考行
第七章「「熟慮期間の起算点」の解釈による相続人救済―近年における裁判所の動向に着目して」 吉村顕真
<第四部>災害復興と経済―経済学からのアプローチ
第八章「東日本大震災が人口移動に与えた影響について」李永俊・杉浦裕晃
第九章「災害ボランティアの労働供給行動と利他的行動」李永俊・大門大朗
第十章「野田村における地域産業連関表の作成と分析」小谷田文彦

【カテゴリー】社会科学 , 社会科学一般 , 書籍 ,