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戦うことに意味はあるのか ――倫理学的横断への試み――

  • 持田睦・横地徳広 編著
  • 四六判・382頁・並製
  • 定価 本体2,800円+税
  • ISBN 978-4-907192-47-1
  • 発行 初版第1刷 2017年3月31日

内容紹介

 この世界に生まれ落ちたのは、誰にとっても偶さかのことである。他でもありえたのに、なぜかこうして生きるわれわれが、その世界で自分と戦い、他人と戦い、あるいは超越者とさえ戦う。社会や技術、物と戦うこともある。
 これらの戦いなしに、われわれは偶さかの生を祝することはできないのか?
 われわれ人間は、戦いから逃れえないのか……。
 本書でとりあげた哲学者や作家、作品からの問いである。
 読者のみなさんが、各章の執筆者たちとともに、それらの問いをみずから吟味してくれたとすれば、執筆者一同、これ以上の喜びはない。
             *
 常磐線が走る初秋の福島沿岸を表紙絵にした本書『戦うことに意味はあるのか――倫理学的横断への試み――』は、福島県夜ノ森駅の桜が表紙絵の前作『生きることに責任はあるのか――現象学的倫理学への試み――』につづく、政治哲学論集である。
 死すべき人間たちがひとときをこの世界に住まうその仕方(=エートス)を問う学知が「倫理学」だとすれば、その観点から「真・善・美・正」を問う四部作構想の一つを占めるのが、本書と前作であった。それぞれ「正」と「善」にかかわる。
 福島の「春・夏・秋・冬」を描いた松本忠氏の鉄道絵画とともに、四部作の一つ一つをご高覧いただきたい。

目次

序 章 多様な戦争をめぐる形而上学とプラグマティズム …横地 徳広
第1章 悲劇の果てにある悲劇 ――ヘルダーリンの『アンティゴネーへの註解』の核心 …持田 睦
コラム1 シエナ共和国政庁に描かれた「戦争と平和」 ――アンブロージョ・ロレンツェッティ作《善政と悪政の寓意およびその効果》を中心に …出 佳奈子
第2章 オルサンミケーレのタベルナーコロ ――悪疫の克服をめぐって …出 佳奈子
コラム2 正戦論と永遠平和論 ――中世からカントへ …宮村 悠介
第3章 ホッブズ的人間のゆくえ ――人格の倫理学のために …宮村 悠介
コラム3 もう一つの永遠平和論 ――カントから二十世紀へ …宮村 悠介
第4章 「傷跡」の光景 ――ユイレとストローブの映画『ロートリンゲン!』の分析 …持田 睦
コラム4 フランツ・ローゼンツヴァイクと第一次世界大戦 ――『ヘーゲルと国家』から『救済の星』へ …佐藤 香織
第5章 アイヒマン論、再考 ――アレント政治思想の一部として …横地 徳広
コラム5 「デグラスって何かしら?」 ――ゴダールの『勝手にしやがれ』におけるパトリシアの闘い …持田 睦
第6章 レヴィナスの平和論とその時間構造 ――『全体性と無限』における「繁殖性」 …佐藤 香織
コラム6 私は誰なのか? ――人造人間のナラトロジー …横地 徳広
第7章 アメリカ公民権運動と新たな日常的共存 ――スマート・パワー概念のネガを確かめる …横地 徳広
終 章 本書を概観して ――受容と排除の観点から …持田 睦

【カテゴリー】人文科学 , 哲学・倫理・思想 , 書籍 ,