弘前大学

平成26年度秋季入学式告辞(平成26年10月1日)

平成26年度秋季入学式告辞(平成26年10月1日)

 本日、この穏やかな秋の日に、ここ弘前大学事務局大会議室において、平成二十六年度秋季入学式を挙行できることは、私たち弘前大学教職員にとって大きな喜びとするところです。まずもって、本日入学の日を迎えられた学部学生二十名と大学院生二十名の皆さんに心から歓迎の意を表するとともに、お祝いを申し上げます。皆さん、誠におめでとうございます。

 例年、秋季入学式は、この大会議室で行われていますが、ここでは、弘前大学の六十五年余の歴史を先導して来られた十二人の歴代学長が皆さんを見守っておられます。この機会に、皆さんお一人おひとりが、弘前大学の歴史を担うべき人になったことを、改めて思い起こして下さるよう願っています。

 さて、弘前大学の歴史は、一九四九年、昭和二十四年の新制大学としての設立に始まります。これは、太平洋戦争後に我が国の教育制度が一新されて間もない頃の出来事でした。しかしながら、元を辿ると、明治九年に設置された青森県師範学校、大正九年に設置された弘前高等学校、昭和十九年に設置された青森医学専門学校などが、現在の弘前大学の母体になっています。青森にあった師範学校や医学専門学校が空襲で焼け落ち、弘前に移転することで、弘前大学の新たな歴史がスタートした訳ですが、その過程において、大学関係者の努力のみならず、地域の人々の大きな支援があって、新制弘前大学が実現したものです。

 旧制弘前高等学校の時代から、弘前市民は学生を大切にして来られました。現在も弘前大学の教育研究に対して、地域の自治体、企業、そして市民の皆さんから大きな支援をいただいています。加えて、弘前は六つの高等教育機関をはじめ多数の教育機関が存在する学都であり、また、多くの歴史的・文化的施設も有しています。私たちはこの弘前の地で教育・研究に携わることのできる幸せを強く感じていますが、この地で学生生活を送ることは皆さんにとっても幸いなことに間違いありません。そのことを強く意識して、勉学に励み、やがては社会に貢献する人材として育って下さるよう願っています。

 そして大学では学生の皆さんが自主的に勉学をデザインし自ら学ぶのであり、ましてや大学院においては、それは当然のことです。極言すれば、教員の役割は、皆さんの勉学を導くものであり、大学における授業は、皆さんの勉学の指針となることが理想です。高等学校までのように、個々の学生を対象に、授業の成果を逐一確認するような機会は、大学では多くありません。それは皆さんが自ら行うことであり、それによって確実に知識や技術を自分のものにできるからです。そして更には、自らの力でそのレベルを超えて、発展させなければなりません。ここにこそ、自ら学ぶことの意味があり、高等教育の真の姿があるのです。皆さんは次世代を担うべき人材であり、その学問は、やがて私たちを超えるものでなくてはなりません。大学入学と同時に、既にそのことを目指すべきであるという認識を強く持っていただく必要があります。

 学問に終わりはなく、従って、大学の授業には完結はありません。ある一つの領域に限ったとしても既に確立された知識や技術を全て身につけるのは大変なことであり、例えそれが可能だとしても、学問はそこで終わる訳ではないのです。繰り返しますが、皆さんは、そこから更に学問を発展させていかなければならない人たちなのです。そのことは決して楽な作業ではありませんが、大いに挑戦する価値のあることではないでしょうか。今日、この場で、自ら学ぶという決意を新たにし、銘記していただくよう、皆さんに激励を送りたいと思います。

 終わりに、今一度、今後の弘前大学における皆さんの学生生活が健全で実り多いものになるよう祈念して、告辞と致します。

平成26年10月1日

弘前大学長 佐藤 敬

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