弘前大学

平成27年度学位記授与式告辞(平成28年3月23日)

 例年になく暖かく短かった冬も去り、津軽の地にも春を迎えた今日、ここ弘前市民会館において、多くのご来賓とご家族のご臨席の下、平成27年度の学位記授与式を挙行できますことは、私たち弘前大学職員にとって大きな喜びとするところです。
 まずもって、本日、卒業の時を迎えられた皆さんに心よりお祝いを申し上げます。皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんがこの日を迎えるに至ったのは、所定の年限を本学に在籍し、必要な単位を取得したことが大前提ではありますが、それ以上にさまざまな経験を積み、それぞれの学問に関する知識や技術においてはもちろんのこと、全人格的に成長した姿をもって社会に旅立とうとしていることに大きな喜びを感じるが故のお祝いを述べたいと思っています。ともすれば皆さんの中には、学生生活に幾何かの後悔を持つ人も居られるかもしれません。例えそうだったとしても、皆さんの眼前に広がる未来はなにものをも凌駕する可能性を含んでいます。今日の卒業式を新たな努力への第一歩とすべく、すべてを超えて心から互いに祝い合う機会にしていただきたいと思います。
 さて、弘前大学は1949年に新制大学として再出発してから六七年目を迎えようとしています。皆さんが弘前大学に在籍したのはその一部に過ぎませんが、皆さんお一人おひとりの存在は本学の六七年間に欠くべからざるものであったことは間違いありません。どうか皆さんは弘前大学で学んだことを誇りとして、今後の社会において存分に活躍して下さるよう願って止みません。高等教育機関の役割は教育研究を通して社会の発展に寄与することであり、そのことは、今後の皆さんの活躍を通してこそ達成されるものです。そのことはまた、皆さん自身が充実した人生を送ることにもつながるものと確信しています。
 最近になって、地方創生における大学の役割に期待が寄せられるようになり、弘前大学も、県内の多くの大学や、自治体、企業、団体などとの連携の下、青森県の人口減少や経済の後退に歯止めをかけるべく取組を強化しているところです。これまでの弘前大学の卒業生の約3割が県内に就職していますが、この割合をもう少し高めることは極めて重要と考えており、さまざまな取組の成果を積み重ねていく必要があります。しかしながら、皆さんの中にはこの機会に青森県を去られる人も少なくありません。さらには、海外で活躍する人も輩出することでしょう。皆さん個々の将来が具体的にいかなるものとなろうとも、我が国社会のリーダーとして活躍する決心をしっかりと持って、社会への貢献を果たしていただきたいと思います。そのことが、ひいては地域社会の発展につながるものと信じます。
 皆さんの中に学問が嫌いな人はいないと思いますが、皆さんの大多数が学問を好きだと明確に言えるわけでもないかと推察します。しかし、十分な学問の機会を持つことができなかった人ほど、学問に対する渇望が強いのではないでしょうか。その意味で皆さんは、今日まで学問を続けられたことを大きな幸福と受け止め、ご家族や大学の職員、そして社会全体に対する感謝を忘れないでいただきたいと思います。更に言えば、皆さんに限らず全ての人にとって学問の終わりはありません。例え形が変わったとしても、引き続き学問を追求する姿勢を常に思い起こして下さるよう願っています。
 終わりに本日卒業する弘前大学生を今日まで支えて下さったご家族の方々、地域の方々をはじめ多くの方々に私からもこの場を借りて感謝したいと思います。大変ありがとうございました。そしてなにより、今日卒業される皆さんお一人おひとりの、今後のご多幸を心からお祈りして、告辞と致します。

平成28年3月23日

弘前大学長  佐藤 敬

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