○弘前大学動物実験に関する規程
(平成19年11月19日制定規程第17号)
改正
平成22年9月28日規程第89号
平成23年1月24日規程第3号
平成25年4月19日規程第65号
平成27年2月9日規程第2号
平成27年3月20日規程第75号
平成27年9月14日規程第173号
平成28年3月18日規程第89号
平成29年9月15日規程第56号
平成31年4月11日規程第89号
令和2年3月19日規程第57号
令和4年3月10日規程第21号
令和4年7月27日規程第87号
令和4年9月28日規程第124号
令和5年6月15日規程第57号
第1章 総則
(趣旨)
第1条
弘前大学(以下「本学」という。)における実験動物の飼養及び保管に係る管理運営体制の整備並びに動物実験等の取扱いについては,動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「法」という。),特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号),実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号。以下「飼養保管基準」という。),研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年文部科学省告示第71号。第23条において「文科省基本指針」という。),動物の殺処分方法に関する指針(平成7年総理府告示第40号),日本学術会議が作成した「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(平成18年6月)」その他関係法令等(以下「関係法令等」という。)に定めがあるもののほか,この規程の定めるところによる。
2
動物実験等の実施に当たっては,法及び飼養保管基準に則し,動物実験等の原則である代替法の利用(科学上の利用の目的を達することができる範囲において,できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用することをいう。),使用数の削減(科学上の利用の目的を達することができる範囲において,できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により実験動物を適切に利用することに配慮することをいう。)及び苦痛の軽減(科学上の利用に必要な限度において,できる限り動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないことをいう。)の3R(Replacement, Reduction, Refinement)に基づき,適正に実施しなければならない。
(定義)
第2条
この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)
動物実験等 第4号に規定する実験動物を教育,試験研究,生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供することをいう。
(2)
飼養保管施設 実験動物を恒常的に飼養若しくは保管又は動物実験等を行う施設,設備をいう。
(3)
実験室 実験動物に実験操作(48時間以内の一時的保管を含む。)を行う動物実験室をいう。
(4)
実験動物 飼養保管施設及び実験室(以下「施設等」という。)で飼養又は保管している哺乳類,鳥類若しくは爬虫類に属する動物(施設等に導入するために輸送中のものを含む。)をいう。
(5)
管理者 実験動物及び施設等を管理する者(人文社会科学部長,教育学部長,農学生命科学部長,大学院医学研究科長,大学院保健学研究科長,大学院理工学研究科長,大学院地域社会研究科長,大学院地域共創科学研究科長,各研究所長及び各学内共同教育研究施設長)をいう。
(6)
飼養保管施設管理者 管理者を補佐し,実験動物に関する知識及び経験を有する実験動物の管理を担当する者であって,飼養保管施設ごとに管理者が任命する者をいう。ただし,大学院医学研究科附属動物実験施設においては,施設長を飼養保管施設管理者とする。
(7)
実験動物管理者 実験動物に関する知識及び経験を有し,飼養保管施設管理者を補佐し,実験動物の管理を担当する者をいう。
(8)
動物実験責任者 動物実験実施者のうち,動物実験等の実施に関する業務を統括する教員(国立大学法人弘前大学職員就業規則(平成16年規則第5号)の適用を受ける教員又は国立大学法人弘前大学契約職員就業規則(平成16年規則第6号)の適用を受ける特任教員)をいう。
(9)
動物実験実施者 動物実験等を実施する者であって,管理者等が必要と認めた者をいう。
(10)
飼養者 実験動物の飼養又は保管に従事する者をいう。
(11)
動物実験計画 動物実験等の実施に関する計画をいう。
(適用範囲)
第3条
この規程は,本学において実施する哺乳類,鳥類又は爬虫類の生体を用いる全ての動物実験等に適用される。
第2章 動物実験委員会
(組織)
第4条
学長は,本学における動物実験等の適正な実施並びに実験動物の飼養及び保管を最終的な責任者として統轄する。
2
学長は,動物実験計画の承認,動物実験等の実施状況及び結果の把握とその結果に基づく改善措置,飼養保管施設の整備並びに飼養保管施設及び実験室の承認,動物実験等に係る安全管理,教育訓練,自己点検・評価,外部の専門家による検証,情報公開,その他動物実験等の適正な実施に必要な措置に関して責任を負う。
3
学長は,前項の責務を遂行するために報告又は助言を得るための組織として,弘前大学動物実験委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(委員会の役割)
第5条
委員会は,学長の諮問を受け,次の各号に掲げる事項を審議又は調査し,学長に報告又は助言する。
(1)
動物実験計画が動物実験等に関する法令,飼養保管基準,文科省基本指針及び本規程に適合していることの審査。
(2)
動物実験等の実施状況及び結果に関すること。
(3)
施設等の承認に関すること。
(4)
施設等の使用状況及び実験動物の飼養保管状況に関すること。
(5)
飼養保管マニュアルの作成に関すること。
(6)
安全管理マニュアルの作成に関すること。
(7)
教育訓練の内容及び実施に関すること。
(8)
自己点検及び評価並びに外部の専門家による検証に関すること。
(9)
情報公開に関すること。
(10)
特定動物及び特定外来生物の導入に関すること。
(11)
その他動物実験等の適正な実施のための必要事項に関すること。
2
委員会は,必要に応じて安全管理に注意を要する動物実験等に関連する委員会等と相互に必要な情報の提供等を行うよう努めること。
(委員会の構成)
第6条
委員会は,次の各号に掲げる委員をもって組織する。
(1)
動物実験等に関して優れた識見を有する者 若干名
(2)
実験動物に関して優れた識見を有する者 若干名
(3)
その他学識経験を有する者 若干名
(委員長等)
第7条
委員会に委員長を置き,委員の互選により選出する。
2
委員会に副委員長を置き,委員の互選により選出する。
3
委員長は,本委員会を招集し,その議長となる。
4
副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故があるときは,その職務を代行する。
(委員の任期)
第8条
第6条の委員は学長が任命する。
2
委員の任期は,2年とする。
ただし,補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。
3
委員は,再任を妨げない。
(委員会の運営)
第8条の2
委員会は,委員の過半数の出席をもって成立する。
2
委員会の議事は,出席委員の過半数をもって決し,可否同数の場合は,議長の決するところによる。
3
委員長が必要と認めるときは,委員会に委員以外の者を出席させ,意見を聴取することができる。
4
委員は,自らが動物実験責任者となる動物実験計画の審査に加わることができない。
5
委員は,動物実験計画に関して委員会において知り得た情報を第3者に漏洩してはならない。
6
委員会の議事については,議事録等を作成しなければならない。
(庶務)
第9条
委員会に関する事務は,研究推進部研究推進課が処理する。
第3章 動物実験等の実施
(動物実験計画の立案等)
第10条
動物実験計画の立案及び実施に当たっては,次の各号に掲げる事項について十分に検討した上で,所定の動物実験計画書を学長に提出し,承認を得なければならない。
(1)
代替方法の利用(科学上の利用の目的を達することができる範囲において,できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用することをいう。)
(2)
使用数の削減(科学上の利用の目的を達することができる範囲において,できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により実験動物を適切に利用することに配慮することをいう。)
(3)
苦痛の軽減(科学上の利用に必要な限度において,できる限り動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないことをいう。)
2
動物実験責任者は,動物実験等を実施する場合には,年度毎に動物実験計画書を所属する管理者を経由して学長に提出し,承認を得なければならない。
なお,当該動物実験計画において発癌物質等の有害物質を実験動物に対して使用する場合は,発癌物質・有害物質使用届出書を添付しなければならない。
3
学長は,申請のあった動物実験計画を委員会に諮問し,その審議を経て,承認の可否を決定し,管理者を経由して当該動物実験責任者に通知する。
(動物実験計画の変更等)
第11条
動物実験責任者は,承認された動物実験計画に変更又は追加がある場合には,動物実験計画(変更・追加)承認申請書を所属する管理者を経由して学長に提出し,承認を得なければならない。
2
学長は,申請のあった動物実験計画の変更,追加を委員会に諮問し,その審議を経て,承認の可否を決定し,管理者を経由して当該動物実験責任者に通知する。
(動物実験等の報告)
第12条
動物実験責任者は,動物実験等を実施した後,結果等について動物実験等結果報告書により,年度毎に所属する管理者を経由して学長に報告しなければならない。
また,動物実験等が中止になった場合は,動物実験等中止報告書により,所属する管理者を経由して学長に報告しなければならない。
(他機関における動物実験等)
第13条
動物実験責任者は,動物実験等の実施を本学以外の機関に委託等する場合,委託等先においても,関係法令等に基づき,適正に動物実験等が実施されることを確認する。
第4章 施設等
(施設等の管理運営)
第14条
管理者は,動物実験等を適正,かつ,円滑に実施するために,施設等を適切に管理運営しなければならない。
2
管理者は,実験動物の種類,習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境を確保しなければならない。
3
大学院医学研究科附属動物実験施設の飼養保管施設管理者は,他の飼養保管施設管理者に対し,施設等の管理運営に関して指導・助言を行うものとする。
(飼養保管施設の設置)
第15条
管理者は,飼養保管施設を設置する場合には,飼養保管施設設置承認申請書を学長に提出し,承認を得なければならない。
2
学長は,申請のあった飼養保管施設を委員会に調査させ,その調査を経て,承認の可否を決定し,管理者に通知する。
3
飼養保管施設の承認の期間は,承認日から5年とし,更新の際は,第1項に定める手続を経なければならない。
(飼養保管施設の変更)
第16条
管理者は,飼養保管施設を変更する場合には,飼養保管施設変更承認申請書を学長に提出し,承認を得なければならない。
2
学長は,申請のあった飼養保管施設を委員会に調査させ,その調査を経て,承認の可否を決定し,管理者に通知する。
3
変更後の飼養保管施設の承認の期間は,承認日から5年とし,更新の際は,前条第1項に定める手続を経なければならない。
(実験室の設置)
第17条
管理者は,実験室を設置する場合には,実験室設置承認申請書を学長に提出し,承認を得なければならない。
2
学長は,申請のあった実験室を委員会に調査させ,その調査を経て,承認の可否を決定し,管理者に通知する。
3
実験室の承認の期間は,承認日から5年とし,更新の際は,第1項に定める手続を経なければならない。
(実験室の変更)
第18条
管理者は,実験室を変更する場合には,実験室変更承認申請書を学長に提出し,承認を得なければならない。
2
学長は,申請のあった実験室を委員会に調査させ,その調査を経て,承認の可否を決定し,管理者に通知する。
3
変更後の実験室の承認の期間は,承認日から5年とし,更新の際は,前条第1項に定める手続を経なければならない。
(施設等の廃止)
第19条
管理者は,施設等を廃止する場合には,施設等廃止承認申請書を学長に提出し,承認を得なければならない。
2
学長は,申請のあった施設等を委員会に調査させ,その調査を経て,承認の可否を決定し,管理者に通知する。
第5章 実験動物の飼養及び保管
(実験動物の飼養及び保管)
第20条
学長は,実験動物の健康管理等飼養及び保管に関し必要な事項を飼養保管マニュアルとして定め,管理者,飼養保管施設管理者,実験動物管理者,動物実験責任者,動物実験実施者及び飼養者に周知する。
(特定動物,特定外来生物等の導入)
第20条の2
動物実験責任者は,関係法令等が定める特定動物,特定外来生物等を動物実験等に供する場合(以下,「飼養等」という。)にあっては,特定動物・特定外来生物飼養等承認申請書を,所属する管理者を経由して学長に提出し,承認を得なければならない。
2
学長は,前項による報告を受け,当該飼養等の承認について委員会に諮問する。
3
委員会は,前項の諮問に基づき,当該飼養等について審議し,その結果を学長に報告する。
4
学長は,前項の報告があった場合,当該飼養等の承認の可否を決定し,管理者を経由して当該動物実験責任者に通知する。
5
当該動物実験責任者は,前項による承認を得た場合,関係法令等が定める申請書類等を,学長に提出するものとする。
6
学長は,前項による報告を受け,必要な手続きを行うものとする。
(報告)
第20条の3
管理者は,年度毎に飼養保管施設における飼養又は保管した実験動物の種類及び数等について,飼養保管状況報告書により,学長に報告しなければならない。
第6章 安全管理
(安全管理)
第21条
学長は,逃走した実験動物の捕獲方法等及び緊急時の対応を安全管理マニュアルとしてあらかじめ定め,管理者,飼養保管施設管理者,実験動物管理者,動物実験責任者,動物実験実施者及び飼養者に周知する。
第7章 教育訓練
(教育訓練)
第22条
学長は,飼養保管施設管理者,実験動物管理者,動物実験責任者,動物実験実施者及び飼養者に対し,委員会の実施する次の各号に掲げる事項に関する教育訓練を受けさせなければならない。
(1)
関係法令等及び本学の定める規程
(2)
動物実験等の方法に関する基本的事項
(3)
実験動物の飼養保管に関する基本的事項
(4)
安全管理に関する事項
(5)
人と動物の共通感染症に関する事項
(6)
その他適切な動物実験等の実施に関する事項
2
研究推進部研究推進課は,教育訓練の実施日,教育内容,講師及び受講者名の記録を保存する。
第8章 自己点検及び評価
(自己点検及び評価)
第23条
学長は,委員会に,動物実験等の実施状況等及び文科省基本指針への適合性並びに飼養保管基準の遵守状況に関し,毎年度,自己点検及び評価を行わせる。
2
委員会は,自己点検及び評価の結果を学長に報告しなければならない。
3
委員会は,管理者,飼養保管施設管理者,実験動物管理者,動物実験責任者,動物実験実施者及び飼養者に,自己点検及び評価のための資料を提出させることができる。
4
学長は,自己点検及び評価の結果について,外部の専門家による検証を定期的に実施する。
第9章 情報公開
(情報公開)
第24条
学長は,本学における動物実験等に関する情報(本規程,実験動物の飼養保管状況,自己点検及び評価,外部の専門家による検証結果及び委員会の構成等)を毎年度公表する。
(罰則)
第24条の2
学長は,本規程に違反した者の動物実験を直ちに中止させ,一定期間動物実験の実施を禁じることができる。
2
罰則の適用に関して,学長は委員会の助言を求めることができる。
第10章 補則
(準用)
第25条
第2条第4号に定める実験動物以外の動物を動物実験等に供する場合においても,本規程を準用するものとする。
(適用除外)
第26条
次の各号に掲げる実験動物の飼養又は保管については,本規程を適用しない。
ただし,適用除外の判断は,申請のあった動物実験計画を委員会に諮問し,その審議を経て,学長が行う。
(1)
畜産に関する飼養管理の教育若しくは試験研究を目的とした実験動物(一般に,産業用家畜と見なされる動物種に限る。
次号において同じ。)の飼養又は保管
(2)
畜産に関する育種改良を目的とした実験動物の飼養又は保管
(3)
生態の観察を行うことを目的とした実験動物の飼養又は保管
(雑則)
第27条
この規程に定めるもののほか,必要な事項は,学長が別に定める。
附 則
1
この規程は,平成19年12月19日から施行する。
2
弘前大学動物実験に関する指針(平成16年4月1日制定。
次項において「旧指針」という。)及び弘前大学動物実験委員会規程(平成16年規程第22号)は廃止する。
3
本規程施行後,委員会が別に定める日までに提出された動物実験計画書の審査は,旧指針に基づき第4条に規定する委員会が行う。
附 則
この規程は,平成21年2月9日から施行する。
附 則(平成22年9月28日規程第89号)
この規程は,平成22年10月1日から施行する。
附 則(平成23年1月24日規程第3号)
この規程は,平成23年1月24日から施行する。
附 則(平成25年4月19日規程第65号)
この規程は,平成25年4月19日から施行し,改正後の規定は,平成25年4月1日から適用する。
附 則(平成27年2月9日規程第2号)
この規程は,平成27年2月9日から施行する。
附 則(平成27年3月20日規程第75号)
この規程は,平成27年3月20日から施行する。
附 則(平成27年9月14日規程第173号)
この規程は,平成27年10月1日から施行する。
附 則(平成28年3月18日規程第89号)
この規程は,平成28年4月1日から施行する。
附 則(平成29年9月15日規程第56号)
この規程は,平成29年9月15日から施行する。
附 則(平成31年4月11日規程第89号)
この規程は,平成31年5月1日から施行する。
附 則(令和2年3月19日規程第57号)
この規程は,令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和4年3月10日規程第21号)
この規程は,令和4年3月14日から施行する。
附 則(令和4年7月27日規程第87号)
この規程は,令和4年7月27日から施行する。
附 則(令和4年9月28日規程第124号)
この規程は,令和4年10月1日から施行する。
附 則(令和5年6月15日規程第57号)
この規程は,令和5年7月1日から施行する。