弘前大学

弘前大学ボランティアセンター「平成30年度第1回市民ボランティア講座~子どもの貧困を考える~」を開催

2018.07.20

弘前大学ボランティアセンターでは,平成27年度から弘前市,弘前市社会福祉協議会と連携し,弘前市の生活困窮世帯の小・中学生を対象に,子ども達の学力向上を通じて貧困の連鎖を断ち切ることを目的とした学習支援活動を行ってきました。市内の行政,地域及び教育関係者の子どもの貧困に対する理解を深めることを目的として,貧困問題や子ども食堂等への対策と支援などを全国に展開している法政大学現代福祉学部福祉コミュニティ学科教授 湯浅 誠 氏を招き,平成30年7月1日(日),「平成30年度第1回市民ボランティア講座~子どもの貧困を考える~」を開催しました。
同講座では,講演に先立ち,弘前大学理事(社会連携担当)・副学長・同センター長の 石川 隆洋から開会の挨拶があり,続いて同センター副センター長・人文社会科学部 教授 李 永俊から「弘前市の子どもの貧困と学習支援・子ども食堂についての現状」について説明があり,同市の現状についての問題提起が行われました。
続いて,基調講演として,湯浅 誠 氏から「子どもの貧困 私たちにできること」と題して,子ども食堂は地域交流の場であり,その賑わいから漏れる子を減らすことが貧困対策につながることや,食卓を共にする事で子どもの価値観が育まれるなど,特別なことをしなくてもそばにいるだけで果たせる役割があることなどについてご講演いただきました。
最後に,李副センター長から,問題意識を共有し,できることをできる人からできる範囲内で始めるのが大事であり,活動に参加したい人は弘前大学ボランティアセンターに気軽に相談してほしい旨の総括がありました。
本講座には,高校生,福祉・行政・教育関係者,本学教職員・学生,民間事業者など約170名の方々にご参加いただきました。講演後のアンケートでは「子ども食堂は空腹を満たすだけではなく,子ども会の現代版として地域発展に大きな役割を果たせると気付いた。」,「今また交流の場を求める人が増えている。」,「そばにいるだけの支援などからはじめてみたい。」,「赤信号の貧困は専門家が対応することになるが,黄信号の貧困は地域で支援することができるのだとわかった。」などの意見があり,参加者が地域と子どもの貧困について再考するきっかけとなっただけでなく,各機関の連携交流の場としての役割も果たし,弘前市全体で今後の対策について議論する場となりました。
◇弘前大学ボランティアセンターホームページはこちら

開催の挨拶をする石川 センター長
説明を行う李 副センター長
講演する湯浅 誠 氏
会場の様子