弘前大学

弘前大学地域創生本部,自治体職員を対象とした海外実地研修を実施

2019.01.10

弘前大学地域創生本部では,自治体等と弘前大学の連携・協力の一層の強化を図り,地域の人材育成に寄与するため,自治体及び金融機関から平成30年度連携推進員として9名の職員(自治体6名,金融機関3名)を受け入れており,そのうち自治体からの連携推進員4名(平川市,鯵ケ沢町,藤崎町,西目屋村)による海外実地研修を11月27日から30日にかけて実施しました。
本研修は,本学連携推進員制度における研修の一環として,グローバルな視点を持って地域課題解決に向けた取り組みや自市町村の情報発信ができる人材育成を目指し,本学教員のコーディネートのもとで,青森県産りんご・ながいもの有力な輸出国である台湾(台北市・新北市)において実施されました。具体的には,現地での流通・消費動向をフィールドワークを通じて確認する事及び致理科技大学の教員・学生との交流を通じて,青森県内に対する理解と関心を深め,インバウンドを目指すために必要な知識や思考を身に着けることを目的としたプログラムを実施しました。
研修では,農学生命科学部 石塚教授(地域創生本部地域創生推進室員)のコーディネートのもと,台湾における青森県産農産物の市場調査として,台北市・新北市の輸出入業者や市場などでヒアリングを行い,百貨店や量販店などで実際の青森県産りんご及び加工品などの販売状況について調査しました。また,致理科技大学応用日語系 副教授 鄧 敏君 氏にご協力いただき,致理科技大学応用日語系の大学1年生を対象とした日本語科目(朗読)の1コマを用いて,本学農学生命科学部所属学生と連携推進員が協働し各自治体の観光PRを行いました。
市場や輸入出業者へのヒアリングでは,主に青森県産りんご及び加工品の輸入・販売状況についてヒアリングを行い,輸出の際の検疫対策を農家・加工業者と一体で進める必要性や,日本産りんごのプロモーションはアメリカに比べて遅れていること,春節の時期に贈答用りんごの需要がピークとなること,今年度は台風の影響から日本国内でのりんごの市場価格が高く,台湾市場でもその影響を受けていることなどについて説明がありました。県内自治体ではりんごが主産業である自治体も多く,有力な輸出先である台湾市場の生の声を聞くことで,今後の各自治体の農産物・加工品の流通の可能性について知見を得ることができました。
致理科技大学日語系学生への自治体観光PRでは,連携推進員と本学学生がチームとなり『日本語を学んでいる台湾の若者』という属性を加味した上で,学生が自治体を訪問するなどして「まち」の特色を調査し,スライドを用いて観光PRを行いました。また,プレゼン終了後には5グループに分かれ交流会を行い,互いの文化や,日本・青森県への興味関心について活発に意見交換が行われました。交流会終了後には,「青森の自然に興味を持った」「雪を見たことが無いので行ってみたい」などの意見が聞かれ,青森県の観光PRの端緒となることができました。また,日本や青森の事情を全く知らない台湾の若者へ観光PRをするために,観光資源を改めて掘り起し,限られた時間の中で厳選してプレゼンすることで,各連携推進員がそれぞれの所属自治体の地域を様々な視点から見つめなおす必要があり,地域の魅力の再認識・再発見を促すこともできました。
弘前大学地域創生本部では,今後も自治体等との連携を強化し,このような取り組みを通じて,全学体制で地域活性化に寄与して参ります。

青森通商有限公司でのヒアリング
台農発股份有限公司でのヒアリング
三重果菜市場での市場調査
板橋果菜市場での市場調査

致理科技大学日語系学生との交流

学生と自治体職員による観光PR