弘前大学

学長メッセージ -保護者の皆様へ-

2020.04.24

例年であれば、弘前公園をはじめ市内の至る所で桜が満開となり、新入生も大学生活に慣れ始め、大学キャンパスが学生の姿で一段と活気づく季節になりましたが、今年はその様子が一変してしまいました。言うまでもなく、新型コロナウイルス感染症の影響です。現時点において弘前大学の周辺には感染者の発生は見られませんが、全国的な感染拡大の防止の観点から、本学の新学期のスタートにも大きな影響が出ております。
新学期の授業開始については、GW明けの5月11日からとしており、例年に比べて約1ヶ月ほど遅くなっています。一つには、新年度になって全国各地から集まる学生、教員を含めて、全学で2週間以上にわたって健康経過観察を行うことにより、本格的な授業の実施を前に、感染者がいないことを確認するための期間を確保したためです。これにより、弘前大学の学生、教職員に現時点で感染者が発生していないことが確認できています。また、遠隔授業を本格的に取り入れるにあたって、関係するシステム上の準備や受講する学生側の環境の確認などのために時間が必要であったこともあげられます。
授業については、より感染リスクを避けるために、原則として遠隔で行うこととしております。遠隔授業の全面的な実施については初めてのことでありますが、質の高い授業が行えるように万全を期したいと考えています。また、学生側の環境に関しては、学生寮におけるWi-Fi設備の整備などについても取り組んでおります。遠隔授業の受信については、パソコン、タブレット、スマートフォンなど多様な機器で対応できますが、基本的に学生各自が所有する機器によることになります。大学でもこうした点について、学生側に確認作業を行っておりますが、保護者の皆様におかれても適宜御配慮いただければ幸いです。
また、一般的な感染防止策として、リーフレットの配布やWebサイト、メール配信などを通じて、注意事項の周知を行っていますが、一部の事柄について、より具体的な行動制限を定めています。例えば、感染が多く発生している地域への移動の自粛や戻った際の2週間の自宅待機の義務化、自宅外での飲酒の禁止、多人数での会食の自粛、飲食店でのアルバイトの自粛などがあげられます。これらについては、やや厳しすぎるのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、全国的なクラスター発生の状況例から判断し、必要な制限と考えた次第です。また、本学には医学部附属病院があり、地域の高度医療の中核的役割を果たしております。附属病院関係者に感染が及ぶことによる医療崩壊を招かないようにするためには、病院や医学部だけでなく、広く大学全体で取り組む必要があるという事情についても御理解いただければと存じます。
なお、飲食店でのアルバイトの自粛に伴い、経済的に不安を抱える学生に対しては、大学独自の奨学金制度として、上限10万円でありますが無利子貸与を行っております(4/28改定:基本的に必要額を支援します)。貸与なので返還していただくことになりますが、必要であれば遠慮なく制度を活用していただきたいと思います。
5月11日の授業実施の前にGWが控えております。はじめに触れましたように、健康経過観察期間を設けて感染者がいないことを確認した状態になっておりますが、GW中に移動することによって新たに感染してしまう危険性が生じます。こうしたことから、GW中の帰省や長距離の移動などを控えることについて、保護者の皆様におかれても御理解と御協力をお願いいたします。
弘前大学においては、学生の皆さんの健康の確保に配慮しながら、できる限り質の高い教育を実施していく所存です。困難を乗り越え、できる限り早期に普段の大学生活に戻ることができるようにしていきたいと考えておりますので、保護者の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。

令和2年4月24日
弘前大学長  福田 眞作