弘前大学大学院 地域社会研究科

地域文化研究講座(2年)外崎 純恵

聾学校での新たな音楽教育プログラムの構築を目指して

地域文化研究講座(令和元年度入学)外崎 純恵

 現在、日本の聾学校における音楽教育は、視覚情報中心の実践が多くを占めています。例えば、教師が子どもたちに曲のイメージに合わせて写真やイラストを提示するなどといったことが行われています。しかし、聾学校に在籍する子どもたちの多くは、補聴器や人工内耳を装用しており、音を聴く能力をもっているということを、青森県内の聾学校で常勤講師として2年間勤務した経験を通して知りました。

この発見を踏まえ、〈聴くこと〉を基盤としたサウンド・エデュケーションの実践を取り入れた、聴覚障害児たちが音事象に積極的に関わることのできる創作中心の授業実践を聾学校で実際に行いました。

修士課程では、そこで得られたデータを分析・考察した結果、ほとんどの子どもが音を聴くことに興味をもつようになったことがわかりました。この研究成果については、2019年度にマカオで行われた12th Asia-Pacific Symposium for Music Education Researchにて、ポスター発表しました。また、国内においても、東京藝術大学で行われた日本音楽教育学会第50回大会にて口頭発表を行いました。

博士課程では、ろう教育の変遷を辿っています。具体的には、現在行われているような音楽教育はいつからどのように始まったのか文献調査をしたり、音楽科が確立する以前からろう教育に携わっていた元教員にインタビュー調査をしたりしています。また、現在は以前勤務していた聾学校で再び勤務できることになったため、これまでの分析を踏まえ、新たにサウンド・エデュケーションの実践を取り入れた授業を行っています。今後も、聴覚障害児が能動的に音と関わることのできる音楽教育プログラムの構築を目指し、実践と研究を進めていく予定です。

 普段当たり前だと思っていることでも、もう一度捉え直してみると新たな視点が生まれることがあります。日常生活の中でどんな些細なことでも疑問をもってみることで研究の幅は広がります。

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