書籍案内

ここから本文です

戦うことに意味はあるのか ――倫理学的横断への試み――

  • 持田睦・横地徳広 編著
  • 四六判・384頁・並製
  • 定価 本体2,800円+税
  • ISBN 978-4-907192-47-1
  • 発行 2017年3月31日

    【品切れ・重版未定】

一般の書店にてお求めいただけます。(各書店にご注文ください)

弘前大学生協インターネットショッピングにてお求めいただけます。

内容紹介

 この世界に生まれ落ちたのは、誰にとっても偶さかのことである。他でもありえたのに、なぜかこうして生きるわれわれが、その世界で自分と戦い、他人と戦い、あるいは超越者とさえ戦う。社会や技術、物と戦うこともある。
 これらの戦いなしに、われわれは偶さかの生を祝することはできないのか?
 われわれ人間は、戦いから逃れえないのか……。
 本書でとりあげた哲学者や作家、作品からの問いである。
 読者のみなさんが、各章の執筆者たちとともに、それらの問いをみずから吟味してくれたとすれば、執筆者一同、これ以上の喜びはない。
             *
 常磐線が走る初秋の福島沿岸を表紙絵にした本書『戦うことに意味はあるのか――倫理学的横断への試み――』は、福島県夜ノ森駅の桜が表紙絵の前作『生きることに責任はあるのか――現象学的倫理学への試み――』につづく、政治哲学論集である。
 死すべき人間たちがひとときをこの世界に住まうその仕方(=エートス)を問う学知が「倫理学」だとすれば、その観点から「真・善・美・正」を問う四部作構想の一つを占めるのが、本書と前作であった。それぞれ「正」と「善」にかかわる。
 福島の「春・夏・秋・冬」を描いた松本忠氏の鉄道絵画とともに、四部作の一つ一つをご高覧いただきたい。

目次

序 章……多様な戦争をめぐる形而上学とプラグマ
     ティズム(横地 徳広)
第1章……悲劇の果てにある悲劇 ――ヘルダーリン
     の『アンティゴネーへの註解』の核心 
     (持田 睦)
コラム1…シエナ共和国政庁に描かれた「戦争と平
     和」――アンブロージョ・ロレンツェッ
     ティ作《善政と悪政の寓意およびその効
     果》を中心に(出 佳奈子)
第2章……オルサンミケーレのタベルナーコロ ――
     悪疫の克服をめぐって(出 佳奈子)
コラム2…正戦論と永遠平和論 ――中世からカント
     へ(宮村 悠介)
第3章……ホッブズ的人間のゆくえ ――人格の倫理
     学のために(宮村 悠介)
コラム3…もう一つの永遠平和論 ――カントから二
     十世紀へ(宮村 悠介)
第4章……「傷跡」の光景 ――ユイレとストローブ
     の映画『ロートリンゲン!』の分析
     (持田 睦)
コラム4…フランツ・ローゼンツヴァイクと第一次
     世界大戦 ――『ヘーゲルと国家』から
     『救済の星』へ (佐藤 香織)
第5章……アイヒマン論、再考――アレント政治思
     想の一部として (横地 徳広)
コラム5…「デグラスって何かしら?」 ――ゴダー
     ルの『勝手にしやがれ』におけるパトリ
     シアの闘い(持田 睦)
第6章……レヴィナスの平和論とその時間構造
     ――『全体性と無限』における「繁殖性」
     (佐藤 香織)
コラム6…私は誰なのか? ――人造人間のナラトロ
     ジー(横地 徳広)
第7章……アメリカ公民権運動と新たな日常的共存
     ――スマート・パワー概念のネガを確か
     める(横地 徳広)
終 章……本書を概観して――受容と排除の観点か
     ら(持田 睦)

【カテゴリー】人文科学 , 哲学・倫理・思想 , 書籍 ,