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平成25年度秋季学位記授与式告辞(平成25年9月30日)

平成25年度秋季学位記授与式告辞(平成25年9月30日)

厳しい残暑の季節もようやく去って、弘前にもさわやかな秋の気配が感じられるようになりました。そんな中、本日ここ弘前大学事務局大会議室において、平成二十五年度秋季学位記授与式を挙行するにあたって、告辞を述べさせていただくことは私にとって大きな喜びとするところであります。

まずもって、この度、学位を取得し、大学を卒業される皆さん、あるいは大学院を修了される皆さんに心よりお祝いを申し上げます。皆さん、おめでとうございます。

現在、国立大学をはじめ、我が国の大学に対する社会からの期待は大いに高まっていると言うことができると思いますが、基本的には、皆さんが、どのような人材として、どのように社会で活躍するかが重要であり、そしてそのために、大学としてはどのような教育・研究活動を実施すべきなのかが問われているものと考えます。したがって、学位を得て社会に飛び立とうとしている今日の日に、皆さんは、社会への貢献を改めて決意していただくよう願っています。そのことは、取りも直さず皆さん自身が、充実した人生を送ることにつながるものでもあります。

そのために、今後皆さんが取り組まなければならないことは何かを是非考えていただきたいと思います。もちろん、それぞれの専門分野の仕事に関して十分な知識や技術などを、早急に習得し、さらなる発展・向上を目指すことの重要性に疑いはありません。しかし、それにとどまらず、自らの教養を高める努力を続けていただきたいと、願っています。皆さんは、それぞれの出身大学において教養教育を受けて来られたことと推察します。弘前大学においても、「21世紀教育」と銘打って、1・2年次を中心に教養教育を実施しています。しかし、教養教育は1年や2年で成就するものではなく、私たちは、一生をかけても自らの教養を育むことを終えられないと言っても過言ではありません。また、自分の専門領域の知識や技術などを高めることも教養の一部と言ってよいかもしれません。しかし重要な点は、自らの専門に関する努力は容易にできるかもしれませんが、それにとらわれず、広い範囲の知識や考え方を身に付けることが、専門的能力を活かしていくためにも必要であることを銘記して頂きたいと思います。

したがって、皆さんにとっての学問の日々は今日をもって終わる訳ではないことを、改めて強く意識していただき、そして、皆さんがこれまで学んで来たことが今後の指針となって活かされるように望んでいます。

我が国の現状を考える時、アベノミクスの通称で表現される経済政策によって、確かに世間は明るさを取り戻しているかのようです。しかし、社会の真の発展のためには、われわれ国民一人ひとりが、なすべき社会貢献を最大限に実現する努力が常に求められているものと考えます。皆さんには、高度の専門教育と教養教育の成果をもって、我が国の輝かしい未来を実現していくため、社会のリーダーの一人としての自覚を忘れることなく活躍していただくことが必要です。

また、今や私たちの日々の生活そのものが世界と直結する時代になりました。例え皆さんの活躍の場が海外や我が国の中央ではないとしても、世界的な視点をもって仕事をすることが必ず求められます。外国語をはじめとするコミュニケーション能力の鍛錬は今後も続けることが可能ではないでしょうか。どうか、身の回りの事柄のみにとらわれることなく、広い視野をもって、社会で活躍して下さい。弘前大学は教育・研究活動の国際化を一つの目標に据えてきましたが、その成果がいまだ皆さんには十分届いていないかもしれません。しかし、世界的な視点を磨くよう引き続き努力することは可能ではないでしょうか。その点においても、今日をもって皆さんの学問が終わるのではないことを忘れないでいただきたいと思います。

終わりに、皆さんは、今日までの長い年月にわたって学び続けることのできた幸福を今一度思い出していただきたいと思います。私は、そのことについて、皆さん自身の努力を大いに称えるものですが、皆さんのご家族やこれまでお世話になった学校・大学の教職員、そして社会全体に対する感謝を新たにし、今後の努力の糧としてくださるようお願いします。そしてなにより、本日、学位を取得された皆さんの、今後のご健康とご多幸を心からお祈りするとともに、皆さんの未来が輝かしいものになることを期待して、平成二十五年度の秋季学位記授与式にあたっての告辞と致します。

平成25年 9月30日
弘前大学長 佐藤 敬

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