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平成29年度入学式告辞(平成29年4月4日)

 本日ここ弘前市民会館大ホールにおいて、多くのご来賓、ご家族のご臨席の下、平成二九年度入学式を挙行できますことは弘前大学の学生、職員にとって大きな喜びとするところです。この第一部では、人文社会科学部、教育学部の新入生の皆さんに(第二部では、医学部、理工学部、農学生命科学部の新入生の皆さんに)、心からお祝いを申し上げます。皆さん、ご入学誠におめでとうございます。そして弘前大学の一員として、本学の歴史の一端を担っていただくことになった皆さんに感謝するものでもあります。大変ありがとうございます。
 皆さんは、既にこれまでの勉学の中で、単に知識の習得にとどまらず、さまざまな学びの経験をして来られました。大学においては、そのような学びの姿勢をより一層明確に発揮していただくことが重要です。入学直後から始まる本学の教養教育においても、学部の枠を超えた小グループを形成して、地域関連の課題について学ぶ科目が用意されています。大学はそのような学習のお膳立てはしますが、内容は皆さんが独自に進めるものです。これは、カリキュラムとして用意された自主的学習の一例ですが、大学生としての勉学の大部分は自ら考え、自ら学ぶものでなければなりません。もちろん、各学部のカリキュラムに沿った学習をしっかり修めることは必須ですが、大学生となった今、与えられた課題に対応することだけが学問ではありません。何か一つでも、自らの興味や問題意識について、自ら学ぶことを実行して下さるよう強く願っています。そのための手段は大学内に数多く用意されています。弘前大学には、さまざまな学問を専門とする教員が在籍しており、また、自由に使えるコンピュータが用意されています。図書館には莫大な情報が蓄えられています。このような高等教育の機会を持つことができたのは、皆さんにとって本当に幸いなことであり、これらを大いに活用してしっかりと学んでいただきたいと思います。
 また、大学生活にはこれまで以上に自律的な活動の機会がたくさんあります。皆さんの先輩は、ボランティア活動やスポーツなどの課外活動に積極的に取り組んでおり、多くが経験しているアルバイトも、広い意味での学びの機会になり得るものでしょう。また、弘前大学では、海外留学のためのプログラムが数多く用意されています。皆さんは、この入学式を機に、弘前大学において多様な経験を積み、しっかりと自らを育むよう決心して下されば幸いです。そして皆さんは大きな可能性を持っています。学生生活において、例え失敗があったとしても、それは決して無駄ではなく、それを通して学び、教訓として活かすことが大切です。経験は能動的であり、実験的であるほど、それを通して得られる学びの成果がより大きなものになるのです。どうか、弘前大学でさまざまな事に果敢に挑戦し、多くの経験を積んで下さるよう願って止みません。
 学問は直ぐに役に立つことを目的にしたものがあって当然ですが、それが全てではないのも明確です。例えば、私たちが学んできた文学や芸術は、専門家を養成することを第一の目的としたものではなかったはずで、皆さんが社会人としていかなる道を歩むことになっても、そのような素養が、多くの場合、眼に見えることなく役に立つのだと思います。学問の少なくとも一部は、本来そのようなものであって、大学における学問はそれを体現したものでなければなりません。
大学における教育研究の目的は、その成果をもって社会に貢献することです。人口の高齢化や環境、エネルギー、食糧問題をはじめ、我が国と世界の未来社会に関して、警鐘を鳴らす議論も数多く聞かれますが、間違いなく我が国の未来は皆さんが創っていくものです。また、弘前大学と弘前大学生には、地域からの大きな支援を有形・無形にいただいています。私自身も弘前大学で学生生活を送り、この地で教育研究活動を続けて来られたことを心から幸いに思っています。皆さんは、やがては、我が国社会のリーダーとして活躍する気概を持って学生生活を送っていただきたいと思います。そして、弘前市以外から転入された皆さんには、是非、弘前市住民として登録し、名実共に実際に暮らす地域社会の一員となって下さるようお願いします。
 皆さんが今日の日を迎えられたのは、自らの努力の結果であることは間違いありませんが、ご家族や恩師、そして社会全体の支援の賜物でもあります。そのことを忘れることなく努力を続け、また、健康に留意して楽しく実り多い学生生活を送られるよう祈念して、入学式の告辞と致します。

平成29年4月4日

弘前大学長  佐藤 敬

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