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令和元年度学位記授与式告辞(令和2年3月23日)

学長告辞

 例年になく穏やかだった冬も去って、津軽にも本格的な春を迎える中、本日ここ弘前市民会館において、令和元年度の学位記授与式を挙行できますことは、私にとって大きな喜びとするところであります。今年度の学位記授与式は、ご家族や来賓のご出席もなく、式そのものも、簡略化して行われていますが、未来への大きな可能性を持って社会に旅立つ皆さんの姿に、私自身は期待と感動をもって今ここに立っています。本日卒業される皆さんの大きな可能性の故に、心よりお祝いを申し上げたいと思います。皆さん、卒業誠におめでとうございます。
 弘前大学は昨年、創立70周年を迎え、多くの方々のご支援とご協力をいただいて、盛大な記念事業を実施することができました。弘前大学は1949年、昭和24年に、戦後の新しい教育制度の下、青森県唯一の国立大学として再出発しましたが、母体となった青森師範学校や青森医専が、太平洋戦争終結直前の青森市大空襲によって焼け落ち、弘前に移転することで、旧制官立弘前高等学校と統合されて弘前大学となったものです。青森県唯一の国立大学が弘前にあるのは、そのような歴史によるものですが、あるいは存続の危機にあった大学が、今日の姿を維持できたのは、地域をはじめ、多くの方々のご尽力によるものでした。未来を担う人材の育成が社会の最優先課題であるとの認識は有史以来、人類共通のものであったと理解していますが、弘前大学誕生の経緯にも、そのような認識があったのは間違いないと思います。弘前大学の歴史と伝統を想う時、本日卒業される皆さんは間違いなく、その歴史と伝統を担って来られ、またこれからも、担っていただく人たちなのです。皆さんの人生は皆さん自身のものであるのは大前提ですが、どうか、弘前大学の歴史と伝統を意識して、今後社会で大いに活躍して下さるよう願って止みません。
 私事で恐縮ですが、私も皆さんと一緒に弘前大学を去ることになり、学位記授与式としては本日が最後の機会となりました。学生時代から51年間にわたってお世話になった弘前大学と関係者の方々に対して、この場を借りて心より感謝するものです。そして、弘前大学が今後も力強く歩み、本州最北端の地で光り輝く存在であり続けることを心から願い、そのことは、本日卒業される皆さんと共有できるものと信じています。
 終わりに、本日卒業される皆さんを今日まで支えていただいたご家族や弘前市民をはじめ、すべての方々に私からもお礼を申し上げます。本日卒業される皆さんは、そのことを心に留め、弘前大学で学んだ成果を今後遺憾なく発揮し、社会で存分に活躍されることを願うものです。そして、なにより、皆さんの今後のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げ告辞といたします。

令和2年3月23日

弘前大学長  佐藤 敬

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