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平成24年度大学院学位記授与式(平成25年3月22日)

平成24年度大学院学位記授与式(平成25年3月22日)

長く厳しかった冬もようやく去ったとはいえ、いまだ寒さの残るこの春の日に、ここ弘前大学五十周年記念会館みちのくホールにおいて、平成二十四年度の大学院学位記授与式を挙行するにあたって、告辞を述べさせていただくことは、私にとって大きな喜びとするところであります。 まずもって、本日大学院を修了し、学位を取得された皆さんに心よりお祝いを申し上げます。皆さん、おめでとうございます。
皆さんが今日の日を迎え、修士あるいは博士の学位を取得されることに対し、皆さん自身の永年にわたる努力の成果として、心から敬意を表するものですが、一方では、これまで学問を続けられたことには、ご家族や社会からの大きな支援があったことも事実です。そのことへの感謝を決して忘れることなく、我が国とそして国際社会のリーダーとして力強く活躍することを目指すよう、努力していただきたいと強く願っています。
さて、最近の日本社会にあっては、アベノミクスと称される金融緩和政策の成果を歓迎し、評価する声が高いように思われますが、一部の専門家からは反対の意見も聞かれます。その正否を判断することは私にはできず、また、直ちに評価できるものではないのではと思います。しかし、間違いなく言えることは、我が国の確固たる未来にとって最も重要なのは、一言で言えば、新たな創造、いわゆるイノベーションであります。日本社会の継続的な発展を期するためには、製造業はもちろんのこと、あらゆる分野におけるイノベーションを果たしていくことが求められ、そのための人材が重要です。例えば、昨年末以来の株価の上昇は、企業の資金調達を容易にしますが、それにとどまらず、調達した資金を、どのように生かし、何を生み出すかが常に問われていると思います。その意味で、我が国の未来は間違いなく皆さんの双肩にかかっています。
残念ながら、私たち一人ひとりの力は限られており、科学技術の発達や、社会制度の成熟を果たした現代において、大きなイノベーションを一人の力で達成することはきわめて難しく、稀なことかもしれません。しかし、皆さんは未来の目標の大いなることに絶望することなく、少なくとも、果敢に挑戦する気概を持って努力して欲しいと思います。そのことを通して、我が国の社会のリーダーとして活躍して下さることが、本学の教育・研究の成果でもあります。
昨年の告辞でも申し上げたことですが、本日皆さんは、修士あるいは博士というグレードを得られた訳で、そのことがグラデュエイション、即ち、卒業式の意味であり、決して学問からの卒業を意味するものではありません。グラデュエイションの他に、始まりを意味するコメンスメントという英単語も卒業式を意味します。正しく、皆さんにとっての学問は本日をもって終わる訳でなく、新たに始まるとの認識を持つことが最も大切です。今後の学問は、あるいは、これまでのものとは表面的には異質なものかもしれませんが、これまでの努力が必ず生かされるであろうことは間違いありません。これからも学ぶことを忘れずに進んで行っていただきたいと思います。
終わりに、皆さんは、これまで長い年月にわたって学び続けることのできた幸福を忘れることなく、皆さんのご家族や教職員、そして社会全体に対する感謝を今一度思い出して頂くよう、お願いします。そしてなにより、本日、修士または博士の学位を取得された皆さんの、今後のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げて、告辞と致します。

平成25年 3月22日
弘前大学長 佐藤 敬

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