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平成28年度大学院入学式告辞(平成28年4月5日)

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 例年になく暖かい冬が足早に去って、津軽の地にも待望の春を迎えることができました。そして本日、ここ弘前大学創立五十周年記念会館みちのくホールにおいて、平成二八年度の大学院入学式を挙行できますことは、私たち弘前大学職員にとって大きな喜びとするところであります。
 まずもって、314人の大学院入学者の皆さんに心から歓迎の意を表し、お祝いを申し上げます。皆さん、弘前大学大学院へのご入学、誠におめでとうございます。大学あるいは大学院博士前期課程を修了した後、さらに学問を追究するという皆さんの姿勢に対して心からの敬意と激励を送るとともに、大学院において学問を続けられることを大きな幸福と受け止め、努力して頂きたいと思います。
 平成28年度から弘前大学は学部の改組と大学院の充実からなる教育研究組織の見直しを行いましたが、大学院における教育研究の推進は国立大学の重要な役割でもあり、特にこの地域においては、弘前大学がしっかりとその役割を果たすことが求められています。そしてその役割を果たすべき主役は皆さんであり、皆さんにはこれまで蓄積された学問の新たな展開を担うことが期待されています。もちろん、当面は教員の指導の下に進められるものと思いますが、いずれは自らが中心となって未知の領域を切り開いていくのが次の時代の学問を担うべき皆さんの使命です。そのことは、一般に言われる研究職に就く場合に限られる訳ではありません。皆さんが将来如何なる道を歩もうとも、既に蓄積された成果の反復で終わることは在り得ないと思います。例えこの本州最北の地に在っても、我が国の、ひいては世界の未来を担うという気概をもって学問を進めて下さるよう願って止みません。
 最近、学術研究における我が国の世界的地位の低下が指摘されていますが、具体的には、研究成果公表の量的・質的評価において世界の先進国の中での順位が低下しつつあるのは事実です。また、ここ数年、我が国の研究者がノーベル賞を継続的に受賞していますが、近い将来にはノーベル賞受賞者を輩出することが難しくなるとも言われています。残念ながら、次代を担う研究者を養成することの重要性と、そのための方策が国の基本方針としてしっかりと定着しているとは思われません。そんな中にあって、私たちは、高等教育の当面する課題に対応する努力は欠かせませんが、少なくとも学問の本来の理念を決して見失ってはならないと、自戒を込めて考えています。大学院生としての皆さんの学生生活においても、学究の徒に相応しい自覚を持って努力して下さるよう、決意を新たにしていただければ幸いです。
 グローバル社会の今後を、リーダーとして担うべき皆さんの大きな可能性に期待するとともに、弘前大学大学院生としての今後の日々を健康で実り多く過ごされるよう祈念して、入学式の告辞といたします。

平成28年4月5日

弘前大学長  佐藤 敬

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