○国立大学法人弘前大学の研究活動の不正行為への対応に関する規程
(平成19年6月25日制定規程第14号)
改正
平成21年2月9日
平成24年2月1日規程第4号
平成25年4月19日規程第67号
平成27年3月20日規程第106号
平成27年3月20日規程第79号
令和4年6月16日規程第77号
(目的)
第1条
この規程は、国立大学法人弘前大学(以下「本学」という。)に所属する研究者(以下「研究者」という。)による研究活動の不正行為(以下「不正行為」という。)に関し、事前に予防に努めること、及びかかる問題が発生した場合の迅速かつ適正な解決に資することを目的として、本学の対応及び関係者のとるべき措置等を定める。
(研究者)
第2条
この規程で、研究者とは、本学に雇用されている者及び本学に雇用されているとみなされる者並びに本学の施設・設備を利用する者で研究に携わる者をいう。
(対象とする不正行為)
第3条
この規程において不正行為とは、次の各号に掲げる行為をいう。
ただし、故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによるものではないことが根拠をもって明らかにされたものは不正行為に当たらない。
(1)
捏造 存在しないデータや研究結果等を作成すること、又はこれら作成したものを記録、報告、論文等に利用すること。
(2)
改ざん 研究資料、機器及び過程を変更する操作を行い、データや研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工したり、それを記録すること。
またそのような真正でない変更あるいは変造したデータ、結果等を用いて研究の報告、論文等を作成・発表すること。
(3)
盗用 他の研究者のアイディア、分析、解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用すること。
(4)
前3号までに掲げる不正行為に準ずる著しく悪質な行為(他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿する二重投稿、一編の研究論文を発表可能な最小単位に分割し、同一の研究から複数の論文投稿を行うサラミ論文、論文著作者が適正に公表されない不適切なオーサーシップ及び悪質な意図に基づく論文等の不引用など)。
(5)
前4号までに掲げる不正行為が指摘された際の、当該不正行為の証拠隠滅、立証妨害、追試又は再現を行うために不可欠な実験記録等の資料の隠蔽、廃棄、滅失、未整備。
(研究者の責務)
第4条
研究者は、不正行為を行ってはならず、また、他者による不正行為の防止に努めなければならない。
2
研究者は、研究者倫理及び研究活動に係る法令等に関する研修又は科目等を受講しなければならない。
3
研究者は、研究活動の正当性の証明手段を確保するとともに、第三者による検証可能性を担保するため、実験・観察記録ノート、実験データその他の研究資料等を一定期間適切に保存・管理し、開示の必要性及び相当性が認められる場合には、これを開示しなければならない。
4
前項に規定する保存期間に関し必要な事項は、別に定める。
(最高管理責任者)
第5条
本学に、研究活動における不正行為の防止について最終責任を負う最高管理責任者を置き、学長をもって充てる。
2
最高管理責任者は、学内における公正な研究活動を推進するために適切な措置を講ずるものとする。
3
最高管理責任者は、本学に所属する職員、学生の不正行為を事前に防止し、公正な研究活動を推進するとともに、倫理規範を修得させるため、研究倫理教育を行う。
4
前項の研究倫理教育については別に定める。
(統括管理責任者等)
第6条
本学に、最高管理責任者を補佐し、研究活動における不正行為の防止について本学全体を統括する責任と権限を有する統括管理責任者を置き、理事(研究担当)をもって充てる。
2
前項のほか、学生の教育及び職員の教育、研修に関する管理に責任と権限を有する管理責任者を置き、それぞれ理事(教育担当)及び理事(総務担当)をもって充てる。
(研究倫理教育責任者)
第7条
各部局の研究者に対する研究倫理教育を実施し、その受講状況及び理解度を把握し、未受講の研究者及び理解度が低い研究者に対し必要な指導を行うことについて責任と権限を有する研究倫理教育責任者を置き、各部局の長をもって充てる。
(研究倫理委員会の設置)
第8条
本学に、研究者による不正行為を防止するため、次の各号に掲げる委員で組織する研究倫理委員会(以下「倫理委員会」という。)を置く。
(1)
理事(研究担当)
(2)
理事(総務担当)
(3)
理事(教育担当)
(4)
学長が指名する部局長 3名
(5)
その他委員長が必要と認めた職員
(倫理委員会委員の任期)
第9条
前条第4号及び第5号の委員の任期は2年とする。
ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2
前条第4号及び第5号の委員は、再任されることができる。
(委員長及び副委員長)
第10条
倫理委員会に委員長を置き、第8条第1号の委員をもって充てる。
2
委員長は倫理委員会を主宰する。
3
倫理委員会に副委員長を置き、委員長が指名する委員をもって充てる。
4
副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代理する。
(倫理委員会の職務)
第11条
倫理委員会は、次の各号に掲げる事項を行う。
(1)
研究倫理についての研修及び教育に係る企画及び実施に関する事項
(2)
研究倫理についての国内外における情報の収集及び周知に関する事項
(3)
不正行為の防止に関する事項
(4)
その他研究倫理に関する事項
(庶務)
第12条
倫理委員会の庶務は、研究推進部研究推進課において処理する。
(告発等の受付・相談窓口)
第13条
本学における不正行為に関する告発等の受付・相談窓口(以下「受付窓口」という。)は研究推進部研究推進課(以下「担当課」という。)とする。
2
告発等の受付から調査に至る体制における責任者は、統括管理責任者とする。
(告発等の取扱い)
第14条
告発は、書面、電話、FAX、電子メール又は面談により、告発者が受付窓口へ直接行う。
2
原則として、告発は氏名を明らかにして行わなければならない。
3
告発の受付けは、不正行為を行ったとする研究者、研究グループ、不正行為の態様等、事案の内容が明示され、かつ不正とする科学的合理性のある理由が示されているもののみとする。
4
第2項にかかわらず、匿名による告発があった場合は、その内容に応じて、顕名の告発があった場合に準じて取り扱うことができる。
(疑惑発生時の対応)
第15条
担当課は、不正行為に関する相談、調査依頼又は通報を随時受け付ける。
また、告発を受け付けた場合は、速やかに統括管理責任者に報告する。
2
統括管理責任者は、告発受付後概ね10日以内に、事案に応じて予備調査の要否を決定する。
(予備調査の実施)
第16条
統括管理責任者は、前条による調査が必要であると決定したときは、最高管理責任者へ報告する。
また、統括管理責任者は倫理委員会(以下「委員会」という。)において不正行為の疑惑が生じている倫理分野における学内外の専門家らの協力を得て、予備調査を実施する。
(調査委員会の設置)
第17条
統括管理責任者は、前条の予備調査の結果を、告発受理後概ね30日以内に最高管理責任者に報告する。
2
最高管理責任者は、報告受理後概ね10日以内に本調査実施の要否を決定するものとする。
3
最高管理責任者は、統括管理責任者の報告に基づき、本調査の実施を必要と認めた場合、報告受理日から起算して、概ね50日以内に教育研究評議会に外部の専門家を含めた調査委員会を設置する。
4
前項に規定する調査委員会に関し必要な事項は、別に定める。
(認定)
第18条
調査委員会は調査結果を最高管理責任者に報告し、最高管理責任者は、教育研究評議会の議を経て、不正行為か否かを認定する。
(調査結果の通知)
第19条
最高管理責任者は、調査結果を調査関係者に通知する。
(不服申立て)
第20条
不正行為を行ったものと認定された被告発者は、最高管理責任者の通知した調査結果に対して不服があるときは、調査結果を通知した日から起算して14日以内に最高管理責任者に不服の申立てを行うことができる。
不服申立てがなされた場合、最高管理責任者は調査委員会に審査を行わせ、必要に応じて再調査を命ずる。
(不正行為の認定を受けた被告発者等に対する措置)
第21条
最高管理責任者は、被告発者の不正行為を認定したときは、学内規則等に基づき不正行為の認定を受けた者(以下「不正認定者」という。)に必要な処分を講ずるとともに不正行為と認定された論文等の取下げを勧告する。
2
最高管理責任者は、前項に加えて不正行為に関与したとまでは認定されないが、不正行為が認定された論文等の内容について責任を負う者として認定された著者に対し、学内規則等に基づき必要な処置を講ずるとともに、不正行為と認定された論文等の取下げを勧告する。
(研究費使用の禁止)
第22条
不正認定者には、本学の指示する日以後禁止が解除されるまでの間、内外の競争的研究費を含め全ての研究費の使用を禁止する。
ただし、研究機器等の維持に研究費を使用する場合はこの限りではない。
(研究費の返還)
第23条
不正認定者には、既に使用した研究費について、その全部又は一部を返還させることがある。
(調査結果の公表)
第24条
最高管理責任者は不正行為が行われたとの認定を行った場合には、速やかに調査結果を公表する。
2
最高管理責任者は、不正行為が行われなかったとの認定を行った場合には、原則として調査結果を公表しない。
ただし、公表までに調査事案が外部に対し公になっていた場合及び論文等に故意によるものでない誤りがあった場合は、調査結果の概要を公表する。
(悪意に基づく告発者の処分)
第25条
最高管理責任者は、予備調査及び本調査の結果、告発に十分な科学的合理性のある根拠がなく、かつ被告発者を陥れ、又は本学等に不利益を与えることを目的とした告発であったと判断したときは、当該告発を研究妨害とみなし、当該告発者に対し、必要に応じて氏名の公表又は懲戒等の処分もしくは刑事告発等の措置を講ずる。
(不正行為が認定されなかった場合の対応措置)
第26条
調査を経て、最高管理責任者が被告発者に不正行為の事実はないと認めたときは、関係各部局等に対し別に定める必要な措置を要請するものとする。
(その他)
第27条
この規程に定めるもののほか、不正行為への対応について必要な事項は、倫理委員会の議を経て別に定めるものとする。
附 則
この規程は、平成19年6月25日から施行する。
附 則(平成21年2月9日)
この規程は、平成21年2月9日から施行する。
附 則(平成24年2月1日規程第4号)
この規程は、平成24年2月1日から施行する。
附 則(平成25年4月19日規程第67号)
この規程は、平成25年4月19日から施行し、改正後の規定は、平成25年4月1日から適用する。
附 則(平成27年3月20日規程第106号)
この規程は、平成27年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月20日規程第79号)
この規程は、平成27年3月20日から施行する。
附 則(令和4年6月16日規程第77号)
この規程は、令和4年6月16日から施行する。