○国立大学法人弘前大学における大学発ベンチャー企業から対価として取得する株式等の取扱いに関する規程
(令和3年3月15日規程第16号)
(趣旨)
第1条
この規程は、国立大学法人弘前大学(以下「本学」という。)において、大学発ベンチャー企業を積極的に支援することを目的として、大学発ベンチャー企業から本学の研究成果に係るライセンス等の対価として株式等を取得する場合の取扱いに関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条
この規程における用語の定義は、次の各号に定めるところによる。
(1)
「知的財産権」とは、国立大学法人弘前大学知的財産取扱規程(平成16年規程第25号。以下「知財規程」という。)第2条第3号に規定する権利及び国立大学法人弘前大学成果有体物取扱要項(平成21年制定。以下「有体物取扱要項」という。)第2第1項に定める成果有体物をいう。
(2)
「ライセンス等」とは、知的財産権の譲渡及び提供又は実施権の設定、実施許諾及び利用許諾をいう。
(3)
「株式等」とは、株式及び新株予約権をいう。
(4)
「大学発ベンチャー企業」とは、大学等(国公私立大学、高等専門学校、国立試験研究機関、公立試験研究機関、国立研究開発法人、公益法人等の非営利法人をいう。以下同じ。)の研究成果等をもとに起業し、又は大学等と共同研究を実施し、若しくは大学等から技術移転、出資等の支援を受けている企業をいう。
(5)
「インサイダー取引」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「取引法」という。)第166条に規定する有価証券の取引等をいう。
(6)
「収益を伴う事業」とは、本学が国立大学法人法(平成15年法律第112号)第22条第1項各号の規定に基づき行う業務の中で、受益者に対して負担を求め、結果として収益を伴うものをいう。
(7)
「未公開株式」とは、取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。
(株式等の取得)
第3条
本学は、ライセンス等を行う相手方が大学発ベンチャー企業であり、かつ当該大学発ベンチャー企業が次の各号のいずれかに該当するときは、ライセンス等の対価の一部又は全部を株式等により取得することができるものとする。
(1)
対価に相当する現金を保有していないとき。
(2)
対価を現金で支払うことによって、資金繰りに窮すると認められるとき。
(3)
対価を現金で支払うことが経営に重要な影響を及ぼすと認められるとき。
(4)
その他学長が認めたとき。
(審査)
第4条
研究・イノベーション推進機構長(以下「機構長」という。)は、大学発ベンチャー企業から株式等による支払いの申込を受けたときには、知財規程第4条に規定する知的財産審査会(以下「知財審査会」という。) において、株式等の取得について審査させ、及び報告させるものとする。
2
前項の知財審査会は、当該大学発ベンチャー企業の財務状況その他株式等の取得の妥当性を判断するために必要な事項を踏まえその取得の可否について審査を行うものとする。
3
機構長は、前項の審査結果について、学長に報告するものとする。
(取得の決定)
第5条
学長は、前条第3項の審査結果に基づき、株式等の取得の可否について決定する。
2
前項の規定により株式等の取得の決定をした場合、株式等の取得について規定した契約書を取り交わし、当該株式等を取得するものとする。
(株式等の管理)
第6条
学長は、取得した株式等を国立大学法人弘前大学出納事務取扱規程(平成16年規程第66号)に基づき、出納命令役が所属する財務部に管理させる。
2
学長は、保有する株式等の定期的な評価について、機構長に実施させ、その結果を報告させる。
3
機構長は、知財審査会において、株式等について評価させるものとする。
(株式等の売却等における取扱い)
第7条
ライセンス等の対価として取得した株式等を換金することが可能となったときには、速やかに売却するものとし、当該株式等が未公開株式である場合は、当該株式等の公開後速やかに売却するものとする。
ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合は、株式等を保有することができるものとする。
(1)
ライセンス等の対価として取得した株式等を換金することが可能となった時点において、当該株式等の価格がライセンス等の対価に相当しないものである場合
(2)
ライセンス等の対価として取得した株式等が上場された際、当該株式を売却することにより当該株式の価格の急激な下落を招くおそれがある場合
(3)
その他特段の事情により株式等を保有する必要がある場合
2
前項の規定は、未公開株式を公開前に有償譲渡することを妨げない。
(議決権の行使)
第8条
大学発ベンチャー企業から取得した株式を保有している間、原則として、当該大学発ベンチャー企業の株主総会において、議決権を行使しないものとする。
ただし、議決権を行使しないことにより、当該大学発ベンチャー企業の経営に著しい悪影響を与える可能性があると考えられる場合に限り、学長が議決権を行使するものとする。
(新株予約権の行使)
第9条
第5条の規定により新株予約権を取得した場合において、当該新株予約権の行使が可能となったときは、速やかに当該新株予約権を行使し株式を取得するものとする。
2
前項により当該新株予約権を行使する場合には、当該大学発ベンチャー企業との新株予約権割当契約書等の契約内容を遵守しなければならない。
3
前2項の規定は、新株予約権を行使前に有償譲渡することを妨げない。
4
新株予約権の権利の変更又は処分(放棄を含む。)等を大学発ベンチャー企業から求められた場合は、知財審査会が審査し、機構長の承認を得た上で適切に対応するものとする。
(インサイダー取引の防止)
第10条
学長は、本学が所有する株式等を売却するときは、当該売却がインサイダー取引に該当しないことを確認するものとする。
(補償金の配分)
第11条
ライセンス等(実施許諾等又は譲渡等)の対価として株式等を取得した場合における知財規程第14条に規定する補償金及び有体物取扱要項第10に規定する提供補償金については、株式等を取得した後、その株式等を換金し収入を得た場合に支払うものとする。
(その他)
第12条
この規程に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。
附 則
この規程は、令和3年4月1日から施行する。