保健学研究科の櫛引助教が参画する研究が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の広報誌に掲載されました
2025.06.09
メディア
弘前大学大学院保健学研究科 心理支援科学専攻の櫛引 夏歩助教が参画している「社会的孤立の生成プロセス解明と介入法開発:健康な「個立」を目指して」(研究代表者:筑波大学・太刀川 弘和教授)の研究について、「ネガティブな孤立から前向きの「個立」へ中学生向けプログラム「e-BOCCHI」を展開」と題し、特集記事として国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の広報誌「JSTnews」最新号に掲載されました。
現在、社会的孤立や孤独が世界的にも大きな問題として注目されています。一般的には、社会から孤立すると孤独を感じやすいと思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。実際には、周りに人がいても孤独を感じる人もいれば、ひとりでいても元気に過ごしている人もいます。本プロジェクトでは、ひとりでいることは必ずしも悪いことばかりではないと考え、孤立していても健康的に過ごせるように、一人ひとりが創造的な生活を送ることができる社会を目指しています。
櫛引助教は、その一環として、中学生向けの教育プログラム「ひとりぼっちでも前向きな考え方ができ、いざとなったら助けを求められる教育」、通称e-BOCCHI(イーボッチ)の開発に取り組みました。e-BOCCHIでは、社会的孤立や孤独という抽象的な概念をわかりやすく伝えるために、キャラクターを使用した教材を作成しました。茨城県内のいくつかの中学校でe-BOCCHIを行ったところ、一定の教育効果がみられ、授業を受けた生徒たちの感想も良好でした。今後は、より多くの中学生にe-BOCCHIを届けることを目指し、さらには、学校に来られない生徒のための教育プログラムの作成を進めていく予定です。