弘前大学
令和5年度大学院入学式告辞(令和5年4月5日)
学長告辞

桜前線が駆け足で北上しており、ここ津軽の地が最も華やぐ桜の景色が、すぐそこまで来ています。そのような中、ここ弘前市民会館において、四年ぶりに保護者の皆さんとともに、令和五年度の大学院入学式を挙行できますことは、私たち教職員にとってこの上ない喜びであります。昨年同様、本日出席できなかった入学生ならびに関係者の方々に向けて、ライブ配信を行っています。会場においでの関係者の皆さん、そしてライブ配信をご視聴されている皆さん、どうか一緒に新入生を祝福いただきますよう、お願い申し上げます。

まずは、本日入学の日を迎えられた外国人留学生23名を含む大学院入学の352名の皆さんに対して、心から歓迎の意を表するとともに、お祝いを申し上げます。ご入学、誠におめでとうございます。学長として、また皆さんの先輩として、大学院に進学し最先端の研究を行う道を選んだ皆さんの勇気ある決断を、心から賞賛し、歓迎したいと思います。

皆さんは、大学における高等教育を修められ、さらに最先端の研究を求めて大学院へ進学されました。未知の課題に挑戦する場が大学院であり、数年を研究生活に費やすこととなります。そのような場に足を進めた皆さんの勇気ある決意に、学長として心から賞賛し、歓迎したいと思います。

様々なイノベーションや世紀の大発見が、困難や危機が訪れたときに誕生することを、歴史が証明しています。新型コロナウイルス感染症、気候変動、食糧・エネルギー危機、そしてロシアによるウクライナ侵略など、かつてない地球規模の難局に直面する今、科学研究の道を選択し、課題解決に向けて最先端の研究に挑戦する研究者への期待は大きく膨らんでいます。

そのような期待を背に皆さんは、大学院でより高度な知識や技術を修得し、新たな知見にたどり着いて、修士あるいは博士論文を完成させなければなりません。おそらく、簡単にはゴールにたどり着くことはできないでしょう。発見は、前もって積み重ねられた苦しい努力と失敗の先にあると言われますが、越えられない課題に直面したときの苦しさは、相当なものであるという覚悟も必要です。失敗を繰り返してこそ、新たな発見に近づくことができると、前向きに思考を変えて、諦めずに挑戦を続けてください。

2022年、「絶滅したヒト科のゲノムと人類の進化に関する発見」によりノーベル生理学・医学賞を受賞したドイツのスバンテ・ペーボ教授をご存じと思います。沖縄科学技術大学院大学の教授も務めるペーボ教授は、「沖縄の地で、多くの異分野の研究者と協力できたことで、ノーベル賞に繋がる発見にたどり着けた」と述べています。他にも、専門分野の異なる研究者からの何気ない意見が、世紀の大発見のヒントとなったという逸話はいくつもあります。本学は総合大学として、「世界に発信し、地域と共に創造する」をスローガンに掲げ、地域ならではのユニークな研究だけでなく、世界に通用するハイレベルな研究が各学部・研究科・研究所で行われています。学部の垣根を越えて、異分野の研究者と積極的に意見交換してみてください。

研究の道を選択した皆さんなら、「日本の研究力が低迷しており、注目度の高い論文の数で、ついに韓国やスペインに抜かれて第12位となった」というショッキングな現状を知っていると思います。他国の論文数が急速に伸びている中で、日本の論文数が伸び悩んでいる状況が長く続いていることによるものです。一方で、弘前大学から発表された論文数はここ10年間で1.5倍に増え、中でも大学院生が関わった学術論文が年々増えてきています。地方都市にある弘前大学の研究環境は十分とは言えませんが、本学の研究者の指導の下で重ねた皆さんの真摯な努力が、世界へ発信される大きな実を結ぶことも決して夢ではありません。

さて、知的な好奇心や探究心からもたらされる活動が科学研究であり、人類の健康と福祉、社会の安全と安寧、そして地球環境の持続性に貢献するものでなければなりません。そのためにも、科学の発展を妨げ、人々の科学への信頼を揺るがすような不正行為は、絶対あってはなりません。残念ながら、研究活動上の不正行為に関する報道が、いまだに後を絶ちません。皆さんには、高い研究倫理観を胸に、誠実に真理を追究する決意を、大学院での研究をスタートする今、新たにしていただきたいと思います。

入学生の中には、研究活動の場として本学を選んで頂いた留学生もおられます。言語や価値観・文化の違う異国の地での生活や研究活動に不安を抱きながら、今日の日を迎えていることと思います。皆さんの留学の目標がしっかりと達成されるよう、全学を挙げて支援してまいります。

結びに、今一度、弘前大学における皆さんの大学院生活が、健康で、実り豊かなものになるよう祈念し、そして日本および世界をリードする人材へと成長する数年間となることを強く願い、大学院入学式の告辞といたします。ご入学、誠におめでとうございます。

令和5年4月5日
弘前大学長 福田 眞作

令和5年度入学式告辞(令和5年4月5日)
学長告辞

桜前線が記録的な早さで北上しており、日本一の桜の景色はすぐそこまで来ています。そのような中、ここ弘前市民会館において、四年ぶりに保護者の皆さん、そしてご来賓の方々とともに、令和五年度の入学式を挙行できますことは、私たち教職員にとってこの上ない喜びであります。昨年同様、本日出席できなかった新入生ならびに関係者の方々に向けて、ライブ配信を行っています。会場においでの関係者の皆さん、そしてライブ配信をご視聴されている皆さん、どうか一緒に新入生を祝福いただきますよう、お願い申し上げます。

晴れて弘大生となられた新入生、1398名の皆さんに、まずは謹んでお祝いを申し上げますとともに、弘前大学の新たな構成員となる皆さんを大いに歓迎いたします。皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。また、弘前大学とのご縁を結んでいただいた皆さん、そして保護者の皆さんに、心から御礼を申し上げます。末永いお付き合い、よろしくお願いいたします。

およそ六割の新入生の皆さんは、青森県以外の出身です。青森県唯一の国立大学が、何故、弘前市にあるのか、はじめに弘前大学の歴史を簡単に紹介させていただきます。弘前大学は、旧制弘前高等学校、青森師範学校、そして青森医学専門学校などが母体となって、昭和二十四(一九四九)年に新制大学として創立されました。これは第二次世界大戦末期にあった青森(市)大空襲が大きく関わっています。青森市にあった青森師範学校と青森医学専門学校が全焼し、その存続を願う関係者、とりわけ空襲の被害を免れた弘前市や地域の有力者の方々のご尽力によって、2つの学校の弘前市への移転が実現し、弘前大学が誕生したのです。このような背景もあって、本日ご来賓の弘前市長をはじめ弘前市民の皆さんは、弘前大学を心から愛し、弘大生をいつも優しく見守ってくださっています。そして、皆さんが過ごす弘前市は、コンパクトな街並みの中に豊かな自然や高い文化の薫りを備えており、学び・暮らす街としてとても魅力的なところです。四季折々に見せる美しい景色やお祭りなど楽しめるイベントが、皆さんの大学生活に彩りと感動を与えてくれるはずです。

さて、繰り返す新型コロナウイルス感染拡大の波の中で、皆さんは様々な制約と我慢を強いられたことと思います。コロナ禍という、かつてない試練を経験しながらも、皆さんは大学受験に挑戦し、見事、弘前大学に合格、今日この日を迎えています。皆さん自身のたゆまぬ努力の賜物でありますが、ご家族や恩師をはじめとする関係者の方々の支援があったからこそ、成し得たものでもあります。言うまでもなく、皆さんの最終目標が大学に入学することではないはずです。未来社会を生き抜く知識、知恵、そして適応能力を身につける4年間、あるいは6年間でなければなりません。であればこそ、晴れて大学生となった今、関係者への感謝の気持ちを忘れずに、自己研鑽に励む大学生活を送る決意を、新たにしていただきたいと思います。

皆さんのこれまでの学びのフィールドは、家庭と学校あるいは予備校が中心で、受け身的な学びがほとんどだったと思います。これからの学びのフィールドは、大学内にとどまらず、 地域、国内、そして海外へと、皆さんが望めば無限に広がっていきます。学びのスタイルもまた、自分で授業を組み立て、必要な単位を修得していくなど、自発的な学びが求められます。日常生活も同様です。多くの皆さんが、慣れ親しんだ土地、そして何より親元を離れ、ひとり暮らしを始めます。掃除、洗濯、食事、金銭の管理、サークル、アルバイト、さらにはボランティア活動など、日常生活のすべてを、自分の意志かつ、自己責任で行わなければなりません。とは言え、皆さんは社会人としてはまだまだ未熟です。その未熟さにつけ込まれ、大学生が特殊詐欺などの犯罪に巻き込まれるケースが、最近、増えています。トラブルに巻き込まれた時、また奨学金や生活費、さらに健康面での不安など新生活で困った時には、ひとりで抱え込まずに、大学の相談窓口に遠慮なく相談してください。大学の主役は学生の皆さんであり、皆さんの存在で弘前大学は成り立っています。本学の教職員一同が、皆さんの学びと生活を全力で支援することを約束いたします。

いよいよ今日から、ここ弘前の地を舞台として、皆さんの新しい物語がスタートします。自主的な学びはもとより、勇気をもって様々なことに挑戦を繰り返す中で、皆さん自身の成長を実感できるような大学生活を、心から願っています。皆さんが座っている席の両隣をみてください。今、この瞬間から、偶然・必然な出会いを楽しみながら、良き師、良き友との絆をたくさん築いていってください。

最後になりますが、重ねて大きな祝意をもって皆さんを歓迎するとともに、弘前大学そして弘前市で学び・暮らす学生生活が、一人ひとりの生涯にわたる貴重な財産となりますよう、心から祈念して、入学式の告辞といたします。

令和5年4月5日
弘前大学長 福田 眞作

令和4年度大学院学位記授与式告辞(令和5年3月23日)
学長告辞

急速な雪解けとともに、まもなくこの津軽の地にも待望の春がやってまいります。新型コロナウイルス感染者の激減に伴い、4年ぶりに保護者の皆さんをここ弘前市民会館にお迎えして、令和4年度の大学院学位記授与式を挙行することといたしました。また、昨年同様、本日出席できない卒業生ならびに関係者の皆様に向けて、インターネットによる同時配信を行っています。

先ほど、修士課程、博士前期・後期課程、そして博士課程を修了された286名の皆さんに、学位記を授与させていただきました。素晴らしい研究成果を収めた皆さんに、まずは心よりお祝いを申し上げます。誠におめでとうございます。また、皆さんの学びと生活を支え、励ましてこられたご家族、友人、関係者の方々にも、教職員一同、心よりお祝いと感謝を申し上げます。皆様方もまた、修了生の旅立ちを祝福していただきますよう、お願い申し上げます。

弘前大学は、青森県唯一の総合大学として、大学院教育に力を入れることを大きな使命の一つとしています。3年にもおよぶコロナ禍のもとでの大学生活、研究環境には、さまざまな制約があったはずです。それでも皆さんは諦めずに、大学院での研究を粘り強く継続し、新たな知見を修士論文あるいは博士論文として完成させました。皆さんの研究成果の多くは、すでに弘前大学から発信された科学論文として国際的な学術誌に掲載されており、世界中の研究者から注目されています。弘前大学の研究の歴史に大きな足跡を刻んでいただいた皆さんに、心からの敬意と感謝を表します。論文にまとめあげるまでの間には、たくさんの失敗や挫折を経験し、実験計画の練り直しが求められる事もあったはずです。失敗を成功の糧とする分析・判断力、そして諦めない継続力があったからこそ、皆さんはゴールにたどり着きました。論文につながる新たな発見があったときには、苦労を重ねた研究者しか味わうことができない満足感や達成感があったはずです。そのような大学院生活での諸々の思い出がすべて詰まっているもの、それが皆さんが手にした学位記なのだと私は思います。

修士課程を終えて、これから博士課程に進学する皆さん、未踏の新しい研究テーマに向けて学び継続することになります。知的好奇心や探究心を強く持ち、これまで培った専門性を最大限に発揮した先で、再び新たな発見に出会えるよう願っています。博士号を授与された皆さん、博士号は学問の研究者としての独り立ちを証明するものです。これからどんな道を歩むにしても、博士号を持っているというプライドと同時に、学問に対する謙虚さを忘れず、常に研鑽を重ね、社会に蔓延する様々な課題の解決に向けてその力を発揮してください。企業等に就職される方が多いと思います。大学院で学んだ高度な基礎科学、応用科学、自然科学、人文科学あるいは社会科学の考え方は、今後の皆さんの社会人としての歩みを進める際に、必ずや役に立つはずです。大学院での学びを財産として、様々な困難を克服した自信を勇気に変えて、次のステージで大きく羽ばたいてください。

本日、修了される皆さんの中には海外からの留学生もおられます。言語や価値観・文化の違う異国の地での生活、そしてコロナ禍の下での研究生活には、大変な苦労があったことでしょう。それでも諦めずに研究を継続し、素晴らしい業績を作り上げた皆さんの努力を心から称えたいと思います。高めた知識や専門性と、ここ弘前大学でのさまざまな経験を財産として、次のステージで、何より母国での活躍を心から願っています。

晴れて、本日、修了の日を迎えられたのは、皆さん自身の努力の賜であることはもちろんですが、その陰でご家族や指導教員はもとより、多くの方々から未来社会の担い手となる皆さんへの大きな期待とともに、たくさんの温かい支援があったことを忘れないでください。 残念ながら、皆さんの多くはここ弘前の地を離れます。時にはコロナ禍で過ごした大学院時代を懐かしみ、そしていつの日か、学び・暮らした街:弘前の地を訪れ、母校である弘前大学にも立ち寄っていただければ幸いに思います。また、ホームページやSNSを通して、皆さんと弘前大学はいつでも繋がることができます。本学の教育研究の取組と実績、後輩たちの大学生活に関する情報など、気軽に閲覧してほしいと思います。私たちへの叱咤激励のメッセージをお待ちしています。

結びに、本日、修士あるいは博士の学位を取得された皆さんの将来が、希望に満ちた明るいものになることを心から祈念し、大学院学位記授与式の学長告辞といたします。本日はご卒業、誠におめでとうございます。

令和5年3月23日
弘前大学長 福田 眞作

令和4年度学位記授与式告辞(令和5年3月23日)
学長告辞

いつも以上に厳しかった冬も終わりを告げ、足早に待望の春がここ津軽の地に訪れようとしている中、4年ぶりに保護者の皆さんとご来賓の方々をここ弘前市民会館にお迎えして、令和4年度の学位記授与式を挙行できますこと、この上なく嬉しく思います。昨年同様、本日出席できなかった卒業生ならびに関係者の方々に向けて、インターネットによる同時配信を行っています。

まずは、卒業生の皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます。教職員を代表して心からお祝いを申し上げます。皆さんを支え、励ましてこられたご家族、ご友人、関係者の方々にも、心よりお祝いと感謝を申し上げます。皆様方もまた、卒業生の旅立ちを祝福して頂きますよう、お願い申し上げます。

大学生活の大半をコロナ禍で過ごし、学びや生活に、さまざまな困難に直面しながらも、諦めずに努力と工夫を重ね、無事に今日、卒業の日を迎えた皆さん、今、皆さんは、自分自身にどのような声をかけますか? 私たち教職員、保護者の皆さん、そして関係者の方々が、皆さんにかけたい言葉、それは「本当によく頑張った!」、そして「ありがとう!」、この二つだと思います。苦難の連続だった大学生活を振り返りながら、皆さんも自分自身を褒め称え、誇りと自信としてください。また、これまで皆さんの学びと生活を支えてくれた保護者の皆さんをはじめ、関係者の方々へ、感謝の気持ちを、ぜひとも、言葉として伝えてください。

さて、縁があって選んだ弘前大学での学び、そして弘前市での暮らしはいかがでしたか?コンパクトな街・弘前市での学生生活は、「あずましい、街ごとキャンパス」であったと思います。卒業の日を迎えた今、「弘前大学に、そして弘前市に来て良かった!」、「自分自身の成長を実感できた!」と思って頂けているのなら、皆さんをお預かりした私たち教職員にとってこんなに嬉しいことはありません。

大学生活では、研究やフィールドワーク、りんご農家等でのアルバイト、そしてこどもの修学を支援するボランティア活動など、地域との関わりを重ねる中で人の温もりを実感し、助け会いの精神とともに優しい心が、皆さんの中に育まれたはずです。また、今回のコロナ禍の3年間、全国のOB・OG、本学の教職員、および地域の団体・個人の方々から、激励のメッセージと共にたくさんのご寄附や食料の提供がありました。その寄附金を原資として、弘前大学が全国に先駆けて行った100円の昼食弁当や夕食は、皆さんの空腹を満たしただけでなく、皆さんの生活を支え、心の支えになったのではないでしょうか。第三者の善意に対する感謝の気持ちを忘れずに、今度は皆さん自身が第三者となって、困っている誰かに善意を届けられる社会人となって活躍されることを期待しています。

人生100年時代と言われています。皆さんは、大学生活を通して社会人の基礎となる土台を築きましたが、それだけで人生の荒波を乗り切れるほど単純でないことを、長い人生を経験した私たちは知っています。人生の道のりは、決して平坦でなく、曲がりくねっています。道のりの途中にはいくつもの分岐が出現し、選択を迫られる場面を数多く経験するはずです。道の選択に悩んだ時には、「より困難な道」、そして「より誰かの力になれる道」を選び、挑戦してください。直面する課題を克服したときには、大きな達成感と自信を実感できるとともに、たくさんの新たな道が、皆さんの前に開けるはずです。どうか、本学で育んだ力を自分の選んだ道で存分に発揮し、一歩ずつ着実に一人ひとりの道を切り拓いていってください。

およそ七割の皆さんは、ここ青森県から旅立つことになります。私たちはこれからも皆さんの応援団であり続けます。後に続く在校生たちの目標となるような各方面での皆さんの活躍を心から期待しています。皆さんもまた、同窓生として、弘前大学を、そして皆さんの後輩たちを、温かく見守ってくださいますようお願いいたします。もちろん、恩師や仲間と過ごした年月、キャンパス内の風景、そして弘前市での暮らしが、生涯にわたって皆さんの大切な思い出となることを願っていますが、弘前大学のホームページやSNSを時々ご覧いただき、どうか母校との縁をつなぎ続けてください。本学の教育・研究の取組・実績や、後輩たちの大学生活に関する情報に対して、叱咤激励のメッセージを届けていただけたなら、私たち教職員にとってこんなに嬉しいことはありません。そしていつの日か、コロナ禍で苦労した学生時代を懐かしみながら、母校である弘前大学にも立ち寄っていただければ幸いに思います。

結びに、本日、弘前大学を卒業される皆さんお一人おひとりが、健康で幸せな、そして希望に満ちた未来を築かれることを心より祈念して、お祝いの言葉といたします。本日は、誠におめでとうございます。

令和5年3月23日
弘前大学長 福田 眞作

令和4年度大学院秋季入学式告辞(令和4年10月3日)
学長告辞

本日、弘前大学創立50周年記念会館みちのくホールにおいて、令和4年度秋季大学院入学式を挙行できますことは、私たち弘前大学教職員にとって、この上ない喜びであります。本日入学の日を迎えられた外国人留学生6名を含む16名の皆さんに対して、教職員一同、心から歓迎の意を表するとともに、お祝いを申し上げます。ご入学、誠におめでとうございます。また、これまで皆さんを支えてこられたご家族や関係者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。

この20年間において日本の研究力が急落し、上位にあった論文数や注目される論文数などの国際的なランクが年々低下していることを、皆さんもご存じと思います。注目される論文数においては、昨年10位だった日本のランクは、スペインや韓国に抜かれて12位になったとの報道が最近ありました。その要因として、国からの研究費が他国に比べて増えていないこと、支援した研究費に見合う研究実績があがっていないこと、そして大学院に進む若手研究者の減少があげられます。そのような中、大学における高等教育を修められ、さらに最先端の研究を求めて大学院への進学を決意した皆さんの勇気ある決意を、心から賞賛するとともに、歓迎したいと思います。

皆さんは、弘前大学にとって貴重な人材であるだけでなく、未来社会にとっても大切な人材であり、社会からの大きな期待を背負って、人文社会科学や自然生命科学などの学問分野で、真理を探求する研究の道を歩むことになります。先人達が行った研究業績を踏まえた上で未知の課題を設定し、観察や実験等による事実・データを素材としつつ、自分自身の発想やアイディア等に基づく新たな知見を創造していくことになります。おそらく、皆さんの研究生活は、楽しいことよりも苦しいことの方が多いはずです。立てた目標が大きければ大きいほど、厳しさもより大きく、立ちはだかる壁もより高いことでしょう。思った成果がなかなか出なかったり、やっとの思いで成果が出ても競合相手に先を越されたりなど、苦労の多い研究生活かもしれませんが、いくつもの課題を乗り越えた経験は、間違いなく皆さんの今後のキャリアの中で活かされるはずです。

研究に携わる者が、絶対に冒してはならないことがあります。我が国でも様々な研究不正の報告が後を絶ちません。科学研究における不正行為は、科学を冒涜するだけでなく、人々の科学への信頼を揺るがし、科学の発展を妨げるものであり、絶対にあってはなりません。仮に、本学で研究不正が発生するようなことがあったなら、弘前大学への信頼は大きく失墜することになります。誠実な科学者として身につけておくべき心得を再確認し、これからの研究活動の先にどんなに厚い壁が待ち受けていたとしても、高い研究倫理観を持って誠実に真理を追究する決意を、大学院での研究をスタートする今、新たにしてください。

入学生の中には外国からの留学生もおられます。言語や習慣が異なる異国の地での研究生活には、様々な困難を伴うと思いますが、弘前大学は全学をあげて皆さんを支援してまいります。今後の研究活動が順調に成果を上げられるよう、そして本学の大学院に留学された当面の目標がしっかりと達成されるよう願っています。

終わりに、今一度、弘前大学大学院に進まれる皆さんの学生生活、研究生活が充実したものとなるよう祈念して、秋季大学院入学式の告辞といたします。 

令和4年10月3日
弘前大学長 福田 眞作

令和4年度秋季学位記授与式告辞(令和4年9月30日)
学長告辞

本日、ここ弘前大学創立50周年記念会館みちのくホールにおいて、令和4年度秋季学位記授与式を挙行するにあたり、弘前大学のすべての関係者を代表してお祝いを申し上げます。

学部卒業生12名、外国人留学生13名を含む大学院卒業生35名、計47名の皆さんを、次のステージへ送り出すことができますこと、大変嬉しく思っております。ご卒業、誠におめでとうございます。また、これまで皆さんを支えて来られたご家族の皆様、そして学生の指導にあたりました先生方にも心よりお祝いと感謝を申し上げます。

それぞれの学問分野の基礎を学び「学士」の称号を授与された皆さん、そして大学院へ進学し人類の英知の結晶というべき学問をより深く学び、「修士」や「博士」の称号を授与された皆さん、本学で学んだ知識、技術、そして経験を活かしつつ、皆さんが選択したそれぞれの分野での新たな挑戦を期待しています。しかしながら、皆さんが学んだ知識と技術が今は最先端で高度なものであったとしても、科学技術の発展はめざましく、今ある知識もすぐに陳腐なものとなるでしょう。大学あるいは大学院で学んだ知識・技術や経験だけで、その後何十年も過ごすことなど不可能なはずです。これからも学ぶ事を中断することなく、生涯を通して新しい知識の吸収を怠らないよう、励んでください。

新型コロナウイルス感染症は、2年半にもわたって社会に大混乱をもたらし、本学も例外なく大きな影響を受けました。授業・実習・研究や課外活動など、皆さんの学ぶ環境が大きく制限され、本来の学生としての活動が十分に出来なかったことと思います。辛いことの多かった大学生活だったと思いますが、想定外の事象への暴露は皆さんが持っている潜在的な長所や短所に気づくきっかけとなったはずです。とはいえ、卒業を目前に控え、新型コロナウイルス感染症による社会の大きな変容や、ウクライナ戦争をはじめとする不安定な社会情勢に、不安を覚えている方も多いと思います。ここ弘前の地で様々な課題を経験し、それを克服した皆さんなら、これから直面する諸問題に正面から立ち向かい、自ら道を切り拓き、問題解決へと導くことが必ず出来るはずです。そしてその先には、きっと素晴らしい発見や感動が待っていることでしょう。

皆さんは、本日、本学を巣立ち、社会へ旅立ちますが、これからも弘前大学コミュニティの一員として母校との縁は繋がっています。約7万人からなる同窓生が日本各地で活躍しており、皆さんの人生のどこかで大きな支えとなることがきっとあるはずです。もちろん弘前大学はそれぞれの道で活躍する皆さんをこれからも応援し続けますが、皆さんもまた同窓生として、母校である弘前大学の今後の発展を見守るとともに、後輩たちを応援くださるようお願いいたします。

卒業生の中には、海外からの留学生もおられます。言語や習慣の異なる日本で様々な困難を乗り越え学位を取得された皆さんに、心から祝意を申し上げます。皆さんが母国に戻られても、世界のどこにいても、弘前大学で学んだことを糧に、広く社会に貢献されることを願っています。

結びに、重ねて今日の日を心からお祝いするとともに、皆さんの将来が希望に満ちた明るいものになることを強く願い、学長告辞といたします。本日はご卒業、誠におめでとうございます。

令和4年9月30日
弘前大学長 福田 眞作