弘前大学
令和4年度大学院入学式告辞(令和4年4月5日)
学長告辞

降り注ぐ陽の光が、例年になく高く積もった雪を一気に解かし、ここ津軽の地の草木にも新しい息吹が感じられる季節となりました。そのような中、ここ弘前市民会館において、令和4年度の大学院入学式を挙行できますことは、私たち教職員にとって大きな喜びであります。本日、入学の日を迎えられた外国人留学生15名を含む大学院入学の352名の皆さんに対して、心から歓迎の意を表するとともに、お祝いを申し上げます。ご入学、誠におめでとうございます。

新型コロナウイルス感染状況に鑑み、今年も簡素化した入学式となっていますが、皆さんに対する私たちの祝意や歓迎の大きさが変わることはありません。この入学式の模様は、保護者の皆様や関係者の皆様に向けてライブ配信されています。ご視聴されている皆様方にも、どうか新入生を祝福いただきますよう、お願い申し上げます。

皆さんは、大学における高等教育を修められ、さらに最先端の研究を求めて大学院へ進学されました。未知の課題に挑戦する場が大学院であり、数年を研究生活に費やすこととなります。そのような場に足を進めた皆さんの勇気ある決意に、学長として心から賞賛し、歓迎したいと思います。

科学研究は、私たちを取り巻くさまざまな事象に関して、その成り立ちや理由について解明したいという、知的な好奇心や探究心がもたらす活動ともいえます。多くの先人たちのたゆまぬ挑戦によってもたらされた科学研究の発展は、近年の科学技術の発展をもたらし、社会に大きな影響を及ぼしています。このことは科学者にとって誇らしいことであると同時に、大きな責任と期待を担っているという自覚を持つ必要があります。

これから始まる皆さんの研究生活では、今まで培った教養と専門分野の知識・経験にさらに磨きをかけつつ、より高度な知識を駆使した学術研究活動が求められます。覚悟をしていると思いますが、研究には様々な困難を伴います。まずは、熱意を失うことなく継続するための強い動機付けと明確な目標をもって、研究生活を開始することがとても重要です。

研究の過程で得た実験や調査の結果を、その信憑性を確認しつつ、先人が過去に築いてきた学術や文化の体系の中に明確な価値を見出し、研究の問題点と今後の展開に関する考察を行い、学術的な論文としてまとめることによって、皆さんの研究が完了することになります。そこに至るまでの間には、失敗や計画の練り直しが繰り返されることが多いはずです。失敗を楽しむくらいの精神的な余裕と、諦めない継続力があれば必ず良い成果を得ることができると私は信じています。ただし、研究の荒野の中では、進むべき道に迷うこともあるかも知れません。広い視野、深い教養、豊かな想像力と発想力に加え、良き指導者と良き仲間からの助言を基に、自分が進むべき道を切り拓いていってください。弘前大学は地方にありますが、総合大学であり、多くの学部、研究科、そして学際的な研究センターを有する知の一大拠点となっています。異分野の研究者との交流によって生まれた世紀の大発見がいくつもあることは、皆さんもご存じと思います。皆さんには、所属する研究室の中だけでなく、積極的に学部・研究科の垣根を越えた交流をおすすめします。地方大学の研究環境は十分に恵まれているとは言えませんが、研究の成果や価値は、かけた研究費の額で決まるわけでは決してありません。本学には、「世界に発信し、地域と共に創造する」をスローガンに掲げ、国際的に高い評価を得ている研究を行っている教員が、多数在籍しています。そのような研究者の指導の下での皆さんの真摯な努力の積み重ねが、オンリーワンの研究成果として実を結び、世界へ発信されるよう、心から願っています。

科学研究をめぐっては、データ捏造・改ざんなどの研究不正行為や研究費の不正使用が生じており、報道でも取り上げられています。これらの行為は、科学を冒涜し、人々の科学への信頼を揺るがし、科学の発展を妨げるものであり、絶対にあってはなりません。仮に、こうした事態が本学で発生するようなことがあったなら、本学の科学研究への信頼は大きく失墜することになります。誠実な科学者として身につけておくべき心得を再確認し、これからの研究活動の先にどんなに厚い壁が待ち受けていようとも、高い研究倫理観を胸に、誠実に真理を追究する決意を、大学院での研究をスタートする今、新たにしていただきたいと思います。

入学生の中には海外からの留学生もおられます。異国での研究生活に不安を抱きながら、今日の入学式を迎えていることと思います。実際に様々な面でご苦労を伴うと思いますが、皆さんが弘前大学大学院に留学された当面の目標が、期間内にしっかりと達成されるよう、私たちは全学を挙げて皆さんを支援いたします。

 

結びに、今一度、弘前大学大学院に進まれる皆さんの研究生活が、健康で、実り豊かなものになるよう祈念し、大学院入学式の告辞といたします。ご入学、誠におめでとうございます。

令和4年4月5日
弘前大学長 福田 眞作

令和4年度入学式告辞(令和4年4月5日)
学長告辞

純白のふわふわとした綿雲が浮かぶ西の青空にそびえ立つ冠雪の霊峰・岩木山、大きく裾野を広げて皆さんの入学を歓迎しているかのようです。ここ弘前市民会館において、令和四年度の弘前大学入学式を開催できますことは、私たち教職員にとっても大きな喜びであります。まずは、教職員を代表して、弘前大学生となられた1,406名の新入生の皆さんに、心からのお祝いを申し上げます。皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。

新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、今年も簡素化した入学式となりますが、皆さんに対する私たちの祝意や歓迎の大きさが変わることはありません。ご家族やご来賓の方々はこの会場にはおりませんが、入学式の模様は関係者のもとへ同時配信されています。皆さんを支えてこられたご家族の皆様をはじめ、ここまで導いてくださった関係者の方々にも、心よりお祝いを申し上げます。そして、夢と希望を胸に大学生となられた新入生の皆さんを祝福いただきますよう、お願い申し上げます。

さて、およそ6割の新入生の皆さんは、青森県以外のご出身です。県名である青森を冠しない、さらに県庁所在地(青森市)でもない弘前という名を冠する唯一の国立総合大学、弘前大学がいかにして誕生したのか、その歴史を簡単に紹介させていただきます。第二次世界大戦末期の青森空襲によって、青森市にあった青森師範学校と青森医学専門学校が全焼しました。その存続を願う関係者、とくに空襲の被害を免れた弘前市の有力者の方々のご尽力によって、全焼した、この二校が弘前市へ移転し、弘前市にあった旧制弘前高等学校などを母体として、昭和24(1949)年に新制大学、弘前大学が誕生しました。このような事情もあって、弘前市長をはじめ弘前市民の皆さんは、弘前大学を心から愛し、様々な面でご支援くださっており、弘大生をいつも優しく見守ってくださっています。

新入生の皆さんは、長く苦しかった受験勉強、そしてここ2年におよぶコロナ禍を乗り越えて、今日の日を迎えることができました。ゴールを目指した他者との競争は、今回の入試でひとまず終止符を打つことになります。皆さんのこれまでの学びのフィールドは、家庭や学校、あるいは予備校が中心であり、そして受け身的な学びが中心だったと思います。大学における学びのフィールドは、家庭や大学内にとどまらず、地域、国内、そして海外へと無限に広がっています。学びのスタイルもまた、これからは能動的な学びが求められ、4年~6年という時間をどのように使うのか、皆さん自身が決めることができます。すなわち、これからの競争相手は他者ではなく、内なる自分であり、如何にして自分自身の総合力を高め、「自分の強みを発見し、なりたい自分を見つける」、そのためのとても貴重な期間となります。キャンパス内外での幅広い世代の人々、様々な職業人との出会いから得られる多様な経験を貴重な学びの機会と捉え、様々なことに積極的に挑戦する大学生活でなければなりません。そしてまた、地域に学び、地域を支えるという精神を持ちながら、積極的にボランティア活動に参加し、人間力としての「感性と共感力」を養って欲しいと思います。なぜなら、数年後の皆さんが歩み出す社会では、「他者の声を傾聴する耳」、「他者に共感し涙する目」、「感謝と喜びを伝えることができる口」、そして「他者に差し伸べることができる手」をもった人間性豊かな人材が求められると考えるからです。

皆さんがこれから暮らす街、弘前市に、皆さんはどのような印象をもっているでしょうか。長い人生の中での最も大切な4年~6年間をこの弘前大学で、そしてこの街で学ぶという皆さんの選択は間違っていないと私は思います。弘前藩の城下町として栄えた歴史と伝統のある弘前市、幸か不幸か、都会に比べると若者向けのいわゆる娯楽施設が少ないものの、自転車でどこでも行ける程度のちょうど良い大きさの街だと思います。学修環境が整備されたキャンパス内で勉学に専念でき、そして四季折々の変化に富む豊かな自然や全国的に有名なお祭り行事が身近にあるなど、皆さんのこの地での学びと暮らしは充実したものとなるはずです。今日の入学式から始まる必然的な多くの出会いを大切にして、そしてたくさんの良き師、良き友との絆を築きながら、大学生活を大いにエンジョイできるよう、心から願っています。

今日の晴れやかな入学式を迎えられたのは、皆さん自身の努力の結果であることに間違いはありませんが、ご家族や恩師をはじめとする関係者の支援がなければ成し得なかったものでもあります。感謝の気持ちを忘れずに、皆さんの夢や希望の達成に向けて真摯に努力を重ねる決意を、大学生活のスタートを切る今、新たにしていただきたいと思います。

結びに、新入生の皆さんの弘前大学での学生生活が、健康で、楽しく、実り多く、そして一人ひとりの生涯にわたる貴重な財産となりますよう、心から祈念して、入学式の告辞といたします。

令和4年4月5日
弘前大学長 福田 眞作

令和3年度大学院学位記授与式告辞(令和4年3月23日)
学長告辞

急速な雪解けとともに、ここ津軽の地も待望の春を迎えようとしています。そんな中、ここ弘前市民会館において、令和3年度大学院学位記授与式を挙行するにあたり、教職員を代表して告辞を述べさせていただきます。まずは、素晴らしい研究成果を収め、大学院の学位を取得されました皆さんに、心よりお祝いを申し上げます。誠に、おめでとうございます。

県内の新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、今年の学位記授与式も簡素化して行いますが、皆さんに対する私たちの祝意の大きさが変わることはありません。ご家族、そしてご来賓の方々と一緒にお祝いできないことは誠に残念ですが、この会場と関係者の方々とはインターネットによる映像の同時配信を通じて繋がっています。これまで皆さんを支えてこられたご家族の皆様、学生の指導にあたりました先生方にも、心よりお祝いと感謝を申し上げます。そして、関係者の皆様方にも、修了生の旅立ちを心から祝福いただきますよう、お願い申し上げます。

大学院における研究生活の中で、学位論文に結びつく新たな発見があったときの喜びと感動は、研究に携わった本人にしか味わえないものです。皆さんの中に心地よい満足感と達成感として長く記憶に残ることでしょう。一方で、学位論文をまとめるまでの過程には、思ったような研究成果が得られず、苦悶する日々もあったのではないでしょうか。これまで重ねた全ての努力は、皆さんを逞しく成長させ、これからの人生において、何かを創り上げるときの大きな原動力になることでしょう。大学院における研究活動の成果物として、本日皆さんに授与されるのは、学位記という1枚の証書でしかありません。しかしながら、「世界に発信し、地域と共に創造する」をスローガンに掲げ、常に世界を見据えている本学研究者の指導の下で完成した皆さんの研究成果の多くは、国際的な学術雑誌に掲載されています。皆さんの科学論文は、新たな発見として世界中の研究者の参考とされ、弘前大学から発信した研究業績の一つとしてこれからも生き続けます。

修士課程を修了して博士課程に進学する皆さん、これまで以上に研究者として知的好奇心と探究心を持ち続け、人類が直面する課題を解決するための研究テーマに、勇気をもって挑戦することを期待しています。また、修士課程あるいは博士課程を修了し、企業等に就職される皆さんには、明るい未来社会を創造するリーダーとして活躍されることを心から期待しています。しかし、これから皆さんが踏み出す社会には、新型コロナウイルスなどの新興感染症、地球温暖化、そしてロシアのウクライナ侵攻に伴うグローバルな経済危機などの世界共通の課題に加えて、人口減少問題や超高齢化社会の到来といった日本特有の課題が山積しています。このような複雑で混沌とした時代には、深い知性とともに広い視野に立ってリーダーシップを発揮できる豊かな人間力が求められます。創造的に物事を考える能力である「知性」は、皆さんが研究成果を求めて努力する過程で磨かれたはずですが、この「知性を磨く」という行為は、大学院修了をもって終わりではありません。研究活動で培った知恵と経験を駆使して、新しい環境の中で見つけた新しい課題に取り組む中で、皆さん自身の知性を磨き続けてください。

本日、修了される皆さんの中には海外からの留学生もおられます。異国の地、そして2年にもおよぶコロナ禍の下での研究生活には、大変な困難を伴ったはずです。諦めることなく大学院を修了され、学位を取得されましたことに敬意を表するとともに、心から皆さんの努力を称えたいと思います。弘前大学で学ばれた知識や経験を力に、次のステージで、何より母国での活躍を心から願っています。そして、いつの日か、母校・弘前大学を懐かしみ、本学を訪れていただけたなら、こんなに嬉しいことはありません。

晴れて、本日、修了の日を迎えられたのは、皆さん自身の努力の賜であることに間違いありませんが、ご家族や指導教員、共に学んだ先輩・後輩、そして何より地域の方々から、コロナ後の社会の担い手となる皆さんへの期待とともにたくさんの温かい支援があったことを忘れないでください。これからも、多くの方々が皆さんの活躍を期待し、応援しているはずです。弘前大学も皆さんの将来を見守り、応援し続けます。皆さんにも是非、弘前大学の同窓生として、弘前大学を、そして皆さんの後に続く後輩たちを応援していただきますよう、お願いいたします。

終わりに、本日、修士あるいは博士の学位を取得された259名の皆さんお一人おひとりの、今後のご健勝とご多幸を心からお祈りして、告辞といたします。

令和4年3月23日
弘前大学長 福田 眞作

令和3年度学位記授与式告辞(令和4年3月23日)
学長告辞

厳しかった津軽の冬も終わりを告げ、待望の春が訪れようとしています。そんな中、本日、ここ弘前市民会館において、令和3年度の学位記授与式を開催するにあたり、教職員を代表して、卒業生の皆さんに、お祝いを申し上げます。ご卒業、誠におめでとうございます。

県内の新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、今年の学位記授与式も簡素化して行いますが、皆さんに対する私たちの祝意の大きさが変わることはありません。ご家族、そしてご来賓の方々を会場にお招きできないことは誠に残念ですが、授与式の模様は関係者のもとへ同時配信されています。これまで皆さんを支えてこられたご家族の皆様、学生を指導いただきました先生方にも、心よりお祝いと感謝を申し上げます。そして、卒業生の旅立ちを心から祝福いただきますよう、お願い申し上げます。

国内で新型コロナウイルス感染者が初めて確認されたのは令和2年1月、社会に出る前の皆さんの貴重な2年間はコロナ禍とともにありました。日々の学びや大学生活が大きく制約され、たくさんの苦労があったことと思います。そんな中でも諦めずに努力を重ね、今日の卒業の日を迎えられた皆さんに、まずは心からの感謝と敬意を表します。ありがとうございました、そして、皆さん本当に良く頑張りました。

いまだ収束の目処が立たない新型コロナウイルス感染症、地球温暖化による干ばつ・豪雨や先週起こった地震などの自然災害、そしてロシアのウクライナ侵攻に伴うグローバルな経済危機など、複雑で予測が困難な社会変化が起こっている中、皆さんは自分の選んだ道を歩き始めます。その道はまっすぐで平坦な道とは限らないはずです。そのような皆さんへ、「寧静致遠」という言葉を紹介したいと思います。三国志の「三顧の礼」に出てくる諸葛亮孔明が病気で亡くなる際に、自分の子供にこの言葉を書き残したとされています。「安らかな心で、誠実な努力を積み重ねなければ、遠くにある目標には到達できない」という意味であり、諦めずに努力を続けることの大切さを伝えたものです。コロナ禍の下での学びと大学生活を経験した皆さんには、困難な未来を切り拓くための基礎は十分に備わっているはずです。待ち受ける課題へ挑戦し、乗り越えることで、皆さんの前にいくつもの新たな道が拓けることでしょう。社会からの大きな期待を自覚しつつ、努力に努力を重ねた先で、皆さんの目標や夢が達成されるよう、心から願っています。

一方で、重ねた努力が必ずしも描いていた結果に結びつかないことが多々あります。北京オリンピックで、女子スキージャンプをご覧になった方も多いと思います。高梨沙羅選手は、本学の大学院生でもあります。男女を通じて最多のワールドカップ61勝という輝かしい実績をもって臨んだ彼女の3度目のオリンピックは、表彰台に立つことなく幕を閉じました。常に結果が求められるトップアスリートにとっては、「10年以上にもわたる彼女の努力が報われなかった」ということになるのかも知れません。しかしながら、混合の団体ジャンプ1回目で失格、それでも目に涙を浮かべながら諦めずに2回目に臨み、失意のどん底の中で飛んだ98.5mの大ジャンプ、これは彼女が重ねた努力が起こした奇跡であり、努力が報われた瞬間であったと私は思います。メダル以上の大きな感動に胸を熱くし、続けた努力は何らかの形で報われることを私たちは教わりました。オリンピック後のワールドカップで2勝するなど復活を遂げた高梨沙羅さん、遠征先のドイツから皆さんへのメッセージを届けてくれました。後ほど紹介いたします。

さて、皆さんの弘前大学での学び、そして弘前市での暮らしはいかがでしたでしょうか。皆さんが学んだ街、弘前市は、歴史と伝統があり、文化の薫りが高く、物価や家賃が安く、そして治安の良い学園都市であったと思います。西側に大きく裾野を広げる霊峰・岩木山や四季折々の市内の風景、そして全国的なお祭りなど、皆さんの大学生活に安らぎと賑わいを与えてくれたのではないでしょうか。また、コロナ禍の下での地域の課題に主体的に向き合った経験、大学で知り合った友人・先輩・後輩・皆さんをサポートしてくれた教職員とのふれあい、課外活動、(オンライン)海外留学、そしてアルバイトやボランティア活動の中で知り合った地域住民との様々な出会いなど、地方にある総合大学ならではの学びを通して、皆さん自身が成長を実感できた大学生活であったでしょうか。縁があってこの弘前の地で、そして弘前大学で学んだ年月が、皆さんの生涯にわたる大切な思い出となったなら、こんなに嬉しいことはありません。

卒業生のおよそ7割の方は、本学を巣立ち、社会へ、そして広く世界に向けて旅立ちますが、これからも弘前大学コミュニティの一員として母校との縁は繋がっています。約7万人からなる弘前大学同窓生が日本各地で活躍しており、皆さんの大きな支えとなることがきっとあるはずです。弘前大学はそれぞれの道で活躍する皆さんをこれからも応援し続けますが、皆さんもまた、母校である弘前大学の今後の発展を見守るとともに、後輩たちを力強く応援してくださるよう、お願いいたします。そして、2年にわたってコロナ禍の制約を受けた皆さんには、折りに触れ母校を訪れていただき、キャンパス内や弘前市内を散策しながら、十分にできなかった師弟との絆や学友との友情を深める、そんな日が来ることを願っています。

本日、皆さんが今日の卒業式を迎えることができたのは、皆さん自身の努力だけで成し得たものではありません。ご家族や友人、全ての教育課程でお世話になった教職員の皆さん、そして地域の方々に対する感謝の思いと、その方々からの期待・応援に応えるという覚悟を胸に刻み、将来、「困っている他の誰かの支えとなれるような社会人」へと成長することを心から期待しています。

終わりに、本日、弘前大学を卒業される皆さんの今後のご健康とご多幸を心からお祈りするとともに、重ねて皆さんの未来が輝かしいものになるよう願い、令和3年度学位記授与式の告辞といたします。本日はご卒業、誠におめでとうございます。

令和4年3月23日
弘前大学長 福田 眞作

令和3年度秋季入学式告辞(令和3年10月1日)
学長告辞

昨年から続く新型コロナウイルス感染症は未だ終息の目処が立っておりません。そのような中ではありますが、ここ弘前大学創立50周年記念会館みちのくホールにおいて、令和3年度大学院秋季入学式を挙行できますことは、私たち弘前大学教職員にとって大きな慶びであります。本日入学の日を迎えられた外国人留学生9名を含む大学院入学の17名の皆さんに対して、教職員一同、心から歓迎の意を表するとともに、お祝いを申し上げます。

皆さんは、人文社会科学や自然生命科学などの学問分野において、真理を探求する研究の道を歩むことを選択されました。まずは、その勇気ある決断に敬意を表したいと思います。21世紀に入り、社会は大きく変貌し、科学技術も予想を超えるスピードで進化しています。とくに、ここ数年は、かつての常識が通用しない出来事や、それぞれの学問分野において明らかにしなければならない新たな課題がたくさん出現しています。これから皆さんは、自らの領域で未知の課題を設定し、先行研究を踏まえ、観察、実験、調査などで明らかになった事実やデータを元に、新たな命題を修士論文や博士論文として、体系的・論理的にまとめあげることになります。皆さんが選択した課題は、決して易しいものはなく、おそらくは失敗や試行錯誤の連続だと思います。強い覚悟とチャレンジ精神を抱いて、いま入学式に臨んでいると思いますが、研究への熱い情熱をもって課題や問題に真摯に向き合うことで、必ず道は開けると私は信じています。そしてまた、いくつもの困難を乗り越えた経験は、皆さんの今後の人生の中で間違いなく活かされるはずです。

さて、これから研究に携わる皆さんにお願いがあります。昨今、我が国でも様々な研究不正が報じられています。科学研究における不正行為は、科学を冒涜し、人々の科学への信頼を失墜させ、科学の発展を妨げるものであり、絶対あってはなりません。大学院生もまた教員と同じ研究者の一員だという自覚をもち、幾多の困難が皆さんを待ち受けようとも、高い研究倫理観を胸に、誠実に真理を追究することを誓ってください。

入学生の中には外国からの留学生もおられます。留学先として我が国を、そして弘前大学を選択されたことに感謝し、留学生の皆さんを大いに歓迎したいと思います。皆さんの学問に対する情熱が十分に発揮され、本学の大学院に留学された当面の目標がしっかりと達成されるよう願っています。皆さんにとって、異なる言語、文化、習慣のもとでの大学生活が始まります。本学には、日本語教育をはじめ、生活支援や就職支援など、留学生に対する様々な支援が準備されています。皆さんのキャンパスライフが一日も早く軌道に乗るよう、積極的に様々な支援をご活用ください。また、留学生の皆さんには、本学の日本人学生との積極的な交流をお願いしたいと思います。キャンパス内での皆さんとの交流は、本学の日本人学生の国際コミュニケーション能力と多文化理解の向上に繋がると考えるからです。どうぞ、よろしくお願いいたします。

終わりに、大学院においてさらなる学問を追究すべく決心された皆さんに、今一度、敬意を表するとともに、大学院生としての皆さんの日々が、充実したものになるよう心から祈念して、令和3年度大学院秋季入学式の告辞といたします。ご入学、誠におめでとうございます。

令和3年10月1日
弘前大学長 福田 眞作

令和3年度秋季学位記授与式告辞(令和3年9月30日)
学長告辞

本日、ここ弘前大学創立50周年記念会館みちのくホールにおいて、令和3年度秋季学位記授与式を挙行できますことは、私たち弘前大学教職員にとって大きな慶びであります。秋の学位記授与式は卒業生や参列者も少なく、華やかさに欠けるかもしれませんが、皆さんに対する私たちの祝意の大きさが変わることはありません。22名の学部卒業生の皆さん、28名の大学院修了生の皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます。弘前大学を代表して、心よりお祝いを申し上げます。また、これまでの皆さんの学びを支え、励ましてくださったご家族、友人、そして関係者の方々にも心からお祝いと感謝を申し上げます。

皆さんの数年間の日々の積み重ねの努力が実を結び、今日のこの日を迎えられたものと思います。特に、この1年半は、新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄され、日々の研究や実習が制約される大変な環境の中で、諦めずに研鑽を重ねた皆さんに対して、惜しみない賛辞を送りたいと思います。皆さん、本当に良く頑張りました。

皆さんは、弘前大学で多くのことを学び、様々な経験を重ね、その能力を高めるとともに、人間的な成長を感じていることと思います。自らの成長を信じて、自信をもって社会へ羽ばたいてください。また、大学院修了生の皆さんは、修士論文あるいは博士論文を完成させるという大きな目標をクリアされました。幾多の課題を乗り越えた自信を胸に、磨いた専門的な能力を社会の中で、あるいは次の博士課程の中で大いに活かしてください。

さて、時代は平成から令和へと移りましたが、皆さんがこれから飛び込んでいく社会は、10年先や20年先の未来を予測することが非常に難しい、不確実な時代に入っています。人口減少・少子高齢化、人生100年時代、グローバル化の進行、新型コロナウイルスのような新興感染症の流行、地球温暖化による自然災害の頻発、働き方改革、さらにはAIやIoTの普及による新たな産業革命の到来など、複雑な社会変化が皆さんを待ち受けています。そのような困難な時代をたくましく生き抜くとともに、自らが選んだそれぞれの分野で培った能力を最大限に駆使して、社会の課題解決や発展に貢献することを期待しています。

卒業生・修了生の皆さんは、今後は約7万人もの弘前大学の同窓生の仲間入りをされます。70年余の本学の歴史にとって、卒業生は最高の宝であり、かけがえのない財産であります。新たな「出発(たびだち)」の時を迎えられた皆さんが、伝統ある弘前大学の同窓生であることに誇りを持ち続け、今後も大きく飛躍されることを祈念いたします。弘前大学は、それぞれの道で活躍する皆さんをこれからも応援し続けます。皆さんもまた、これからは同窓生として弘前大学を力強く応援してくださるよう、お願いいたします。

本日、皆さんが学位を取得できたのは、自身の努力だけで成し得たものではありません。ご家族や友人、これまでお世話になった学校・大学の教職員、ならびにお世話になった地域の皆さんに対する感謝の思いを忘れずに、今後の努力の糧としてくださるよう願っています。

終わりに、本日、学位を取得された皆さんの今後のご健康とご多幸を心からお祈りするとともに、皆さんの未来が輝かしいものになることを切に願い、令和3年度秋季学位記授与式の告辞といたします。本日はご卒業、誠におめでとうございます。

令和3年9月30日
弘前大学長 福田 眞作