研究活動の不正行為に関する調査結果について
2017.11.15
お知らせ
『研究活動の不正行為に関する調査結果について』
本学の元医学部教授が筆頭著者である論文14本に研究不正行為があったことが認められました。研究者は、科学研究の成果の正確さや正当性を科学的に示す最善の努力をはらわなくてはなりません。このたび、調査対象の研究論文14本に不正が認定されたことは、社会からの信頼を損なうことです。調査結果を真摯に重く受け止め、深くお詫び申し上げます。
これまでの経緯と調査結果概要については以下のとおりです。
1.告発内容及び経緯
元弘前大学医学部教授(平成12年11月~平成15年3月に在職)の7本の論文取り下げが平成28年6月~9月にマスコミ等で報道されたことを受け、本学で予備調査(平成28年10月12日~平成29月2月1日)を行いました。
さらに、平成28年11月11日に匿名のメールにより弘前大学及び文部科学省に対して研究不正に関する告発がありました。被告発者は、元医学部教授及び共著者であり、その告発は平成28年11月9日にNeurology 2016; 87: 1-12に掲載されたレポートに基づくもので、上記の研究者による33本の論文には捏造、改ざんの疑いがあることを指摘したものです。この告発についての予備調査(平成28年11月28日~平成29年2月1日)と前述の予備調査を合わせた本調査委員会を平成29年3月1日に設置し、関係者へのヒアリング及び書面調査によって調査を行いました。
2.本調査の体制、調査方法、調査結果について
(1)調査委員会における調査体制
外部委員3名
(2)調査の方法等
1)調査対象者 元医学部教授と共著者26名
2)調査対象論文 元医学部教授が筆頭著者の論文 計38本
3)関係者へのヒアリング及び書面調査
(3)本事案に対する本調査委員会の調査結果
1)元医学部教授が筆頭著者として発表した調査対象論文38本のうち、14本に研究不正があったと
認定しました。不正理由は、「捏造」かつ「不適切なオーサーシップ」が13本、
「盗用」が1本です。
2)今回の調査対象論文における、 筆頭著者である元医学部教授以外の共著者に関しては、全員、
研究不正への関与は全くなく、 研究内容に関して責任を負うべき立場にはなかったと
認定しました。
3.調査結果に対する対応等について
調査結果を受け、本学では、不正認定論文14本のうち、取り下げられていないものについて、各ジャーナルに対して論文取り下げの依頼を行う予定です。また、文部科学省、調査対象者、その所属機関、不正論文の内容に関係する日本の主な学会等、関係機関や関係者に対して、調査結果を通知します。
責任を負うべき立場である元医学部教授は、既に本学を退職しており、また共著者は、研究不正に関与していないとの認定にそって判断し、本学における処分対象者はおりません。
4.今後の改善策
本学では、平成19年より研究不正に対応する責任体制の明確化や研究活動の不正行為を防止するための組織体制の強化を図ってまいりました。平成27年からは、全教職員に研究倫理教育の受講を義務づけております。
今後も引き続き、研究倫理教育の徹底、公正な研究活動推進の取り組みを実施し、社会からの信頼回復に向けて、全力で努力する所存です。