弘前大学

白神自然環境研究センター 中村剛之教授の研究グループがブックレット「白神山地の蛾250(4)」を出版しました

2023.03.10

ブックレット「白神山地の蛾250(4)」~「白神山地から1000種の蛾を確認~

本件のポイント

白神自然環境研究センター(以下、センター)中村剛之教授の研究グループは、市民研究家の協力の下、2018 年から5年間において白神山地から1000 種の蛾を確認しました。
この成果は、センターが出版するブックレットで250 種ずつ紹介され、この度、4冊目が出版されました。

本件の概要

センターでは、白神山地の生物多様性の解明を研究活動の柱の1つとしています。なかでも、種数の多い昆虫類は重要な調査対象です。
蛾類の多くは幼虫の時期に植物を食べて育つため、蛾の多様性は植物の多様性をダイレクトに反映しています。また、蛾は飛翔性が高く、環境の変化に敏感に反応して分布を変えることが知られています。
生物多様性と環境の変化を理解する目的で、センターでは2018年から白神山地の蛾類に焦点を当て、市民研究家と協力して調査を行っています。
これまでに大型蛾シンジュサン(2022年8月にプレスリリース)をはじめとする多くの蛾を青森県で初めて確認したり、温暖化の影響と考えられる南方系の種の分布拡大を確認するなど多くの発見がありました。

この成果は、種の確認ができたものから250種ずつまとめてブックレットを作成し、全ての種を写真で紹介してきました。この度(2023年2月)、2022年までの調査をまとめ、4冊目となるブックレットを出版し、総計で白神山地から1,000種の蛾を確認、紹介することができました。
過去の調査で白神山地から記録されていた蛾はおよそ600種でしたから、それを大きく超える成果です。5年という短期間で1000種の蛾を確認できた事は、白神山地の森林植生の豊かさを示すものです。この調査結果は白神山地を知る上での基礎資料として活用されます。なお、この調査は今後も継続されます。
ブックレット「白神山地の蛾250(1)から(4)」は非売品ですが、入手を希望される方には無料で配布しています。

ブックレット
ブックレット

お問い合わせ先

農学生命科学部附属白神自然環境研究センター
TEL:0172-39-3707
Email: dhalma(at) hirosaki-u.ac.jp ※ (at) は @ に置き換えて下さい
HP:https://nature.hirosaki-u.ac.jp/shirakami/