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平成26年度秋季学位記授与式告辞(平成26年9月30日)

平成26年度秋季学位記授与式告辞(平成26年9月30日)

 秋色麗しいこの日に、ここ弘前大学事務局大会議室において、平成二十六年度秋季学位記授与式を挙行するにあたって、告辞を述べさせていただくことは私にとって大きな喜びとするところであります。

 まずもって、この度、学位を取得し、大学を卒業される皆さん、あるいは大学院を修了される皆さんに心よりお祝いを申し上げます。皆さん、おめでとうございます。皆さんのこれまでの努力を大いに称えるとともに、学びの成果を、今後それぞれの立場で最大限に活かして下さることを願っています。皆さんお一人おひとりにとって、今日まで学び続けてきたこと自体は、それほどの感慨を喚起するものではないかもしれません。しかし、私は繰り返し皆さんの努力に最大の敬意を表する一方で、皆さんが今日の日を迎えることをできたのは、ご家族はもとより、社会の大きな支援の賜物でもあることを忘れないでいただきたいと願います。

 さて、私たちを取り巻く現在の社会は、地球規模での大きな課題を数多く抱えているという点において、歴史上際立った状況にあるのではないかと思います。地球温暖化をはじめとする環境の問題、新たな感染症をはじめとする疾病の蔓延、人種・宗教・領土・資源などを巡る国内および国家間の争い、課題はあらゆる分野に及び、しかもそれぞれが複雑に絡み合って、対応を難しくしているように思われます。また、我が国をはじめ、多くの先進国にあっては、人口の少子高齢化は近い将来の重大な問題です。これらの問題を前にして、私たちの多くは無力を感じざるを得ないのですが、だからと言って、それらが私たちには無関係な世界の出来事では決して無いはずです。例え私たち個々の仕事が、これらの問題に直接関わることはないにしても、それらが私たちに無関係であるはずはありません。弘前大学における教育研究活動も、間違いなく、世界的課題に結び付いています。これらの問題に直面して、私たちがなすべきことが何であるかは、直ちに答えの出るわけではありませんが、少なくとも私たちは、世界の現在的課題を強く意識することが必要であり、その上で、皆さんはそれぞれの果たすべき役割を全うすることが求められるのです。皆さんが今後の社会で直面する課題は、多くの場合、明確な答えは無い場合が多いかと思います。既に皆さんは、大学あるいは大学院において、そのような経験を積んできたこととは思いますが、今後はますます、正解の無い問題の解決に、全力を挙げて取り組むことが大切です。

 皆さんは、我が国の、あるいは世界の将来を担うべき貴重な存在です。大学の授業のみならず、学生生活全般を通して、これまで学んできたことを最大限に活かし、あくまでも社会への貢献を目指す人になっていただきたいと願っています。そのことこそが、皆さんの責務であり、社会への恩返しでもあります。

 確かに、学問の最大の目的は学問の発展そのものにあるという考え方にも私たちは耳を傾けなければなりません。少なくとも、一部の学問においては社会との現実的つながりが意識されにくい場合もあるかと思いますが、そこで重要なのは学問との関連における「社会」という言葉の概念です。産業や経済は間違いなく社会の重要な要素ですが、すべてではありません。強いて言葉に表現するならば、ここで言う「社会」とは「国民」のことであるという理解が正しいのかもしれません。皆さんは、自らと多くの人々の幸福のために努力する意識を忘れないでいただきたいと、切に願います。

 そのためにも、皆さんには健康で活躍していただくことが必要ですが、しかしなにより、あらゆる価値観を超えて、皆さんの、今後のご健康とご多幸を心から祈って、平成二十六年度秋季学位記授与式にあたっての告辞と致します。

平成26年9月30日

弘前大学長 佐藤 敬

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