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平成24年度入学式告辞(平成24年4月3日)

平成24年度入学式告辞(平成24年4月3日)

長く厳しかった冬もようやく去って、津軽の地にも待望の春を迎えることができました。本日、ここ弘前市民会館において、ご来賓の方々やご家族、その他多くの方々のご臨席の下に、平成二十四年度の入学式を挙行することは、私たち弘前大学教職員にとって大きな喜びとするところであります。私個人にとっては、学長として初めての入学式であり、ここで告辞を述べることを光栄に思うとともに、この日を長く記憶に留めることと思います。
この入学式では、新入生1,424人の皆さんに、なによりも先ず、心からの歓迎の意を表するとともに、お祝いを申し上げます。皆さん、入学おめでとうございます。そして、私たちと共に学び、この伝統ある弘前大学の歴史を引き継いでくださる一人となっていただいた皆さんに、お礼を申し上げたいとも思います。
私は常に、弘前大学の主役は学生の皆さんであり、弘前大学生あっての弘前大学であると考えています。このことにはさまざまな意味が含まれていると思いますが、皆さんには、主役に相応しい大学生生活を送っていただくよう願っています。そして、現在大きな話題になっている、大学の秋入学や国際化についても、学生を中心とした教育の在り方の視点で考える必要があると思います。これらの問題は、大学教育の根幹に関わる問題であり、既に入学を果たした皆さんにとっても重要です。特に秋入学は、大学内にとどまらず、広い範囲にさまざまな影響を及ぼすと思われますが、そのような議論の本当の意味は、単に入学時期の問題ではなく、大学教育の在り方が問われているものと理解する必要があります。
言うまでもなく、大学は高等教育の場ですが、言い換えると際限のない学問の場であると言って間違いないと思います。従って、大学の主役である皆さんには、学問に対して際限なく挑戦していただきたいと望んでいます。学問の素晴らしさは、無限の広がりと深みにあります。皆さんは、これまでより何倍も長い今後の人生の中で、多くの機会を利用して学び続けることができますが、大学における学問は、自ら学び続けることが求められている皆さんの人生の一時期に過ぎないのです。
弘前大学は学生教育を重視する大学でありたいと念じてはいますが、学問の発達した現代にあって、残念ながら私たち大学教員は、例え自分の専門領域であっても、そのすべてを皆さんに教えることはできません。したがって、皆さんには自ら課題を見出し、自らその解決に取り組む姿勢を育んで頂くことが重要です。しかも、学問の現在の姿は、直ぐに過去のものになってしまうほど、日々進歩しています。皆さんは、これまでの学問の教えるところを、いずれは超えて、新たな体系を打ち立てる作業に参加する宿命を背負っていると言っても過言ではありません。私たちは皆さんの学問を手助けできれば幸いであり、そのことをもって、私たちの役割も全うされるものと思っています。
皆さんはこれまでも大きな努力を払い、その成果として本日の入学式を迎えることができました。しかし、学問の世界は皆さんの眼前に茫漠として横たわっており、また、大学生活の先にこそ、本格的学問の世界が待っているとも言えます。そのことを強く意識して学生生活を送っていただくよう願っています。当然のことながら、学びの機会は大学での授業以外にもたくさんあります。皆さんは、それぞれの学部、学科等において、それぞれの専門的学問を目指してして入学したとは思いますが、専門的知識や技術を学ぶと同時に、教養教育、あるいは一見して専門とは関係が無いと思えるような授業や、その他、諸々の事柄にも興味を持ち、広い視点で自らを育んで行くことが重要です。皆さんは今後の社会のリーダーとなるべき人たちであり、そのために必要のない学問など、おおよそあり得ないのです。今日この入学式の機会に、皆さんが、多くのことに興味を持ち、多くの経験を通して学ぶという姿勢をもって学生生活を送ってくださるよう、決心を新たにしていただいきたいと願っています。
日本社会の今後を担うべき皆さんの大いなる可能性に期待するとともに、弘前大学における皆さんの学生生活が健全で楽しいものになるよう祈念して、入学式の告辞といたします。

平成24年 4月 3日
弘前大学長 佐藤 敬

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