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平成26年度入学式告辞(平成26年4月8日)

平成26年度入学式告辞(平成26年4月8日)

 長く厳しかった冬も去り、津軽の地にもようやく本格的な春を迎えることができました。そんな中、本日ここ弘前市民会館において、多くのご来賓やご家族のご臨席の下に平成二十六年度の入学式を挙行するにあたって、告辞を述べさせていただくことを大変喜ばしく思います。新入生の皆さんに心からお祝いを申し上げます。皆さん、入学おめでとうございます。弘前大学は、旧制弘前高等学校や青森師範学校、弘前医専などを母体に、一九四九年に新制大学として再出発してから六十五年を経ましたが、その伝統ある弘前大学の歴史を引き続き担っていただくことになった皆さんに感謝するとともに、心から歓迎します。

 さて、世界は常に変化しつつあり、一方で私たちの日常は、ともすれば、そのことを意識するのに適していないかと思います。恐らく歴史の流れの中には、節目となった時期がいくつかあるものと思いますが、現在の私たちもそのような時期に生きているのではないでしょうか。発生から三年を経た東日本大震災の経験は世界レベルで問題を提起し、考えるべきことはいまだに数多くあります。また、現在の世界政治秩序の基本的枠組みは混沌としたままで、私たちの生活に大きな影響を及ぼすエネルギー確保と地球温暖化の問題は未解決です。そんな中で、私たちを取り巻く世界は毎日のように大きく変化し続けており、私たちが停滞するとすれば、それは後退を意味します。私たちも日々新しくならなければなりません。もちろんこれまでも、皆さんは常に成長し大きく変わってきましたが、大学生になる今日を境に、より一層変わっていただきたいと願っています。

 先ずは、自分で勉学を進めるよう変わることが最も重要です。高等学校においてもそのような経験を経てきたとは思いますが、大学生の生活は、学びの場も中味も、また生活そのものも、以前より自由度が大きくなることは間違いありません。個々人の学問は、既に確立された物事をなぞることから始まるのは当然ですが、いつまでもそこにとどまっていては、発展はありません。皆さんは、やがては、現在の学問を超えてさらに発展させることを担う人たちです。大学の授業内容を超えて、そして大学生の良い意味での自由度を大いに活用して、自ら勉学を進めることを直ぐにでも始めるよう心掛けて下さい。

 また、学生生活の中で多様な経験をしてもらいたいと切望しています。弘前大学には、多様な学問に携わる多くの教員が在籍しています。皆さんには、それらに接することを通して、多様な価値観を知っていただきたいと思います。ごく一部であるとは思いますが、一見華々しく見える学問の本当の価値に疑問が生じる場合もあります。皆さんは、自ら真の価値判断を下す能力を身に付けて、社会で活躍するリーダーに成長していただくことが必要です。また、大学内では、さまざまな課外活動が学生の自主的運営によって実施されています。是非、課外活動にも積極的に参加し、それらの取組の中でさまざまな課題に直面することによって、貴重な経験をたくさん持ってくださるよう願っています。そのこと自体が、大学生としての勉学の一環でもあります。

 弘前大学生の勉学や学生生活に対しては、弘前市をはじめ、地域から物心両面で大きな支援をいただいています。また、弘前市は馥郁たる文化と歴史を有し、恵まれた自然にも囲まれています。皆さんは、この弘前市において学生生活を送られることを感謝し、勉学に励み、そしてやがてその成果を社会にお返しすることを目指していただきたいと思います。

 我が国はこれまで世界が経験したことのない少子高齢化社会を迎えつつあり、その意味で皆さんは我が国の未来を担うべく期待される宝です。しかしながら、そのことに慢心するのではなく、むしろそのことを重く受け止め、我が国の未来を力強く担う人に成長していただきたいと思います。そして、大学において学問を続けることのできる幸福を忘れず、真摯な努力を積み重ねて下さるよう願って止みません。

 結びに、重ねて大きな祝意をもって皆さんを歓迎するとともに、弘前大学における皆さんの学生生活が楽しく健全なものになるよう祈念して告辞と致します。

平成26年 4月 8日
弘前大学長 佐藤 敬

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