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平成28年度入学式告辞(平成28年4月5日)

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 例年に比べて暖かな冬が足早に去り、津軽の地にも穏やかな春を迎えることができました。そんな中、本日ここ弘前市民会館において、ご来賓やご家族、その他多くの方々のご臨席の下に、平成28年度の入学式を挙行できますことは、私たち弘前大学職員にとって大きな喜びとするところであります。第一部では、人文社会科学部と教育学部の新入生453人の皆さんに(第二部では、医学部、理工学部、農学生命科学部の新入生933人の皆さんに)、先ずは心から歓迎の意を表するとともに、お祝いを申し上げます。皆さん、入学誠におめでとうございます。
 弘前大学は1949年、昭和24年に新制大学として出発してから今年で67年目を迎えました。そして、この伝統ある弘前大学の歴史を引き継いで下さることになった皆さんに、お礼を申し上げたいとも思います。新制弘前大学が設置されたのは、太平洋戦争後に我が国の教育制度が一新されて間もない頃の出来事でしたが、元をたどると、弘前大学の歴史は、1876年、明治9年に創設された青森県小学師範学校まで遡ることができ、今年は140周年にあたります。その後創設された青森師範学校、青森医学専門学校と、弘前にあった旧制弘前高等学校などが母体となって、新制弘前大学となったものです。それは、青森にあった師範学校や医学専門学校が太平洋戦争による空襲で焼け落ちて廃校の危機を迎えた際に、弘前市や地元の有力者の方々のご尽力により、この地に移転して存続することができたものです。その後も現在に至るまで、弘前大学は地元自治体や地域の方々の大きな支援の下に教育研究活動を展開することができました。
 また、最近になって地域の活性化や地方創生における大学の役割に期待が集まっており、本学も県内の多くの大学と共に、地域の自治体や企業、団体等と一体となって地域の人口減少や経済の後退にできるだけ歯止めをかけ、地域の活性化に貢献する取組を進めてきました。今後皆さんは、地域の方々と共に、地域の課題を題材に学習を進める機会が多くなると思いますが、弘前市の外から転入された皆さんは、弘前市民として住民登録をして、選挙権を行使するなど、この地にしっかりと腰を落ち着けた上で勉学に励んで下さるよう願っています。もちろん、大学の役割は地域のみにとどまるものではなく、大学である以上は世界を視野に入れた教育研究活動を推進していかなければなりません。しかし、今や地方にあっても世界と直結しており、地域課題に取り組むことが地域に引きこもることではありません。皆さんが多様な学びを経て得た成果を、さまざまな形で地域に還元することができれば幸いと考えています。 
 弘前大学は平成28年度から、学部の改組を実施し、教育学部生涯教育課程の廃止や、人文学部から人文社会科学部への変更と入学定員の削減、そして理工学部の自然エネルギー学科や農学生命科学部の国際園芸農学科などの新設がその主なものです。このことは、社会の一部から言われている人文社会系学問の後退ではなく、本学が地域活性化の中核的拠点としてあるべき体制を真摯に検討した結果であり、弘前大学の社会貢献を考える時、最も重要な結論であったと確信しています。皆さんは、それぞれの専門分野における知識、技能を身に付けることはもちろん、大学の授業に加えて、課外活動やボランティア活動、そして地域の人たちとの交流など、多くの経験を積むことを通して、将来力強く社会に貢献する人に育って下さるよう願って止みません。
 大学における勉学は皆さん自らが課題を意識し、自ら学ぶことが基本です。大学の授業や教員の役割は皆さんの勉学を時に支援し、時にリードするものです。与えられる課題を待つのではなく、自ら課題を設定し、教員の支援も大いに活用して積極的に勉学を進めることを忘れないで下さい。
 日本社会の今後を担うべき皆さんの大いなる可能性に期待するとともに、弘前大学における皆さんの学生生活が実り多いものになるよう祈念して、入学式の告辞といたします。

平成28年4月5日

弘前大学長  佐藤 敬

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