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平成31年度入学式告辞(平成31年4月5日)

平成31年度入学式

 津軽の地にも待望の春を迎える中、本日、ここ弘前市民会館において、ご家族をはじめ多くの方々のご臨席の下に、弘前大学入学式を挙行できますことは、私たち職員にとって、大きな喜びとするところであります。また、ご来賓の方々におかれましては、ご多忙の中ご臨席を賜り、入学式に華を添えていただきましたことに心より感謝申し上げます。大変ありがとうございます。
 この第一部では、人文社会科学部、教育学部、農学生命科学部の新入生の皆さんに(第二部では、医学部、理工学部の新入生の皆さんに)、なによりも先ず、心から歓迎の意を表するとともに、お祝いを申し上げます。皆さん、ご入学おめでとうございます。
 弘前大学は今年、創立七〇周年を迎えますが、新入生の皆さんには、この弘前大学の歴史を担っていただくことになったわけでもあり、本学の伝統をしっかりと受け継いでくださるよう願っています。それは皆さんお一人おひとりが、やがて社会で活躍することを目指して、学生生活において、しっかりと自らを育むことに他なりません。
 さて、現在の弘前大学の歴史は、第二次世界大戦後に我が国の教育制度が一新され、新制大学として再スタートした一九四九年、昭和二四年に始まっており、我が国の国立大学の多くが今年七〇周年を迎えています。しかしながら、新制弘前大学の母体の一つとなった青森県師範学校は一八七六年、明治九年に設立されており、本学の歴史は一四〇年を超えているとも言えます。師範学校に加えて、その後設立された青森医学専門学校など、青森市にあった高等教育機関が終戦間近の空襲で焼け落ちた後、弘前市に移転することで存続し、以前からあった旧制の官立弘前高等学校と一緒になって、新制弘前大学が総合大学として発足しました。弘前大学は青森県唯一の国立大学ですが、それが県都にはないという例外的な事実は、このような歴史によるものです。弘前大学として存続したのは、弘前市をはじめ、地域の多大なご支援の下に実現したことであり、また、一九五一年、昭和二六年に、現在の農学生命科学部の前身となった文理学部農学科が開設された際にも、地域から大きな支援をいただきました。このように、大学設立後も地域のお力添えによって、発展を遂げてきたという経緯があります。
 私たちは弘前大学のこのような歴史を忘れてはならないと思っていますが、もともと本学は地域と共に歩む大学を目指してきました。約二〇年前に、当時の吉田豊学長の下、「世界に発信し、地域と共に創造する」というスローガンが定められています。具体的には、例えば、皆さんが学ぶカリキュラムには、この地域の課題に関するテーマが盛り込まれています。研究も、すべてではないものの、地域の産業振興につながる成果を目指して精力的に進められています。しかしながら、それらを通して皆さんが学ぶことの意義は地域に限定されたものではなく、全国、あるいは世界の何処においても通用することは間違いありません。研究も、地域との連携による成果を世界的レベルに高めていくことが、大学としての務めです。皆さんもそのような意識をしっかりと持って、学問に勤しんでいただきたいと願っています。
 皆さんが本日、この入学式を迎えられたのは、お一人おひとりの大きな努力の結果であり、そのことを大いに称えたいと思います。これまでは大学進学という明確な目標があり、また、大学での勉学の先に就職という具体的目標が見えているのは間違いありません。皆さんは、大学における学びの中から、将来に関しての目的意識を明確にして行かれることと思い、それぞれの希望に沿ったキャリアを実現していただきたいと心から願い、大学としても、しっかりと支援していくことを旨としています。しかしながら、それだけが高等教育の目標ではありません。これまで皆さんは一定の範囲の中で、ある程度、蓄積されてきた知識に限定して学んで来たのではありますが、大学における学問は最早自由で限りなく、新たなことに挑戦する可能性が大いにあります。皆さんは、本学での学生生活を経て、社会で活躍する人材に成長していくものと信じていますが、そのことを視野に入れながらも、学問に挑戦することを忘れないでいただきたいと思います。大学におけるカリキュラムにしっかりと対応していただくことは必須ですが、加えて、皆さんには自らの課題意識を持ち、それに関して自ら学びを進めることを期待しています。例え自分の専門領域と異なる学問であったとしても、或いは、むしろそうであればこそ、将来大いに役に立つ場合も多いのです。皆さんの自主的な学びに期待します。また、大学における勉学のみならず、学生生活には、これまで以上に学びの機会が数多くあるはずです。あらゆる経験を貴重な学びの機会と捉え、積極的に取り組み、自己研鑽に励んでいただくよう願っています。
 皆さんが今日の日を迎えられたのは、自らの努力の結果であることは間違いないものの、ご家族や恩師の直接的支援があったのは事実であり、また、間接的には社会全体の支援をいただいてもいます。そのことに対する感謝を忘れることなく努力を続け、また、健康に留意して、楽しく実り多い学生生活を送られるよう心から祈念して、入学式の告辞と致します。ご入学誠におめでとうございます。

平成31年4月5日

弘前大学長  佐藤 敬

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