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平成23年度大学院学位記授与式告辞(平成24年3月23日)

平成23年度大学院学位記授与式告辞(平成24年3月23日)

長く厳しかった冬も去り、本日、この陽光まばゆい春の日に、ここ弘前大学五十周年記念会館みちのくホールにおいて、平成二十三年度の大学院学位記授与式を挙行するにあたって、告辞を述べさせていただくことは私にとって大きな喜びとするところであります。
まずもって、本日大学院を修了し、学位を取得された皆さんに心よりお祝いを申し上げます。皆さん、おめでとうございます。このような形で皆さんに言葉を述べるのは、私にとって初めてのことであり、この学位記授与式を私も長く心に留めることになると思います。
皆さんは今日まで長年にわたって学問に勤しむとともに、学生生活の中でさまざまな経験を積んで来られたことに満腔の敬意を表するものでありますが、一方で、これまで皆さんが学問を続けることに対しては、社会からの大きな支援をいただいてきたことも事実であり、この機会に改めて、そのことを思い出していただきたいと思います。間違いなく皆さんは、社会からの支援と期待に応えて、大きな成果を挙げられ、そのことが本日授与される学位の本質でもあります。従って、今後はこれまでの成果を最大限に生かし、社会のリーダーとして、我が国の発展に貢献する気概を持っていただきたいと願っています。
本日皆さんは、修士あるいは博士というグレードを取得された訳ですが、そのことがグラデュエイション、即ち、学位記授与式の意味であり、決して学問からの卒業を意味するものではありません。したがって、皆さんにとっての学問は本日をもって終わる訳でないことは最も大切です。すなわち、皆さんは引き続き学ぶための資格とも言える学位を得た訳で、むしろ、これからは、これまで以上に長い期間にわたって、さらに厳しい学問の世界が待っているという覚悟を持って、今後も学ぶことを忘れずに進んで行っていただきたいと思います。今後の学問は、あるいは、これまでのものとは表面的には異質なものかもしれませんが、これまでの努力が必ず生かされるであろうことは間違いありません。
教育哲学の分野で有名なジョン・デューウィーの言葉を紹介しますと、「文明の成長に伴って、それを構成する個々人の能力の差が大きくなり、そのギャップを埋めるのが教育に他ならない」とのことです。まさしくこれは、皆さんより少しだけ先に教育を受けた私たちに突きつけられている言葉であり、私たちは今後もそのことを強く意識する必要があると思っています。しかし、それに留まらず、皆さんは、次に来る世代の人々が、学問における皆さんとの間の隔たりを埋めるための作業に携わることが求められているとも言えます。加えて、学問は現在の在り方に留まることはあり得ませんので、いつの日か皆さんが私たちを追い越して行かなければならず、既にそうなっているかもしれません。長きにわたって高度な学問を修めた皆さんは、常に先人を超え、その成果を次の世代に伝えていくという、人類の綿々たる作業を力強く担う一人になって下さることを切に希望しています。本日皆さんが学位を取得されたことは、そのような学問の流れと進歩を担っていく一人になることを改めて標榜する機会でもあり、今後も学び続ける覚悟を新たにして頂きたいと思います。皆さんがそのような覚悟を持って、社会のリーダーとして活躍されることをもって、弘前大学の役割も全うされるものと思っています。
終わりに、皆さんは、これまで長い年月にわたって学び続けることのできた幸福を忘れることなく、皆さんのご家族や教職員、そして社会全体に対する感謝を今一度思い出して頂くよう、お願いします。そしてなにより、本日、修士または博士の学位を取得された皆さんの、今後のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げて、告辞と致します。

平成24年 3月23日
弘前大学長 佐藤 敬

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