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平成28年度大学院学位記授与式告辞(平成29年3月23日)

 津軽の地にも待望の春を迎える中、本日、ここ弘前大学創立50周年記念会館みちのくホールにおいて、平成28年度の大学院学位記授与式を挙行するにあたって、告辞を述べさせていただくことは、私にとって大きな喜びとするところであります。まずもって、本日学位を取得された皆さんに心よりお祝いを申し上げます。皆さん、誠におめでとうございます。
 我が国の18歳人口の減少は社会に大きなインパクトを与えることであり、なかでも大学は最も影響を受けるものと思います。実際、全国的に学部入試の志願者は今後減って行き、それほど遠くない将来に大学の淘汰が始まるとも言われています。そんな中にあって、我が国の高等教育の近未来がどうあるべきかについての議論は混沌としています。しかしながら、大学院に関しては、その重要性がますます大きくなることは間違いなく、皆さんは、そのことを明確に証していくべき人材であります。多くの若者がより高度な学問を修めるようになるのは、若年人口減少の影響に対抗することでもあると言えます。
 高等教育の役割は教育研究の成果をもって社会に貢献することですが、学問の成果を計る指標は一様ではなく、社会貢献の在り方もさまざまです。皆さんがこれまで追究してきた学問は今後の皆さんのキャリアにとって役に立たないことなどありえません。いかなる学問であれ、その成果を否定することがあるとしたら、学問そのものを否定することに等しいと言わざるを得ません。また、我が国は先進国の中では、大学院修了者の割合が低いのが事実です。皆さんはこれまで長きにわたって学問を続けて来られたこと、弘前大学において学位を受けたことに誇りをもって、社会において存分に活躍して下さることを願い、また信じています。
 皆さんが長年にわたって学び続け、高度な学問を修めたことは、尊敬に値することですが、一方で、学問は深く追究すればするほど、無限の広がりがあることを知るのであり、長い歴史を重ねたとしても決して学問に終わりはありません。そう考える時、学問を追究する人間は常に謙虚でなければならないと思います。皆さんは、誇りを持つと同時に謙虚であって欲しいと願っています。
 皆さんの中には、海外から留学された方々も居られます。異国での生活には大きな困難もあったことと思いますが、今となっては、皆さんにとって貴重な経験であったと言えるのではないでしょうか。そんな中で大学院を修了されたことに敬意を表します。これからも、弘前大学で学ばれた経験を忘れることなく、皆さんの母国と我が国の間の懸け橋であり続けていただくようお願いします。
 弘前大学が皆さんと共に教育研究の営みを進められたことを私は幸いに思っています。そして、皆さんの後に続く学究の徒と共に、学問を継承していくため、しっかりと力を尽くして行きたいと思います。皆さんには、今後も弘前大学の応援団であっていただくようお願い致します。
 終わりに、本日、修士あるいは博士の学位を取得された二四九名の皆さんお一人おひとりの、今後のご健勝とご多幸を心からお祈りして、告辞と致します。

平成29年3月23日

弘前大学長  佐藤 敬

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