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弘前大学創立70周年記念式典式辞(令和元年6月1日)

 本日、ここ弘前市民会館において、弘前大学創立七〇周年記念式典を挙行できますことは、弘前大学のすべての構成員にとって大きな喜びとするところであり、ご多忙の中ご臨席を賜りました文部科学省 科学技術・学術政策局長 松尾泰樹様、青森県副知事 青山祐治様をはじめ、ご来賓の方々、すべての皆様に心より御礼申し上げます。誠にありがとうございます。
 また本日は、昨年ノーベル生理学・医学賞受賞の栄誉に輝かれた本庶佑先生の記念講演を、この後いただくことになっております。本庶先生におかれましては、平成一〇年までの一〇年間にわたって、本学医学部脳研の客員部門教授をお勤めいただいたご縁もありますが、ノーベル賞を受賞されて以来、ご多忙を極めておられるにもかかわらず、本日ご講演を賜ることができました。私共にとって、大変光栄なことと感謝申し上げております。
 さて、弘前大学は一九四九年、昭和二四年五月三一日に新制国立大学として出発してから今年で七〇周年を迎えたわけですが、その母体となった、青森県師範学校は明治九年、一八七六年に創立されており、その後、設立された旧制官立弘前高等学校や青森医学専門学校などが統合されて弘前大学となったものです。以来、今日に至るまで、本日ご出席いただいた皆様をはじめ、多くの方々、特に地域の皆様には一方ならずお世話をいただき、今日の日を迎えることができました。この七〇周年記念事業も皆様のご支援なしには実現しなかったものです。また、七〇年の歴史は国立大学および国立大学法人として重ねてきたものであり、国および国民全体の支援の下に歩んで来たという理解も重要と思っております。さらに最近では、学生教育や研究活動にも学外の皆様から多くのご協力をいただき、多様な教育研究を進める上で大きな力になっていただいております。すべての方々に衷心より感謝申し上げる次第です。
 創立六〇周年から今日までの一〇年間を中心に振り返りますと、教育組織や教育内容の改革、研究推進の強化など、多くの重要な取組を積み重ねてきたと思っておりますが、最も大きな進展があったのは、地域連携であったと言えます。もとより、弘前大学は地域と共に歩む大学であったのは間違いありませんが、特に法人化後は地域との連携が一層強化され、自治体や金融機関等と連携協定を結ばせていただくばかりでなく、最近では、明確な課題を設定し、相互に協働で取り組むことも実現していただきました。地域連携には教育研究のあらゆる活動が関連する可能性があることから、昨年一〇月には学長を本部長とする「地域創生本部」を立ち上げ、全学一体となった取組をさらに強化することとしています。加えて、地域連携による教育研究の成果を世界レベルにまで高めていくことが高等教育機関としての役割でもあり、今後もそのことを目指して努力を続けて参りたいと思います。
 この七〇年間における、弘前大学の最も大きな実績は地域の高等教育の需要に応えてきたことと、数多の人材を、特にこの地域を中心に輩出してきたことであると言ってよいと思います。現在は、そのことは大学の実績として、必ずしも高く評価されていないようですが、少なくとも私たち自身はそのことに大きな誇りを持ち、今後もその意義を忘れることなく教育研究活動を続けていくよう、弘前大学のすべての構成員と共に再確認したいと思います。そしてまた、高等教育機関に対する時代的・社会的要請にもしっかりと対応して、力強く歩んで行くことも重要です。七〇周年を機に、弘前大学に大きな変化が生まれることはないと思いますが、本学の来し方を正しく振り返り、行く末を明確に見据えていくことが、この節目に在籍する私たちの最も大きな役割であると認識しています。本日、この機会に多くの方々のご臨席を賜り、皆様の前で、こう宣言させていただいたことを幸いに思いますとともに、今後も弘前大学に大きなご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、式辞とさせていただきます。今日までのご支援、誠にありがとうございました。

令和元年六月一日

弘前大学長  佐藤 敬

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