弘前大学

第2回 弘前大学太宰治記念「津軽賞」表彰式を挙行しました

2024.03.26

2024(令和6)年3月25日(月)、第2回地域探究論文高校生コンテスト 弘前大学太宰治記念「津軽賞」の表彰式を挙行しました。

「津軽賞」は、弘前大学の前身の一つである旧制官立弘前高等学校出身の太宰治の中期の傑作として名高い小説『津軽』にちなんで設立されました。この賞は、高校生の皆さんが自らの地域を探究し、自分が本当に学びたいことに気づいてもらうことを目的としています。

第2回コンテストは、昨年9月から10月にかけて、個人・グループの2部門で小論文を募集し、全国の高校生の皆さまから516件(受賞数は21件(個人部門13件、グループ部門8件)、うち青森県内は6件)の応募作品が寄せられました。最優秀賞である津軽賞に輝いた長岡高等学校(新潟県)2年の市川智史さん(個人部門)と、五所川原農林高等学校(青森県)2年の煤田湊さん、髙橋愛果さん、大澤小梅さん(グループ部門)の2組を弘前大学に招待し、表彰式を行いました。表彰式の後には、キャンパスツアーで大学構内を巡り、大学施設や太宰治の文学碑などを見学しました。

左から郡理事(審査委員長)、市川さん、煤田さん、髙橋さん、大澤さん、福田学長

個人部門で受賞した市川さんは、小学生の時から保全活動に取り組んでいる魚『トゲソ』を通し、絶滅危惧種の保全に対する教育の重要性について、従来行われてきた生息数調査や生息環境等の科学的視点だけでは不十分と捉え、「社会的保全」という受賞者による新たな視点を教育に取り入れる必要性について説得力をもって論じました。受賞者の地域だけでなく、他の地域の未来への提言につながると感じられる小論文でした。市川さんは「今回の探究活動では、たくさんの地域の方々にご協力いただいた。今後も『トゲソ』のため、『地域』のために尽力していきたい」と語りました。

グループ部門で受賞した煤田さん、髙橋さん、大澤さんは、メロンの地域ブランド品種創出を目指す活動の中で、後継者育成、収穫量の増加という明確な目標を持って取り組んだ活動についてまとめました。新しい環境計測システムを活用し、生産量の増加に向けた最適な栽培条件を探索するという「スマート農業」の可能性を示しており、栽培に最適な環境条件を自ら仮定し、その効果を検証するために手分けして環境管理を行うといった日々の努力が、結果として収穫量の増加という大きな成果の創出につながっています。課題解決に向けて努力する著者らの姿勢を広く提示していくことは、農業のみならず地域の未来に大きく希望を与えるものであり、津軽賞にふさわしい論文であると評価されました。3人は「今回、津軽賞を受賞できたことは大変誇りに思っている。これからも課題解決に向けて研究を進めたい」と今後の抱負を語りました。

受賞の喜びを語る市川さん

左から煤田さん、髙橋さん、大澤さん

福田 眞作学長は「津軽賞は、地域を探究することを通じて『自分が何を学びたいのか』を考えてもらうことが1つの目的。皆さんの学びはここで終わりではないので、ぜひ高等教育機関への進学を検討していただき、学びを深めてほしい」とメッセージを贈りました。

受賞結果詳細については「太宰治記念 津軽賞」特設サイトからご確認ください。

また、第3回弘前大学太宰治記念「津軽賞」の公募開始は2024年秋を予定しています。

創立50周年記念会館内にある「幸せのリング」前で記念撮影