弘前大学

学長メッセージ -学生の皆さんへ GWの移動の自粛等について-

2020.04.21

はじめに

 新型コロナウイルスの関係で大学生活にも大きな影響が出ています。また、教職員だけでなく学生の皆さんにも様々な行動制限をお願いしています。ここまでやる必要があるの?と感じている人もいるかもしれませんが、感染の拡大を防ぐためにはどうしても必要だと考えてのことですので、皆さんの協力をお願いします。

1 マスク、手洗い、健康管理

 大学という多くの人が集まる場所でありながら、集団感染の発生(クラスター化)を防いでいくためには、各人が感染させない・感染しないという心がけを徹底することが必要で、マスク、手洗いなどの基本的なマナーを守ることがまず大事です。特に新型コロナウイルスについては、感染しても症状が出るまでに1週間ほどかかる、特に若い人の場合には症状が出にくいこともあるなど、インフルエンザなどとは異なった症状が見られます。このため、本人が気づかないうちに他人にうつしてしまうということにもなるわけで、咳の症状がないにしても普段からマスクを着用する、特に会話をする際には必ず着けることが大切です。
また、皆さんには、4月から全員に、体温測定による経過観察をお願いしてきました。一定期間の経過観察を行うことにより、感染していないことを確認することが目的ですが、体調の変化にいち早く気づくことも重要なので、2週間を経過した後もぜひ続けてください。

2 『不要不急』と『3つの密』の対策の重要性

 人に接する機会が多いほど感染の機会も多くなります。緊急事態宣言の外出自粛要請でも、人との接触を8割減らしてほしいとされています。

 これについては、不要不急の外出を控えるというのが第一のポイントです。不要不急とは、必要性・重要性と緊急性ということですから、つきつめれば、「何としてでも・どうしても」かつ「今すぐに」なのかどうかが判断基準になります。改めて考えてみると、必要性と緊急性がどちらもあるような外出は非常に限られていると思われます。どうしようかなと迷うようなら控えるといった考え方が大切です。

 二つ目のポイントは密閉、密集、密接の3密を避けるということです。狭い空間、多くの人、近い距離の3つの『密』が集団感染の発生を高めます。対面でのせきやくしゃみは明らかですが、大きな声や息をすることも、肺内のウイルスの拡散につながるようです。お酒を飲んだりカラオケで歌ったりするとどうしても大きな声になり、スポーツをすると息が弾むわけですが、こうしたことが感染しやすい要因になります。友人と食事をするにしても、食事をする時にはマスクができませんし、人数が多くなればなるほど会話も多くなり感染の可能性が高くなります。課外活動で集れば同じような状況が生まれると考えられます。これまでクラスターが発生した場所を見ても、夜の飲食店やカラオケ、ライブハウス、スポーツジムなどがあげられています。こうした場所では、客だけでなく従業員も感染の可能性は高いと言わざるを得ません。

 こうした理由で、自宅外での飲酒の禁止、課外活動の禁止、自宅外での会食も人数を少なくする、飲食店でのアルバイトは控えるといった行動の制限をお願いしています。一つ一つの制限に理由があることを理解して、不要不急と3密の観点から、行動を見直していくようにしてください。
なお、アルバイトを控えることで生活に支障が出る学生さんに対しては、現在10万円を上限として貸し付けを実施していますので、遠慮なく学生課(Email:seikatsu-emg@hirosaki-u.ac.jp)へ問い合わせてください。(4/28改定:基本的に必要額を支援します)

3 移動によるリスク

 感染者が多い地域を行き来すれば、感染のリスクは当然高くなります。GWを控えて、全国的に、観光などによる移動を避けるように呼びかけられています。弘前大学では、授業の開始をGW開けの5月11日まで延期しました。普段の年なら、GWには帰省したり友人と旅行に行ったり楽しく過ごすことができますが、今同じように移動してしまうと、どこかで感染してしまうリスクを高めることになるので、GW開けに安心して授業を開始することができなくなります。感染を持ち込まないようにするため、GW中を含めて、長距離の移動についても、不要不急の考え方でできる限り控えるようにお願いします。

最後に

 弘前大学には青森県の医療の中核を担う附属病院があります。ひとたび病院関係者に感染者が出れば、病院の診療停止など極めて大きな影響も出かねません。これは、病院教職員や医学部学生だけが注意して防げるものではなく、大学全体としての取り組みが必要です。
こうした点も含め、弘前大学生としての自覚ある行動が求められています。困難を乗り越え、できる限り早期に普段の大学生活に戻ることができるよう、皆さんの理解と協力をお願いします。

 

令和2年4月21日
弘前大学長  福田 眞作