弘前大学

弘前大学創立80周年記念先行事業において、学生・役員・教職員がパラオ共和国を訪問しました

2025.10.22

弘前大学創立80周年記念先行事業 教養教育海外派遣プロジェクト〔第2回本隊派遣〕について

弘前大学では、戦争の悲惨さや平和の大切さを学び、また異文化に触れ、多様な価値観を理解する機会とするため、学生・役員・教職員を太平洋戦争末期に激戦地となったパラオ共和国に派遣しております。

今回の第2回本隊派遣では、戦後80年の節目にあたる2025(令和7)年、9月8日~14日に、曽我研究担当理事・花田医学部附属病院高度救命救急センター長、教職員と共に学生10名がパラオ共和国の各施設等を訪問しました。

以下、主な訪問先についてご紹介します。

在パラオ日本国大使館

在パラオ日本国大使館では、折笠弘維大使にご対応いただき、日本とパラオ共和国の歴史的な背景や「トクベツ」(パラオ語)な関係、また現在のパラオを取り巻く国際情勢についてなどお話しいただきました。今回最初の訪問先のため少し緊張が感じられた学生達でしたが、後半には各々が積極的に大使へ質問するなど、終始和やかな雰囲気の中でパラオに関する理解を深める貴重な機会となりました。

折笠弘維大使と本学参加者

折笠弘維大使と本学参加者

ベラウ国立病院

ベラウ国立病院ではまず院内をご案内いただき、診療設備や日本から支援された医療機器などについて説明を受けました。その後副大統領も交えた懇談の場では、医学部の学生を中心にすべての学生が英語で質問を行い、島国ゆえの遠隔医療の取組みや肥満率が高いとされるパラオの食生活など様々な観点で意見交換が行われ、参加者一同多くの学びが得られた非常に有意義な時間でした。

病院関係者と本学参加者、本学から病院側に聴診器等を寄贈

病院関係者と本学参加者、本学から病院側に聴診器等を寄贈

病院関係者と本学参加者との懇談の様子1

病院関係者と本学参加者との懇談の様子1

病院関係者と本学参加者との懇談の様子2

病院関係者と本学参加者との懇談の様子2

病院内視察の様子1

病院内視察の様子1

病院内視察の様子2

病院内視察の様子2

ペリリュー島

かつての激戦地ペリリュー島では、現地日本人ガイドから説明を受けながら千人洞窟や海軍司令部跡、平和記念公園やオレンジビーチ、滑走路付近などいくつもの場所を訪れました。爆撃を受けた建物や壁に残る弾痕、破壊され錆び付いた戦車、激しく損傷した兵士の所持品などを各所で目の当たりにし、戦争の悲惨さを強く感じました。また、戦没者慰霊碑の前では全員で黙祷を行い、線香を手向け、平和への思いを共有しました。多くの戦跡を巡りながら当時の状況を理解し、平和について考えられる意義深い機会でした。

天皇皇后両陛下(現上皇上皇后陛下)も訪問された平和記念公園

天皇皇后両陛下(現上皇上皇后陛下)も訪問された平和記念公園

旧日本軍の防衛拠点であった千人洞窟

旧日本軍の防衛拠点であった千人洞窟

爆撃や銃撃の痕跡が残る海軍司令部跡

爆撃や銃撃の痕跡が残る海軍司令部跡

戦没者慰霊碑(みたま)で線香を手向ける学生

戦没者慰霊碑(みたま)で線香を手向ける学生

第二次世界大戦記念博物館

第二次世界大戦記念博物館

旧日本軍の戦車

旧日本軍の戦車

米軍の水陸両用戦車

米軍の水陸両用戦車

旧日本軍の52型零式艦上戦闘機

旧日本軍の52型零式艦上戦闘機

米軍が最初に上陸した「オレンジビーチ」

米軍が最初に上陸した「オレンジビーチ」

使用されなかった旧日本軍の大砲

使用されなかった旧日本軍の大砲

「鎮魂の碑」の前で

「鎮魂の碑」の前で

パラオコミュニティカレッジ(PCC)

パラオ唯一の高等教育機関、パラオコミュニティカレッジ(PCC)では、まず大学関係者と面会し、両大学の概要説明を行い本学学生の質問に答えていただきました。その後、PCCの学生ガイドによるキャンパスツアーでは、溶接を学ぶ作業場や農学の研究室、図書館や寮など様々な施設を案内され、日本とは異なる教育環境に触れました。さらに学生同士の交流の時間には、一緒にランチを食べながら、弘前のことや進路のこと、今回の旅で訪れた各訪問先のことなどを話題にして交流しました。英語に自信がなかった学生もコミュニケーションの楽しさを感じて、英語学習のモチベーションが高まったようです。同世代の学生同士、貴重な国際交流・異文化理解の機会になりました。

PCC関係者と本学参加者

PCC関係者と本学参加者

キャンパスツアーの様子1

キャンパスツアーの様子1

キャンパスツアーの様子2

キャンパスツアーの様子2

キャンパスツアーの様子3

キャンパスツアーの様子3

学生同士の交流風景1

学生同士の交流風景1

学生同士の交流風景2

学生同士の交流風景2

学生同士の交流風景3

学生同士の交流風景3

その他の訪問先等

パラオ国際サンゴ礁センター

パラオ国際サンゴ礁センター

ベラウ国立博物館

ベラウ国立博物館

日本・パラオ友好の橋

日本・パラオ友好の橋

JICA パラオ事務所

JICA パラオ事務所

パラオ共和国において学生が感じた戦争の悲惨さと平和の尊さは、一人一人が語り継いでいくことが大切です。そしてその平和をどのように築いていくのかをこれからも考え続けていかなければなりません。このプロジェクトを通じて、異なる国の言語や文化、価値観に触れ、歴史や医療、産業など多様な分野への理解を深めた経験が、学生の皆さんにとって、国際感覚を養い、平和について考え行動するきっかけになることを期待しています。

本学ではこのような機会を大切にし、国際交流と平和教育に努めると共に、教育・研究の更なる発展に寄与してまいります。なお、本プロジェクトは、2027(令和9)年度まで計4回のパラオ共和国への派遣を予定しています。

教養教育海外派遣プロジェクト〔第2回本隊派遣〕について

派遣国

パラオ共和国

派遣時期

2025年9月8日(月)~9月14日(日)※航空機トラブルのため1日延長

派遣者

学生10名(人文社会科学部1、教育学部2、医学部医学科2、医学部保健学科2、医学部心理支援科学科1、理工学部1、農学生命科学部1)、曽我理事(研究担当)、花田医学部附属病院高度救命救急センター長、教職員等5名

■第1回派遣の様子はこちら
弘前大学創立80周年記念先行事業 教養教育海外派遣プロジェクト〔第1回本隊派遣〕