プレスリリース内容
国立大学法人弘前大学(学長:福田眞作、以下「弘前大学」)と、日本電気株式会社(取締役 代表執行役社長 兼 CEO:森田 隆之、以下「NEC」)は、2024年4月1日付で、共同研究講座「ヘルスケアAIシステム学講座(英語表記:Department of Healthcare AI Systems)」を開設し、6月7日に弘前大学において開設式を執り行いました。
講座開設の背景
日本は、人生100年時代を迎え、全ての人々が元気に活躍し続ける社会、安心して暮らすことができる社会を創造していくことが求められています。また、人々の生活スタイルも多様化し、健康に対する意識が高まったことにより、生活者が「自分の健康は、自分のために、自分で守る」という考え方が広まって、個々人に寄り添った健康ソリューションのニーズが高まってきています。
このような時代のニーズに応えるために、弘前大学とNECは、連携して講座開設することになりました。
弘前大学COI—NEXT(※1)では、2005年から実施してきた「岩木健康増進プロジェクト(※2)」の超多項目健康ビッグデ ータをベースに予防医療に焦点を当てた研究を進めています。
NECは、AIやデジタル技術を活用し、医療をデジタルで支える「Medical Care事業」、一人ひとりの日常生活に寄り添う「Lifestyle Support事業」、個人に合わせた医療を科学で支える「Life Science事業」を通じて、事業コンセプトである「live as you あなたを知り、あなたらしく選ぶ」世界の実現を目指しています。
講座の概要
本講座では、(1)弘前大学が蓄積する弘前市民の超多項目健康ビッグデータ、(2)外見や動作などのデータを解析して人を精緻にモデル化するNEC独自のAI技術を用いて、脳卒中や心疾患、フレイル、認知症など多種多様な疾病の潜在的なリスクを推定するための研究開発に取り組み、デジタル技術によって個別最適化されるヘルスケアソリューションの社会実装を目指します。
<講座名>「ヘルスケアAIシステム学講座」
<メンバー構成>
玉田 嘉紀 (教授:弘前大学大学院医学研究科)
村下 公一 (教授:弘前大学 学長特別補佐/健康未来イノベーション研究機構長)
伊東 健 (教授:弘前大学大学院医学研究科)
三上 達也 (教授:弘前大学大学院医学研究科)
中路 重之 (特別顧問:弘前大学)
沢田 かほり (助教:弘前大学大学院医学研究科)
中澤 麻衣 (助教:弘前大学大学院医学研究科)
中原 謙太郎 (NECバイオメトリクス研究所・ディレクター)
櫻井 和之 (NECバイオメトリクス研究所・ディレクター)
小阪 勇気 (NECバイオメトリクス研究所・マネージャー)
二瓶 史行 (NECバイオメトリクス研究所・プロフェッショナル)
梅松 旭美 (NECバイオメトリクス研究所・プロフェッショナル)
<契約期間>2024年4月1日 ~ 2027年3月31日
<設置場所>弘前大学大学院医学研究科附属健康未来イノベーションセンター(青森県弘前市在府町5)
(※1)弘前大学COI-NEXT拠点
弘前大学では、2022年10月に文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に採択されました。弘前大学COI-NEXT拠点では、健康を基軸に、若者が地域で働きたいと思える成長産業として魅力的なヘルスケア産業を創出することによって、地域の人々を健康にしながら経済発展し、全世代の人々が生きがいをもって働き続けることができ、心身共にQOLの高い状態での健康寿命を延伸する、well-beingな地域社会モデルの実現をめざしています。これまでの弘前大学COI拠点の成果を発展的に承継し、持続的に成果を創出する自立した産学官共創拠点の形成を目指すプロジェクトです。
(※2)岩木健康増進プロジェクトと弘前大学COI拠点
弘前大学が青森県弘前市岩木地区で2005年から継続実施している大規模合同健康調査で、約3,000項目という世界に例のない膨大な健診項目を設けることで、巨大な健康ビッグデータを記録しています。弘前大学では、2013年に文部科学省・JSTによる「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」に採択され、岩木健康増進プロジェクト健診の超多項目健康ビッグデータの解析により、認知症・生活習慣病などの早期発見を可能にし、予防方法の創出と検証を行い、その成果を社会実装する研究活動を弘前大学COI拠点で展開しました(2013~2022年)。
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