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【プレスリリース】子どものインターネット依存状態の変化とその状態変化に関わる発達特性の関与を明らかにしました(弘前大学医学部心理支援科学科、医学研究科附属子どものこころの発達研究センター、神経精神医学講座の共同研究)

概要
 医学部心理支援科学科の髙橋芳雄、足立匡基らは(両名とも医学研究科附属子どものこころの発達研究センター兼任)カリフォルニア大学サンフランシスコ校の廣田智也先生(医学研究科神経精神医学講座客員研究員)との共同研究により、子どものインターネット依存状態の推移とその推移のパターンと状態の変化に関わる神経発達障害特性の関与について明らかにしました。

背景
 近年、ICT機器の普及に伴い、子どものインターネット依存に対する注目が集まっていますが、インターネット依存の状態が長期的にみてどのように変化するのかについてはあまり知られていません。本研究では、弘前市の小学4年生から中学1年生の児童生徒、5,483名を対象にインターネット依存の状態が二年間でどのように変化するか調べました。加えて、神経発達障害と関連した特性がインターネット依存の状態の長期的な変化に対してどのように影響するかについても調べました。

成果
 調査の結果、調査開始時点でインターネット依存の状態の子どもの中で、その後二年間インターネット依存の状態が維持される確率は47%にも上ることが判明しました。加えて、高学年の方がインターネット依存の状態が比較的維持されやすいことも明らかになりました。また、調査開始時点でインターネット依存でなかった子供が、調査期間内にインターネット依存の状態になる確率は11%程度であることがわかりました。また、インターネット依存状態の推移と発達障害特性の関連を調べた結果、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)と関連した特性、その中でも特に不注意特性がインターネット依存状態の維持や調査期間内での新たな発生に関連していることが明らかになりました。
 これらの知見は、インターネット依存問題を持つこどもの発達特性を評価することの重要性を示唆しており、発達特性に関連した困難にアプローチすることが子どものインターネット依存を改善したり、その発生を予防したりすることに役立つ可能性があります。

図1

図2

今後の展開
 本研究はこれまで医学研究科附属子どものこころの発達研究センターと弘前市教育委員会が協働して毎年実施している、子どものこころの健康に関する調査事業の一環として行われました。当事業ではこれまでにも、抑うつ、QOL、社会的資源の研究で成果を上げています。今後も調査を続け、子どものこころの問題の発生メカニズムを明らかにし、こころの問題を予防するための仕組みづくりシステムの開発に貢献していきたいと思っております。

掲載誌情報
雑誌:Journal of Autism and Developmental Disorders
論文タイトル:Neurodevelopmental Traits and Longitudinal Transition Patterns in Internet Addiction: A 2-year Prospective Study
著者:Tomoya Hirota, Michio Takahashi, Masaki Adachi, Yui Sakamoto & Kazuhiko Nakamura
URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s10803-020-04620-2

研究資金
科研費、弘前大学機関研究費、弘前神経科学研究所

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