2025(令和7)年4月18日(金)、米国のメイヨー・クリニックよりリチャード・L・イーマン教授をお招きし、保健学研究科・理工学研究科共催で、国際交流活性化特別講義及び講演会を開催しました。
イーマン教授は、メイヨー・クリニック放射線科教授であり、Blanche R. & Richard J. Erlanger Professor of Medical Researchの称号をお持ちです。
イーマン教授は、医用画像の分野で世界的に著名な医師であり科学者です。特に、肝線維症やがんなどの診断に不可欠な非侵襲的技術である磁気共鳴エラストグラフィ(MRE)を開発されたことで知られています。これまでに40件以上の特許を取得し、600を超える学術論文を発表されるなど、その革新的な業績は世界の医用画像診断の実践に多大な影響を与えています。
特別講義:14:30–15:20
特別講義は「医用画像技術の独自のイノベーション戦略とそのインパクトに関する視点 (Perspectives on the Unique Innovation Strategies and Impact of Medical Imaging Technology)」と題し、本学保健学科校舎第63講義室にて開催されました。
主に学部生を対象とした本講義では、イーマン教授ご自身の豊富な経験に基づき、医療分野におけるイノベーションの創出プロセスや、先端画像技術がもたらす医学への貢献について、示唆に富むお話が展開されました。会場は多くの学生や教職員で満たされ、熱心に聴き入る姿が見られました。質疑応答も活発に行われ、参加者にとって大変有意義な時間となりました
講演会:16:00–17:00
続いて、医学部コミュニケーションセンター(MCC)にて、「MRエラストグラフィー:発明から診療標準化への歩みと得られた知見 (MR Elastography: Lessons Learned in the Journey from Invention to Standard of Care)」をテーマに講演会が開催されました。
主に大学院生・教職員を対象としたこの講演会では、イーマン教授が開発を主導されたMRE技術について、その着想から実用化、そして今日の標準的な診断法として確立されるまでの経緯や、その過程で得られた貴重な教訓が詳細に語られました。専門性の高い内容でありながらも、参加者からは多くの質問が寄せられ、深い議論が交わされました。
情報交換会:17:10–18:10
講演会終了後には、同MCCにて情報交換会が催されました。イーマン教授を囲み、参加した学生や研究者が直接対話できる貴重な機会となり、和やかな雰囲気の中で専門分野に関する意見交換や国際的な交流が深められました。
まとめ
今回のイーマン教授による特別講義及び講演会は、医用画像分野における世界最先端の研究と技術開発に触れるまたとない機会であり、参加した学生、研究者、教職員にとって、今後の学術活動やキャリア形成において大きな刺激となりました。弘前大学は、今後もこのような国際的な学術交流を積極的に推進し、教育・研究の一層の発展に努めてまいります。
特別講義・講演会の開催にあたり、ご講演いただきましたリチャード・L・イーマン教授に心より感謝申し上げます。また、ご参加いただきました皆様、関係者の皆様にも厚く御礼申し上げます。