弘前大学

弘前大学および日本原燃による「緊急被ばく医療合同訓練」を実施しました

2023.12.12

2023(令和5)年12月7日に弘前大学医学部附属病院と日本原燃株式会社は、六ヶ所再処理工場において放射性物質を体内に取り込んだ可能性のある傷病者が発生したことを想定し、通報連絡および搬送、到着後の除染措置など、緊急被ばく医療合同訓練を実施しました。

本訓練は、高度被ばく医療支援センターおよび原子力災害医療・総合支援センターの指定を受けている弘前大学医学部附属病院と日本原燃株式会社が2007年10月16日に締結した「放射性物質による被ばく・汚染を伴う傷病者の診療に関する覚書」に基づき実施しており、今回で6回目となります。

訓練では、日本原燃から高度救命救急センターへ傷病者受入れ要請の通報から始まり、受入決定後に院内各所への報告及び人員派遣を要請します。続いて、医師・看護師等の汚染を防ぐ防護服の着用や、施設の床や物品の汚染を防ぐためにビニールシート養生保護などの受入準備を整えます。傷病者が到着してからは、救命措置を最優先にしながらも、汚染部位の除染等を行い病棟入院までの手順を確認しました。最後に、傷病者治療エリアの放射線量を計測しながら養生の解除を行い、安全宣言を発して訓練終了となりました。訓練終了後の振り返り検討会においても、様々な課題を共有でき充実した訓練となりました。

訓練終了後のインタビューでは、災害・被ばく医療教育センターの伊藤勝博センター長より「訓練を重ねることで、双方が顔も見える関係を構築することができることから、有事の際にもスムーズに進むのではないか。そのような観点から、国や県の防災訓練もあるが、事業者との訓練の意義も大きいと考えている」旨のコメントがありました。

当日は本学から約20名及び日本原燃から約10名が参加し実践的な訓練を行うことができました。今後も関係各所との連携強化も含め、様々な訓練を通しながら即座に行動できる体制づくりを進めて参ります。

日本原燃から傷病者受入要請

施設養生保護の様子

受入準備完了

傷病者到着

傷病者治療の様子

治療完了後に病棟入院

治療エリア解除後に安全宣言

訓練後の振り返り検討会

高度被ばく医療支援センターとは
地域の原子力災害拠点病院等では対応できない高度専門的な診療及び支援並びに高度専門教育研修等を行うことを目的に指定されています。弘前大学の他に福島県立医科大学・福井大学・広島大学・長崎大学が指定されており、量子科学技術研究開発機構は、基幹高度被ばく医療支援センターとして、これらの高度被ばく医療支援センターの中心的・先導的な役割を担います。

原子力災害医療・総合支援センターとは
平時において、原子力災害拠点病院に対する支援や関連医療機関とのネットワークの構築を行うとともに、原子力災害時において原子力災害医療派遣チームの派遣調整等を行うことを目的に指定されています。弘前大学の他に福島県立医科大学・広島大学・長崎大学が指定されています。