弘前大学

モモコフキアブラムシによるフィールド展開 —ワックスを用いたニッチ構築—

2024.02.16

プレスリリース内容

本件のポイント

  • モモコフキアブラムシ(以下、アブラムシ)は、ワックス粉末をヨシの葉に塗り付ける粉吹き行動を示す。
  • ワックス粉末が、水没時や降雨時のアブラムシの溺死リスクを軽減することを明らかにした。
  • アブラムシがヨシ(寄主)の葉の表面特性を改変し、自身の生息場所(ニッチ)を構築していることを示した。
  • ニッチ構築が水没リスクの高い寄主の利用を可能にしたことを示唆した。

本件の概要

弘前大学農学生命科学部の小寺泰聖さん(当時学部4年生、現・日本野鳥の会職員)と大崎晴菜さん(当時岩手大学大学院連合農学研究科博士課程3年生、現・東京都立大学研究員)、山尾僚さん(当時・弘前大学准教授、現・京都大学生態学研究センター教授)は、ヨシの葉に寄生するモモコフキアブラムシ(以下、アブラムシ)が自身で生産した粉末状のワックスをヨシの葉の表面に塗り付けることで、ヨシが水没した際や降雨時の溺死リスクを軽減していることを明らかにしました。このことは、アブラムシがヨシ(寄主)の葉の表面特性を改変し、自身の生息場所(ニッチ)を構築していることを示しており、ニッチ構築が水没にさらされやすい寄主の利用を可能にしたことを示唆しています。
本研究成果は、日本時間令和6年1月18日に、Journal of Evolutionary Biologyに掲載されました。

詳細

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プレスリリースに関するお問合せ先

国立大学法人京都大学生態学研究センター 教授 山尾 僚
TEL:077-549-8235
E-mail:yamao.akira.2jkyoto-u.ac.jp