弘前大学

青森サーモンのブランド化へ向けて!モニター調査を実施

2020.08.07

弘前大学地域戦略研究所は、令和2年7月27日(月)から8月6日(木)までの平日9日間、弘前大学生協「スコーラム」にて、弘前大学生を対象に「青森県産トラウトサーモン(青森サーモン)」を使ったメニューのモニター調査を実施しました。
青森サーモンとは、青森県西端の深浦町で養殖しているトラウトサーモン(ニジマス)です。水産食品加工のオカムラ食品工業と深浦町、弘前大学地域戦略研究所が連携協定を締結し、2014年にサーモン養殖実証事業を開始、2019年から本格出荷が始まりました。2017年からは青森県今別町でも養殖が始まり、現在国内トップの生産量を誇っています。ほどよい脂のりと、海外産のサーモンと比べて身が赤いことが特徴です。
弘前大学地域戦略研究所では、経済産業省「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」の支援を受け、サーモン養殖に必須である、ふ化、中間育成及び海面生産の3工程のうち、中間育成魚(※)の育成に関する研究に携わっています。中間育成魚の供給不足を解消し、海面生産の低コスト化、大規模化を実現するため、少量の水資源で高密度の生産が可能な、日本初となる屋外循環式の「大規模中間育成魚高密度生産システム」を研究開発しています。
※中間育成魚:海面生産に適した大きさまで育成した魚
今回の調査は、青森サーモンの大規模生産を推進していくにあたり、最終消費者に受け入れられるサーモンメニューを開発することを目的に実施。連携協定を結んでいる函館短期大学付設調理製菓専門学校とメニューを開発しました。メニューは1日100食限定、生食の「ユッケ丼」「親子丼」「山掛け丼」、焼食の「焼き漬け」「柚庵焼き」「西京焼き」の6種類で日替わり。弘前大学生協の協力のもと、学生を対象に無料で提供し、アンケートを実施しました。アンケートでは、食感や味、値段感などに関する項目を設けており、結果を青森サーモンのブランド化に向けた強み弱み、大規模生産に向けた課題の洗い出しに生かしていく予定です。
初日に参加し「ユッケ丼」を食べた県外出身の学生は、「青森サーモンを食べるのは初めて。生臭くなく、身が分厚い。おいしく食べやすかった」と満足げ。最終日には期間中3回参加し、「親子丼」「西京焼き」「山掛け丼」の3種類を食べたという学生もおり、「無料ということでお得だった。どれもおいしかった。」と笑顔で話していました。
本事業を担当する、同研究所食料科学研究部門の福田覚准教授は、「青森で生まれた大切な水産食材なので、地産地消にとどまらず、世界まで届く食材に育てていきたい。」と青森サーモンのブランド化、大規模生産へ向けた抱負を語りました。

会場では養殖のプロモーションビデオが放映された
会場の様子
初日のユッケ丼
最終日の山掛け丼
実食する学生
地域戦略研究所 福田覚准教授