人文社会科学部 上條信彦准教授が長野県茅野市主催 第20回宮坂英弌(フサカズ)記念尖石(トガリイシ)縄文文化賞を受賞しました。同賞は、日本の縄文時代遺跡を代表する特別史跡尖石遺跡の発掘と集落の研究に情熱を注いだ考古学者、故宮坂英弌氏の業績を記念する賞で、縄文時代の研究に功績のあった個人、または団体を表彰することを目的としています。なお、上條准教授はこれまでの受賞者で最年少となります。
縄文時代の特色のひとつである「石臼」や「すり石」等の植物質食料加工具10万点以上について、日本列島全体にわたり形態と機能の時間的変遷を研究し、詳細な編年研究とともに地域性や機能性を解き明かしたことが評価されての受賞となります。近年では、亀ヶ岡文化の実態について発掘調査を通じて多角的に研究し、北東北地方の縄文時代についての新たな研究成果を出し続けていることも評価されました。
選考委員からは、「縄文人には狩猟のイメージが強いが、植物質の食料加工にも相当の時間や手間をかけていたことがはっきりした」や「縄文人が植物性の食料を作る石臼とすり石の道具一式に情熱を傾け、北から南へと研究。写真を撮り、実測した積み重ねは高く評価される」などと称えています。
受賞した上條准教授は「これを糧に、現代にもつながる人の営みや道具の使われ方などをさらに研究。『生活・文化を探る』をテーマに、取り組んでいきたい」と語っています。