弘前大学

弘前大学医学部附属病院で頭痛外来を開設

2023.04.14

プレスリリース内容

本件のポイント

  • 新たな片頭痛治療薬の承認に伴う頭痛診療の専門化に対応します。
  • 片頭痛の新しい効果的な治療の普及を目的に地域住民への啓発を目指します。
  • 新たな片頭痛治療に悩む地域のプライマリケアドクターの相談窓口を目指します。

本件の概要

片頭痛の治療は従来、頭痛を軽減させることに主眼がおかれ、抗炎症薬を中心とした疼痛緩和療法が行われてきました。頭痛発症の予防を目的とした抗痙攣薬や抗うつ薬の投与も行われてきましたが、効果は個人差が大きく限定的でした。片頭痛のメカニズムの研究が進み、抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)という物質が頭部の感覚神経である三叉神経終末部から放出され片頭痛の発生に密接に関わっていることが明らかになってきました。そこで、CGRPやCGRP抗体をターゲットとした片頭痛治療薬の開発が進み、2021年より、新しい3種類の抗CGRP抗体製剤が臨床の場に登場しました。この抗CGRP抗体製剤の片頭痛予防効果が顕著であることが様々な研究からも報告され、これまで片頭痛に苦しんできた患者さんの症状改善に大きく貢献できることが期待されています。

しかしながら、この製剤は処方する医師側に制限があり、頭痛専門医や頭痛診療の5年以上の経験がある脳神経外科専門医や神経内科専門医、総合診療内科専門医の資格が必要です。片頭痛の適切な診断と診療の専門化が進む中で、この新しい治療法の普及を計るためには、片頭痛に悩む多くの患者さんへ広くお伝えすることと、これまで頭痛診療を行ってこられた開業医の先生方との連携やサポートが必要と考えました。

そこで、弘前大学医学部附属病院では、新しい片頭痛診療の窓口や地域の頭痛診療のネットワークの役割を果たしていきたいと考え、脳神経外科専門医が新たに頭痛外来を開設する運びとなりました。片頭痛や片頭痛診療に悩む皆様のお役に立つために尽力して参りたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

本学お問合せ先

弘前大学医学部附属病院脳神経外科外来
TEL:0172-39-5288