弘前大学

「体内環境モデリング研究講座」を開設【江崎グリコ×弘前大学大学院医学研究科】

2023.05.16

プレスリリース内容

国立大学法人弘前大学(学長:福田眞作、以下「弘前大学」)と、江崎グリコ株式会社(代表取締役社長:江崎悦朗、本社:大阪府大阪市、以下「江崎グリコ」)は、2023(令和5)年4月1日付で、共同研究講座『体内環境モデリング研究講座(英語表記:Department of mathematical health modeling)』を開設し、5月15日に医学部基礎校舎において開設式を執り行いました。

「体内環境モデリング研究講座」を開設

講座開設の背景

日本は、「人生100年時代」を迎えるにあたって、全ての国民が元気に活躍し続ける社会、安心して暮らすことができる社会を創造していくことが重要な課題になっています。また、近年生活スタイルが多様化し、健康意識も高まったことで、生活者の「自分の健康は、自分のために、自分で守る」という考え方が広まり、それによる個々人に寄り添った健康ソリューションのニーズも高まってきています。

弘前大学COI—NEXT(※1)では、2005年から実施してきた「岩木健康増進プロジェクト(※2)」の超多項目健康ビッグデータをベースに予防医療に焦点を当てた研究を進めています。 また、江崎グリコは、パーパスとして掲げる「すこやかな毎日、ゆたかな人生」の実現のため、「ヘルシーエイジング」、「脳機能の向上」などお客様の生活習慣を起点とした5つの注力領域を設定し、価値の創出に取り組んでいます。

このような中、弘前大学と江崎グリコは、「岩木健康増進プロジェクト」から得られた多項目の健康ビッグデータを収集し、解析することによって、個々人のニーズにあった健康課題の解決方法を確立することを目指し、本講座を開設します。

講座の概要

本講座では、産官学民の共創の下で、「岩木健康増進プロジェクト」を通して得られた、分子生物学的データ・生理・生化学的データ・個人生活活動データ・社会環境的データを解析することで、体内環境の様々な変化とQOLや生活習慣病の発症との関連性を明らかにすることを目的としています。この研究の成果により、個人に適した健康課題の解決方法の確立を目指し、青森県民、日本国民の健康寿命の延伸に繋げていきます。

<講座名> 『体内環境モデリング研究講座

<メンバー構成>
中路 重之(特任教授:弘前大学 学長特別補佐/大学院医学研究科)
伊東 健(教 授:弘前大学大学院医学研究科)
村下 公一(教 授:弘前大学 学長特別補佐/健康未来イノベーション研究機構長)
玉田 嘉紀(教 授:弘前大学大学院医学研究科)
三上 達也(教 授:弘前大学大学院医学研究科)
沢田 かほり(助 教:弘前大学大学院医学研究科)
長谷川 順一 (江崎グリコ株式会社 常務執行役員)
田隝 修(江崎グリコ株式会社 経営企画部・グループ長)
他6名

<契約期間>2023年4月1日 〜 2026年3月31日
<設置場所>弘前大学大学院医学研究科附属健康未来イノベーションセンター(青森県弘前市在府町5)

用語解説

(※1)弘前大学COI-NEXT拠点
弘前大学では、2022年10月に文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に採択されました。弘前大学COI-NEXT拠点では、健康を基軸に、若者が地域で働きたいと思える成長産業として魅力的なヘルスケア産業を創出することによって、地域の人々を健康にしながら経済発展し、全世代の人々が生きがいをもって働き続けることができ、心身共にQOLの高い状態での健康寿命を延伸する、well-beingな地域社会モデルの実現をめざしています。これまでの弘前大学COI拠点の成果を発展的に承継し、持続的に成果を創出する自立した産学官共創拠点の形成を目指すプロジェクトです。

(※2)岩木健康増進プロジェクトと弘前大学COI拠点
弘前大学が青森県弘前市岩木地区で2005年から継続実施している大規模合同健康調査で、約3,000項目という世界に例のない膨大な健診項目を設けることで、巨大な健康ビッグデータを記録しています。弘前大学では、2013年に文部科学省・JSTによる「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」に採択され、岩木健康増進プロジェクト健診の超多項目健康ビッグデータの解析により、認知症・生活習慣病などの早期発見を可能にし、予防方法の創出と検証を行い、その成果を社会実装する研究活動を弘前大学COI拠点で展開しました。(2013~2022年)

プレスリリース

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TEL:0172-39-5194