弘前大学

令和5年度岩木健康増進プロジェクト健診が始まりました

2023.06.06

健康未来イノベーション研究機構が実施する令和5年度「岩木健康増進プロジェクト健診」が、2023(令和5)年6月3日(土)から6月12日(月)の10日間の日程で、中央公民館岩木館及び岩木文化センターあそべーるにて開催されています。期間中約1,000名の方が本プロジェクトに参加する予定です。

この健診は、地域住民の健康状態とその問題点を医学的観点から包括的かつ詳細に継続して調査し、健康の維持・増進、日常生活活動と生活の質の向上、そして青森県の短命県返上につなげることを目的として2005(平成17)年から実施しているもので、今年で19年目を迎えました。昨年度までは新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、健診項目などの規模を縮小・参加条件にワクチン接種を規定していましたが、今年度からコロナ禍以前の規模と実施体制に戻っています。

健診会場の岩木文化センターあそべーる

受付の様子

弘前市岩木地区の住民を対象としたこの健診は、身長や聴力などの一般的な検査項目に加えて、大手企業などが実施する多種多様な検査が大きな特長です。医学研究科と昨年共同研究講座「ビューティーウェルネス学研究講座」を開設した資生堂の「皮膚測定」ブースでは、皮膚の潤いやハリ・色などを測定します。同じく今年共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」を開設した雪印メグミルクの「AGEs」ブースでは、体内の焦げ付き度などが調べられます。会場には合計で49ブースが設けられ、疲労度を調べる皮膚ガス測定や嗅覚機能測定など新しい検査項目も増えたことから、約3,000項目もの膨大な健康データの収集が可能となっています。

顔と腕の肌を調べる資生堂ブース

体内の終末糖化産物を測定する雪印メグミルクのブース

呼気検査を行う小林製薬のブース

髪や頭皮の健康状態を検査する花王のブース

また、今年度から受付やデータ入力などのデジタルトランスフォーメーション(DX)化に取り組んでいます。参加者は二次元コードが記載された名札を携帯し、各ブースでこれを読み取ることで紙媒体の個人記録票が廃止され、ブース別受診状況の把握もできるようになりました。

今年度から受付業務をDX化

受診状況を表示するモニターを解説する中路重之学長特別補佐

健診3日目の6月5日(月)、中路重之学長特別補佐が報道向けに本プロジェクトの説明を行いました。中路学長特別補佐は「岩木健康増進プロジェクトは来年で開始から20年になるが、頭から足先まで網羅的に検査を実施している世界でも例のない貴重なビッグデータを収集しており、これからも継続していくことに大きな意義がある。多くの企業から共同研究講座の申し込みがあるように、関係機関が力を合わせて、それぞれの目標に向けてこのビッグデータを研究に活用していきたい」と力強く語りました。

■健康未来イノベーション研究機構ホームページはこちら
https://coi.hirosaki-u.ac.jp/