弘前大学

弘前ねぷた位置情報発信社会実証実験2023

2023.07.28

プレスリリース内容

本学研究者

大学院理工学研究科 丹波 澄雄准教授
※丹波准教授の紹介ページは こちら(「研究者総覧」の研究者ページへ)

本件のポイント

  • 弘前ねぷたまつりに参加する半数程度のねぷたの位置情報を、WEB上でリアルタイム発信するシステムを開発し、その実証実験を行う。
  • 計測した位置情報を大学で構築しているLoRa通信網を用いて送信することで、通信コスト0円で運用できる。
  • このシステムにより、ねぷたの定時運行に寄与する情報を提供できること、および観光客などが見物するための時間的なゆとりを得られることが期待される。

本件の概要

弘前の夏まつりである弘前ねぷたまつりでは延べ100台に及ぶ「ねぷた」が運行されてきているが、ねぷたの運航スケジュールは当日の運行直前にならないと確定しない。各ねぷたの現在の位置情報が得られるならば、ねぷたの運行状況を正確にリアルタイムに把握することが可能となる。
ねぷたの位置情報をリアルタイムに発信するシステムは、2019年度に初めて弘前大学ねぷたにGNSS(全球測位衛星システム)機器を搭載することで動作確認実験を行った。2022年度は新型コロナ対策の一環として弘前青年会議所と連携して試験運用として16台のねぷたに位置計測を行うGNSS機器を搭載して実施した。今年度は弘前市市民参加型まちづくり1%システムの支援を得て合同会社ミーモテックと共同で搭載機器を30台に倍増させて実施する。
リアルタイムねぷた位置情報発信システムを公開することで、各ねぷたが自身の位置を正確に把握できるようになるので、予定時刻からのねぷたの遅れが把握でき、定時運行を維持することができるようになる。また、観光客や見学者にとっては自分の贔屓のねぷたを確実に見物するための時間的なゆとりが得られるようになるので、より安全にねぷた見物を楽しめるようになる(図1)。

(図1)WEB上でねぷたの位置情報をリアルタイムで確認できる

(図1)WEB上でねぷたの位置情報をリアルタイムで確認できる


今回開発したシステムでは、LPWA (Low Power Wide Area)通信の一つであるLoRa(Long Range)通信を利用してねぷたに搭載したGNSS機器で計測されたねぷた自身の位置情報を公開サーバに集めている(図2)。

(図2)ねぷた位置情報公開システムの概要図

(図2)ねぷた位置情報公開システムの概要図


LoRa通信は免許が不要で基地局を利用者が自由に設置できることから通信料金は発生せず、ローコストで運用できるシステムとなっている。昨年度に引き続き今年度も通信品質を向上させるためのLoRa通信の中継機を弘前パークホテルに設置して運用している。
位置情報公開ページはWebページとして構築しているので、インターネットに接続できる機器から容易にアクセスが可能である。アクセス先のQRコードは、若手絵師2名のねぷた絵を採用したうちわにも掲載してあり、今回は土手町コミュニティパーク、弘前市立観光館にて、計800枚の配布を予定している(図3・4)。

(図3)若手ねぷた絵師によるうちわ絵①

(図3)若手ねぷた絵師によるうちわ絵①

(図4)若手ねぷた絵師によるうちわ絵②

(図4)若手ねぷた絵師によるうちわ絵②

アクセス先 URLは以下の通り。
<ねぷた位置情報発信ページ> https://neputa.t-lab.st.hirosaki-u.ac.jp
公開期間:2023(令和5)年8月1日〜6日

プレスリリース

プレスリリース本文は こちら(1.1MB)

本学お問合せ先

弘前大学大学院理工学研究科 丹波 澄雄 准教授
TEL:0172-39-3725
Email:tanbahirosaki-u.ac.jp